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【剣と魔法と】ここだけ世界の境界線★24【光線銃】
- 581 :アイン ◆AaNrqSY5ys [sage]:2019/01/13(日) 22:47:12.34 ID:632G4vsk0
- >>580
「ああ、殴るときはな、頑張ると」
そう言ってアインが拳を固める。
その姿は黒い粒子からどんどんと移ろい、
やがては金髪碧眼で長耳細身な女性の姿に変わるだろう。
「こう、形態が変わるんだ」
何をどう頑張るのか具体的には答えられない。
全ては感覚の上で行っているのだから。
- 582 :エルダ ◆9vmr0jXsek [sage]:2019/01/13(日) 22:58:37.94 ID:qEC/UI980
- >>581
「」
またも言葉を失う。
いや、予想できてしかるべきだったかもしれない。不定形であるからには変化自在のはずだ。
それにしても、と言いたくなるような変わりようではあるが。
「というより、あなた女の子だったの?」
「……っていう質問は変かしら。あんまり意味とかなさそうだものね。性別なんていう括りで括れないでしょうし」
- 583 :アイン ◆AaNrqSY5ys [sage]:2019/01/13(日) 23:03:42.51 ID:632G4vsk0
- >>582
「あー、うん、多分そうなんじゃあないかな?
…いや、どうなのだろう?
容姿はエルフのそれに似通っているらしいのだが、別にエルフではないし…」
ふむむ、と頬に手を当て考える。
「そもそも嗜好として雄より雌を目で追うことが多くないだろうか?
いやいや、それだったらヒトよりも異形の容姿に興味をそそられる…
いや、存外刀剣に大きく惹かれるのだから無機物にこそ……」
やばい発言が飛び交っていますが自己確立が出来ていないので大目に見てあげてください。
- 584 :エルダ ◆9vmr0jXsek [sage]:2019/01/13(日) 23:17:18.94 ID:qEC/UI980
- >>583
「……定まってはいないのねぇ。それはそうなんでしょうけど」
興味深げにその様子を眺めて、ふんふん頷く。
「まぁ、人当たりのよさはその姿の方がいいと思うけれど。というよりあなた、その口ぶりだと目立ちたいように思えるけれど」
「人に注目されたいっていう思いがあるのかしらね?」
アインの自身も理解していない願望が見えたのでは? と少しわくわくした様子。
- 585 :アイン ◆AaNrqSY5ys [sage]:2019/01/13(日) 23:22:35.02 ID:632G4vsk0
- >>584
「ん?そうなのか?私は目立ちたいのか…」
ふーむ、と腕を組むアイン。
「…いや、ホントにそうだろうか?
まあ、考えたことがなかったからなあ。
仮にそうだとして私は何をすべきだろうか?」
- 586 :エルダ ◆9vmr0jXsek [sage]:2019/01/13(日) 23:34:29.85 ID:qEC/UI980
- >>585
「まあ、何かと曖昧で定まらないあなたには本当にそうか、そうでないのか、なんて論は無意味なような気もするけれど」
「それでも、あなたが個としてあることを望むであるからには、自己の核が必要になるでしょうね」
床を蹴り、再び中空やや高めの位置に浮かび上がり。
「ええ。あなたは自己の核を見つけるべきよ。今のままじゃ曖昧で雲か霧のようだもの。あなたが先ほど好きって言ったことは、明日も同じかしら?」
「どうしたら見つかるのか、どうやればいいのかはあなたが見つけるしかないけれどね」
「うん。私が言えるのはそんなところかしら。何かの参考になるかしら、それともただの亡霊の戯言かしら。あなた次第ってところね」
ふよふよと浮かびながら、クスクスと笑ってそう言う。
確かに自分好みではなかったが、まるきり訳のわからないというわけでもなく少し安心したらしい。
「私は幽霊のエルダ。ふふ、あなたがもう少し確り形を得たら、そうしたら恋の話をしましょうね。きっとよ」
それじゃあ、ばいばい、と手を振ってどこぞへ飛んでいった。
- 587 :アイン ◆AaNrqSY5ys [sage]:2019/01/13(日) 23:36:37.83 ID:632G4vsk0
- >>586
「恋の話…ああ、知識にはあるが一番訳が分からなそうだなそれは」
手を振りエルダを見送るアイン。
「了解した。まあ、当面の目標として形を得るのはアリかもだな」
- 588 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 [saga]:2019/05/08(水) 22:14:44.89 ID:902OZbzYo
- 【前回までのあらすじ!!】
最近またもブッソーになってきたスプロール。
ランカーズギルドはしっちゃかめっちゃかで、大企業はしらんぷり。
そんな中、越境者達に息抜きめいた指名依頼が舞い込んだ!!
−−−−−−−−−−−
デスデス、前略ユカイな皆さまへデス。
昨今お疲れと聞いたデス。
α-12はいまスゲーヒマ、もとい皆さまをいたわる重点したくなったので、
ぜひともカノテクのアーコロジーまでいらっしゃいデス まる
−−−−−−−−−−−−
「何故か、報酬(昼飯代)は出ているのだが…依頼かコレ?」
ナムサン!ランナーズギルドシステムの悪質利用だ!
【さあ、この依頼と称したいたいけな少女の心遣いをありがたくうけとりドゲザするのだ】
- 589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2019/05/08(水) 22:18:11.54 ID:902OZbzYo
- 【又=サン決断的移植!!】
>>588
動乱のギルド内。我関せずといった態度で切り抜けたいがそうもいかない。
ため息を零し、今日も端末を操作、キャビネットに届いた依頼を虚空にホログラフィック投影し、確認する。
強襲、略奪、簒奪、潜入、暗殺、使命依頼。最後のは努めてガン無視。
「飯代しか出ねーのかよ。子守でもさせられるのか?」
依頼文を確認し、露骨に嫌そうな顔。文章でまでその口調なのか!?
重なった心労も妹猫カフェで大分癒されたと聞いたが、癒されすぎたらしい。適当な理由を付けて閉店させるべきだろうか。
「……死ぬような目か、クソ映画に遭わなきゃいいケド」
どっちもあり得そうなのが嫌なところ。ホログラムディスプレイを閉じ、本日何度目かのため息をつくと、丸いサイバーグラスを掛けて立ち上がった。
- 590 :ウイング ◆AaNrqSY5ys [sage]:2019/05/08(水) 22:20:35.48 ID:KFglVTIK0
- >>588
「…」
耳の部分と背の辺りから小さな羽が生え、
風もないのにゆったりうねる金の長髪と赤の瞳を持つ少女、
誘われたんだからいいんじゃね?という上の判断で登場である。
「……ごはん!」
内部のポンコツ具合が露呈した辺りから腹ペコ属性が強化されつつある!
- 591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2019/05/08(水) 22:30:05.92 ID:mrfPtv310
- ロイ「しゃあない 少し出かけてくるか・・・」
舎弟「お疲れ様です 兄貴!!」
舎弟さんたちのオジギを背に いやいや出向く『カタギ』のロイ・ゴールドマンであった
ロイ「おぅ邪魔するで」
のっしのっしとカノテクアーコロジーにやってくる『カタギ』のロイ・ゴールドマン
なぜか道行くとびとがアイエエエなんぞ悲鳴を上げて避けていくが イッタイナニガアッタンデショウネー
- 592 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 [saga]:2019/05/08(水) 22:32:19.01 ID:902OZbzYo
- >>589-591
さてさてそんでもって?
【カノッサ・テクノロジー社:アーコロジー】
そもアーコロジーとは何か?それは生活と消費が一都市で完結する環境都市の呼び名だ。
特にメガコーポが支配するアーコロジーはそのものが社屋であり社会なり法律もまたカイシャが管理運営している。
【当然ながらスプロールにおいてはホワイトエリア/グリーンエリアに属し、マケグミの猥雑なるレッドエリアとは無縁だ】
アーコロジーへの来訪は当然ながら高い市民ランクを必要とし、
招待客という体で無ければ、出自怪しき者達が入ることなど許されない。
【高層ビル立ち並ぶ区画は不自然なまでに整然としている。無秩序の増殖を繰り返す都市下層とは別世界】
重金属酸性雨もレーザーをはじめとしたさまざまな技術で晴らしており、
スプロールのメガプレックスにおいては貴重な太陽すら拝めるのだ。
【ただし、肉眼で周囲を見ればやや殺風景なまでに味気なくも見えるかもしれない】
【ハイスクール帰りの少女たちが一見して何もない建物に入っていくのも奇妙に映ることだろう】
ただし、拡張現実(AR=オーグ)の眼を持っている場合には全く話は別だ。
カラフルな広告と案内標識、平凡な恰好に見えた若者たちは電磁的データを着込み派手な服装や髪形を愉しむ。
何もない店が電磁データの服やアクセサリーを販売し、それを電子マネーで購入する姿などだ。
【1つ10新円のトーフカルデッドで糊口凌いでいる階層の者達とは縁遠い光景がそこにある】
賢明なる企業による節度ある資源の再分配。
下層民は糧食を得るための労働に従事し、ピラミッドの上層の位置するカチグミは当然の権利として人生を満喫するのだ。
- 593 :ウイング ◆AaNrqSY5ys [sage]:2019/05/08(水) 22:37:18.53 ID:KFglVTIK0
- >>592
装備品の一つとしてAR内蔵のバイザーもあるにはある。
しかし今日の培養少女は御飯を食べに来たので態々身に着けるという選択が頭にない!
「…?」
ので、殺風景だなーという認識で終わり、
果たしてこんなところで美味しいご飯が出てくるのか、そればかりが心配であった!
- 594 :かぶり ◆7o2VmDCU/gqh [sage saga]:2019/05/08(水) 22:42:19.71 ID:mrfPtv310
- >>592
拡張現実?
なにそれおいしいの?
ロイ「しっかしいつ来ても殺風景な場所だよなぁ」
THE・ウェットのロイ・ゴールドマン そんな煌びやかな世界とは無縁な存在であった
シンプルな服装の人々が 何もない場所を指示してキャイキャイ騒いだりしているのを
何してんのこいつら? みたいなけげんな表情で見ていたりと
まぁなんだ 原始人にハイテクは難しいのだ
ロイ「さぁて α-12はどこにいるんだ?」
- 595 :ソーマタージ [saga]:2019/05/08(水) 22:43:59.59 ID:U4yY1Zbv0
- >>592
「多分、もう二度と拝めねーゼ。目ン玉カッ開いてよく見とけ」
黒いサイバーストライプスーツに身を包んだソーマタージは、同行者の方をチラリと向いて言う。ドレスコートのつもりだったが、却って浮いてしまったか。
殺風景な空間も、サイバーグラスを通して見れば歓楽街もかくやと言う煌めきに包まれる。鬱陶しいので彼は電源を落とした。
下層とは正に天と地ほどの差のある世界。招いた者は、果たして一体何をするつもりなのだろうか。
「それとも、ショッピングでもするかい?時間に間に合うかも、金が足りるかも知らんけど」
- 596 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 [saga]:2019/05/08(水) 22:48:44.54 ID:902OZbzYo
- >>593-595
「デースデスデスデスデスデス」
と、道路をにゅるーんと走るセグウェイめいた二輪ビークルで走っているのは、
皆さまおなじみ、トンチキトルーパーのα-12である。お出迎え!!
「ジュワッチ!!」
びょーんと飛んで、越境者達の前でビシっと着地!10点!
【いつものガスマスクにど田舎ものご来訪≠ニ書かれた胡乱Tシャツ!!
こいつばかりはARがあろうがなかろうがアレな恰好であった!!!】
「ヒマツブシに付き合ってほしくて、もとい忙しそうな皆さんをいたわりに参上デス!
さあ、女子力マックスなα-12の心遣いにむせび泣くといいデスよ?」
いちいち寝言言いながらポーズをキメていますです。
「ではまず、人体じっけ…の前に、お昼デスね」
と、明らかにぐーぐるぎゅーモードなウイングを見て一言。
何か、今、不穏なこと言いかけた?みたいな妄想にかられる方は雛見沢症候群の危険があるので信じる心を養うべし。
「ではレッツラゴーデス」
α-12が呼び寄せたのは、道路に自動でセグウェイっぽいビークルが人数分やってくる。
【判定:乗り物操縦得意デスか?】
「ちなみにコレ、時速120kmまで加速するデス」
- 597 :ウイング ◆AaNrqSY5ys [sage]:2019/05/08(水) 22:54:23.29 ID:KFglVTIK0
- >>596
「送迎用のバスを用意したほうがリスクが少なかったように思う」
周りのメンツを見て呟く培養少女。
ロイはそもそも運転の前に身体が規格に合うのだろうかとも思う。
ソーマタージはちゃんと運転できるのに悪ふざけで暴走しそう。
そして自身は…まあ運転はできるだろう、一応戦闘車両の操作も収めている。
たぶん、まあ、初めてだが…
果たしてどうなったのやら
- 598 :かぶり ◆7o2VmDCU/gqh [sage saga]:2019/05/08(水) 22:57:09.16 ID:mrfPtv310
- >>596
ロイ「あぁはいはいすごいすごい」
実にやる気のない称賛をα-12に送る
ロイ「あぁはいはいよかったよかった」
これまたやる気のない称賛をα-12に送る
んでまぁセグウェイっぽい何かがやってくるので乗ってみましょう
1どっこいせと短足をよっこらあげて台座に上る
2電源が落ちます
3そこにはうんともすんとも言わないセグウェイっぽい何かの上で直立するオッサンの姿
ロイ「動かないんだが?」
こまったね
- 599 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/08(水) 22:59:18.95 ID:U4yY1Zbv0
- >>596
サイバーグラスを額に上げ、また掛け直し、また上げて三度見。眉間を押さえて何かを言いたくなる気持ちを抑え込む。
自分が浮いてる心配はなさそうだ。こんなのがいる以上。
「お前ギャグキャラから倫理観無くしたらただのサイコだぞ?」
不穏な事を言った(ような気がする)ので、ジトーッとした目で自分の事は棚に上げまくって注意。
ともあれ、ご飯には賛成だ。わざわざ一食抜いてきたらしい。手を擦り合わせ、謎ビークルにサイボーグまっしぐら。
「120kmだろうが第120宇宙速度だろうが、そんなに出さねーからいいよ」
これでも愛車は魔改造を施した大型スポーツバイク。乗ってる描写は全く無いが。 この程度の乗り物の操作はお手の物だ。
- 600 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 [saga]:2019/05/08(水) 23:06:37.69 ID:902OZbzYo
- >>597-599
【乗り物が操縦できない場合はズッコケたり、その場でグルグルしたりとブザマを晒すことになるだろう】
「だー!相変わらずの原始人デス!」
仕方ないのでロイに関しては縄でグルグル巻きにして西部劇めいて引っ張った(マテ!
【バカンス1…ロイで<香[ピングを遊ぼう!かわいいね!】
−−−−−−−−
実はこのカノッサ・テクノロジー社のアーコロジー。
過去にエーカー社という敵対存在との戦いで結構破壊されたりもしたのだが、
どうにかこうにかご覧のように復興を遂げております。
「実は最近、ウチのアーコロジーではファンタジー的メシがブームになっているデス。
ニューフード(オキアミを元にする合成食)部門も頑張っているんデス」
【α-12が案内した店は無理矢理に中世期ファンタジーの酒場を模したデザインである】
しかして、メニューがARだったりもするし、「西洋な」「魔物的味わい」「電話王子」という奇妙なカンバンに加え、
正直言うと、外人から見たニホンみたいな珍妙さに溢れた外観になっていたりする。
【メニュー:
ヘビ肉の煮込み、オニオンスープ、ニンジンのソテー、カタツムリのローストなど、
味気ない安物ニューフードで暮らす人々には中々にお目にかかれない料理が並んだ】
「もっしゃもっしゃ、デスデス。実は今からは本題でデス。といっても遊び感覚でおkなんデスけど」
と、やっぱり何か目的おありなα-12が言う。
「実は新製品のモニターに付き合ってほしーデス。
最近、アウトキャストのアーマーギア(パワーアーマーの都市簡略版)にシェア圧されているデス。
こちらも新しいコンテンツで対抗したいデス。もっしゃもっしゃ」
- 601 :ウイング ◆AaNrqSY5ys [sage]:2019/05/08(水) 23:12:51.73 ID:KFglVTIK0
- >>600
「了解した、で、メニューは右から左まで全部頼んで良い?」
他企業の先兵にやらしていい内容か微妙な依頼だが、
そもそも時系列無視すると似たような事を現場間で相互にやっているのでトントンという判断。
そんなことよりどれだけ食べていいかが問題なのである!
最終的にはドギーバッグも使用する腹積もり!
- 602 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/08(水) 23:16:56.86 ID:U4yY1Zbv0
- >>598>>600
「キャホーケラケラ」
ウイングの懸念は少し当たっていた。暴走こそしていないが、悪ふざけでロイの周りをグルグルと走り、なぜか付いていたホーン的な何かをテロテロパフパフと鳴らして煽っている。
持つ者と持たざる者。溝が埋まる事はおそらく無いのだろう。 と言うか埋まる気がしない。
「電脳化の次はファンタジー、よくある話だな。人はいつでも目に見えないものに想いを馳せる」
案内された店を見上げ、鼻で笑う。大まかな外見だけは、ファンタジー世界にも訪れた事のある彼からすれば馴染み深いもの。
しかし中身は違った。やはり想像の産物でしかない。 というか想像にしてもトンチキすぎるような。
「モニター?なんで俺らがそんな事しなきゃいけねーんだよ」
モソモソとヘビ肉を咀嚼し、口の中を水で洗い流して質問で返す。
態度はともかく、言ってる事は本音も混ざっている。越境者は一騎当千の強者が多いとは言え、彼女らクローントルーパーもそれなり以上の戦闘力を有するはずだ。
テスト役、ダメ出し係としては彼女らでも十分に事足りるはず。そこが引っかかったらしい。 面倒臭いのもそれ以上にあるが。
「その新兵器。プレゼン中に役員を撃ち殺したりデスゲームに放り込んだら超一流のスナイパーに無力化させられてたりしないよな?」
- 603 :かぶり ◆7o2VmDCU/gqh [sage saga]:2019/05/08(水) 23:18:18.64 ID:mrfPtv310
- >>600
ロイ「あ ちょ おま・・・!」
ズベベベベベベベベベと引きずられる原始人 まるで西部劇みたいだ(白目
ロイ「あぁ実にうまいなドチクショウ」
砂まみれ土塗れボロッボロとなったロイが 凶悪度マシマシになった目つきをα-12に向けつつ
蛇肉をむっしゃむっしゃ食べていた
ロイ「ゲプッ そういえばウチのミスリルは あのクソエーカーのギアの何にどうつかわれているんだ?
これでもミスリル生産国なんだ もしかしたらミスリル関連からギアの無力化が可能かもしれん
俺はその辺の知識が無いが 故郷に帰ったときに ミスリルメイカーに聞いてきてもいいぞ」
- 604 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 [saga]:2019/05/08(水) 23:28:53.05 ID:902OZbzYo
- >>601-603
「タ、タッパーはどうかとデス…」
一応、おごりではあるのだが、それはそれとしてどうよ?なα-12であった。
あお、メニューは右から左までオールオッケーだぜ。ウイング=サン!!
「デスデス、又=サンの言う事ももっともデス。理由はちゃーんとあるデス」
ホロディスプレイを開く…生体装甲。
「α-12達のディープメイカーからヒントを得たコンテンツデス。
ナノマシンと外皮細胞からなる生きた装甲を着込んで戦闘力の強化を図るというものデス」
そこで、ロイの言葉が来たので、関連付けで補足する。
「エーカーのアーマーギアとパワーアーマーの制御系にミスリルとかいろいろ組み込まれているデス。
これまでのアーマーと比べて反応速度と追従性が30%以上向上デス。都市戦闘対応が可能になった理由デス」
つまるところ、そのカウンターもかねて、機械以上の追従性が期待できる生きた装甲に眼を付けたわけだが、
「と、こ、ろ、が、ひとつ、問題が出たのデス」
ここで先程のソーマタージの疑問に戻り、一度ウイングを見てまあいいか≠ニか思いながら、
「実は起動実験で一度失敗しちまったんデス。それ以来、姉妹たちが皆、テストにNOと言うデス。ストライキ一歩手前デス」
おろろーんといったポーズである。さて、クローントルーパーと言えば任務のためならば死をも厭わぬ者達。
それなのに皆が皆、断固拒否とはなんぞ?である。
【ちなみに死人が出てたらα-12は他の姉妹と異なり真っ先にストライキかましそうな類である。なんだかんだで根っこは姉妹好き好きなので】
- 605 :ウイング ◆AaNrqSY5ys [sage]:2019/05/08(水) 23:35:32.34 ID:KFglVTIK0
- >>604
「…残念」
相変わらずの投薬で感情抑制されている筈であるが、心底残念そうに見えるのだ。
「起動失敗?
生成過程の問題でドロドロに腐った状態で起動した。
意図せぬ形状変化を起こして用途不明の器官が生じた。
そんなところ?」
何か見た事があるような具体例を出して問う。
まあ答えなくてもいいのだろうが…
- 606 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/08(水) 23:39:07.86 ID:U4yY1Zbv0
- >>604
「生体装甲?…ああ、強化外骨格みてーなのか。若先生の方の」
ディスプレイを覗き込み、一人納得。合ってるかどうかは知らん。
似たような事は、ナノマシンの活性化剤で彼もやっている。αの言うのよりかはかなり乱暴で、無駄な要素も多いものだが。
なのでその辺りは結構すんなり受け入れた。ミスリル仕込みの高性能アーマーと、生きた兵器。自分が関わらないのなら胸が熱くなるような戦いだ。
「何だ、アーマーの方から弾かれたのか?エッチな目にでも遭ったか?」
皿を傾けてソテーをダバダバと口に流し込み、当たり前のようにセクハラ発言。気にする様子はない。
咀嚼を終えて飲み込めば、口元をハンケチで拭いた。何だかんだマナーは分かっているのだ。やる気が無いだけで。
「───いいぜ、見てやるよ。たまには、殺し以外で金を稼ぐのも悪くない。
そいつらの主張を纏めてこい。同系統の“姉妹”なら、話ぐらい聞けるだろ」
血みどろの生活にも倦んできたというもの。気晴らしにはなるかと、二つ返事で了承した。
ただし、と指を立てて条件を付け加えるのは忘れないが。得体の知れない、しかも断固拒否されるようなものに、何の情報もなく接する気はない。
- 607 :かぶり ◆7o2VmDCU/gqh [sage saga]:2019/05/08(水) 23:39:53.81 ID:mrfPtv310
- >>604
とりあえずメニューは右から左までおいしくいただきました
兵士たるもの食える時に食うものである
んでまぁ色々と聞いてみて
ロイ「制御か・・・ミスリルの性質を変えちまえば・・・?
確か魔法触媒化させるときに使用する薬品があったはずだが・・・うまくいくかな…?」
などと顎をひねるが なにやら話が出てきた
ロイ「生体装甲? あの類は危険だぞ 制御に失敗して鎧に呑まれた輩は何人もいる
できることならもっと別の道を模索してもらいたいところだが・・・」
と テストに難色を示すロイであった
- 608 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 [saga]:2019/05/08(水) 23:50:50.68 ID:902OZbzYo
- >>605-607
「と、いうわけでガンジョーな越境者の皆さんに遊びがてらに着込んでみてほしーなと、デス」
肝心なところをいろいろと抜かして目をそらしながら説明するα-12。
「安全性はちゃーんと確保しているはず<fス。少なくとも生命にベツジョーはないデス。ではレッツラ――」
【が、やはり説明を求められた!!!ナムサンポ!!!!】
「デ…デス、先ずはやってみてからのお楽しみデデ…」
しかして、ユカイな仲間達のみーんなから説明汁な圧力!逃げ場無し!!
「危険はないデスよ?危険は…VTRスタートデス」
−−−−−−−−−−−−−−−
【ホロディスプレイ】
α-22が生体装甲を着装する。着込むというのも正確な表現ではない。
特殊な外皮細胞は正に着装者と細胞レベルで融合するのだ。もちろん不可逆の融合では話にならぬので、
分離に関しては服の如く当然に行える段階まで様々なテストが行われている。
【五感そのものの強化、銃器を取り込むことによる高度なマンアンドマシン&重火力化】
しかし、である。ここで問題が出た!!
≪ゲヘヘ、ちっぱいとの融合。おなごと一体化、サイコーでヤンス≫
生体装甲の意思がダイレクトで伝播!マイクで外部に聞こえた!!
【涙目になったα-22は即刻脱いで、生体装甲に銃を斉射!ひょいひょい避ける生体装甲!】
優秀な男の職員も試してみた!
≪アーン!逞しい上腕二頭筋!ビクンビクンと伝わるわあ!カ・イ・カ・ン!(野太いおかまヴォイスで≫
【クローントルーパーの皆さんは速攻で溶鉱炉に放り込むべきだとストライキを起こした!!】
−−−−−−−−−−−−−−
「どう頑張っても、糞たわけの疑似意識を持っちまうデス!おかげで性能テストもままならない!!」
クーっと、涙目になるα-12。そんなものと同化だ。文字通りの一体化。
疑似意識は仕舞いには体液循環重点とか言い始めるしまつ!!
「で、せめて性能テストはやりたいので、これまで様々な困難に打ち勝って、精神力マシマシな越境者に白羽の矢が――」
- 609 :かぶり ◆7o2VmDCU/gqh [sage saga]:2019/05/08(水) 23:55:10.90 ID:mrfPtv310
- >>608
ロイ「ごちそうさまでした」
決断的に席を立ち アーコロジーを後にせんと歩き出すロイ・ゴールドマン
その行動は素早かった 逃げきれるかどうかは別として
- 610 :ウイング ◆AaNrqSY5ys [sage]:2019/05/08(水) 23:55:55.15 ID:KFglVTIK0
- >>608
「ご馳走様でした」
ただ飯食らって退席、はい回れ右ッ!
「プランそのものの見直しを強く強く推奨する」
それだけ言うとさっさと帰ろうと。
流石の培養少女にも出来ねえことがある!
- 611 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/08(水) 23:59:17.10 ID:U4yY1Zbv0
- >>608
「やらせる側はちゃんと説明する義務があるんだぞ」
やるとは言ったが説明は必要だ。ロクな予感がしないが。
「そういうって事は、危険以外はあるんだな」
そして、表示された映像。眺める表情は完全なる無。感情を持つ事自体が煩わしいかの様な虚無!
擬似人格はしたたかで、しかも折檻も効かなさそう。見ただけでそこまで判断出来る。これはダメなやつだ。
睨みつけるかの様な目でαを見て、ファックサインを一つ。スーツの袖を捲って腕時計を確かめ、帰ろうと席を立った。
「しまった、これからミーティングがあるんだ。アジェンダアジェンダ」
「こんなのに金かけるぐらいだったら、巨砲でも作ってる方がマシだろう」
涙目のα-12に、死神の鎌めいて容赦なく振るわれるのはおっきなハリセン!突っ込むべき技術者がいないので、その分も上乗せしてある。
こういうのには弱い。蛙が蛇に勝てない様に、彼にも太刀打ち出来ないものがあるのだ。
「俺が魚雷ガールだったらなぁ」
- 612 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 [saga]:2019/05/09(木) 00:01:34.61 ID:u1QrraDco
- >>609-611
「は、はくじょーものーデス!!!」
あっさり逃げを打ちやがった酷薄なる越境者達への恨みぶし!!
理由が理由なだけに追随の手をとっても緩く、
ニューロンの無駄づかい的なアホエピソードとして記憶されるのだった。
//めでたしめでたし
- 613 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/09(木) 22:47:55.55 ID:u1QrraDco
- 【神話世界エリュシオンにて――】
水の都――
水の精霊信仰からなる都市国家であり政策は評議会と自治組織が行っているという。
教義のひとつに「自ら他を害そうとするなかれ。常に流れの中で己を保ち続けよ」とあり、
専守都市国家として存続しているようだ。
【教義ゆえか人々の間で明確なる社会階級差は存在せず、人間とエルフとその他の種族が1;1;1の割合で暮らしている】
「まあ、そんなところだからか、迫害から逃げてきた者も多いらしい。
私達のような社会的地位が曖昧な輩にも足を踏み入れやすくはあるな」
と、言うのはイムカ・グリムナー。
なんやかんやで≪惨劇≫の二つ名を貰い、出禁を食らった都市も日に日に増加中という
ちょっぴり厄介な御仁である。
- 614 :タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2019/05/09(木) 22:58:22.86 ID:KqMIPCQH0
- >>613
「成る程、成る程」
「ここ(エリュシオン)へは幾度か来てはいますが……」
その辺の教義だとか、信仰、宗教だとか
半人からすればイマイチ理解し難い部分に触れる機会は少なく、故に新鮮味は増している
「……色々と便利そうですね、わたし達からしてみれば」
精一杯言葉を選びオブラートに包み包み、苦笑ながらに隣を歩く
- 615 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/09(木) 23:08:41.90 ID:u1QrraDco
- >>614
「全くだ、前の街など酷かったからな。
私達を見た瞬間にいろんな門やら戸が閉まるとか酷い話だ」
越境者という根無し草に偏見があるに違いないと憮然としたポーズのイムカである。
なお、当の本人は自分に脅えの視線が集中していたことに気付いていません。
【すでに問題が起こっている村々には歓迎されたりもするのでウィッチャーっぽいの嫌われ様であった】
この都市の閑静な街並みは色々なトラブルに巻き込まれがちな越境者には丁度よかった。
モザイク模様のタイルで舗装された地面、水路のかかる石橋と彫像。一枚の絵画のような景観だ。
【この都市は観光都市としても知られており、さらに街は湖で囲われており、渡し船のみが行き来の手段となる】
水の精霊神の聖地ともされ街には巡礼ボンズの姿も多く見受けられた。
「エリュシオンも大概に広いからな。君も全てを回っているわけではないだろう」
越境者といえども案外にそういうものだ。
数多くの世界を巡ることと、数多くの世界を識っているということはイコールではない。
(私達からすれば便利そうか。なるほどな、確かに私達≠ヘ何かとトラブルに巻き込まれがちだからな)
と、うんうんと頷くイムカである。そしてトラブルを吸いやすいと思うタェンティースにちょっと同情の視線!
- 616 :タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2019/05/09(木) 23:18:55.01 ID:KqMIPCQH0
- >>615
「……なんでしたら、入都拒否も珍しくないですよね」
査定の時点でノーサンキューを突き付けられる事もなくはないだろう、きっと多分メイビー
「不思議と、落ち着きますね」
「偶にはのんびりとこう、観光をするって言うのも悪くはないかなーなんて……」
美麗なる水都市のせせらぎに耳を傾けてほうと吐息
年がら年中慌ただしいトラブルに巻き込まれている越境者達としては、このような瞬間というのは存外希少だ
「……?」
「ふふ、イムカさま、如何致しましたか?」
実際半人はトラブルに巻き込まれやすい系の体質ではある
しかしてそれ以上に、己からそれを引き起こしたりなんなら首を突っ込むタチではあるのだ
最もそれも、イムカの程では決してはないであろうが
そんな彼女の意図を感じる事は叶わず、視線には微笑んで応じる
- 617 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/09(木) 23:29:38.50 ID:u1QrraDco
- >>616
「何故か丁度、門が閉まっていて開けてくれなかったことはあったがな」
これはむろん皮肉である。あんまりな話ではないか。
なお、それをされる直前には結構アブナイなクエストに首を突っ込んでいたと記しておく。
【水産業が盛んで魚が美味いらしい。とくにスシなんてイケる…スシ?】
−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−
−−−−−−−
【と、言う訳で路銀稼ぎの情報集めがてらにスシ屋で食事だ】
ファンタジーの外見なのにスシ?などという無粋な事を考えてはいけない。
世界には世界それぞれの在り様があり、先入観で型にハメるのよくあっりません!!
「もぐもぐ、調べてみたらちょっとした問題が発生しているらしいぞ」
マグロスシを食べながらのイムカである。
スシはニンジャにとっても完全栄養食。味に意はないイムカも栄養なら実際歓迎。
- 618 :タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2019/05/09(木) 23:43:12.79 ID:KqMIPCQH0
- >>617
「……」
「……門が、故障してたんでしょうね」
この手の会話においてウィットに富んだ返答をユーモアたっぷり返す事が出来ない事を半人は悔やむ
今もそうだ、取り敢えず苦笑いと共に誤魔化すしかないのだから
んでもってスシ屋なう
「もぐもぐ……問題ですか?」
「……見た所、平和そのものに伺えましたが……」
順応性の高さは実際折り紙付きである半人
正常性をゴリゴリ削ってくるようなこの場においても問題は皆無
「え、あ、次、握るもの……?……えっと、あー……じゃあ、お任せで……お願いします……」
ただ、カウンター越しの職人との会話は無論弾まないが
- 619 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/09(木) 23:50:22.99 ID:u1QrraDco
- >>618
「なんというかな。タコ害が発生中らしい?こう、うねうねっと?」
手でうねうねゼスチャーをするイムカ。
なお、何故かニアが脳裏に浮かんでしまったが酷い冤罪である。
おバカな連想にイムカも首をちょっと振ってかき消す努力!!
「やたらと増えてしまっていい迷惑らしい。生態系にも影響が出るし、
小舟を転覆させにもかかっているようで随分悪質だ」
【やっぱり何故かタイドメイカーが小舟に貼り付いている絵が浮かんでしまいもう一度首を振る】
「おかげで下水道退治ばりに似たような依頼が盛況だそうだ」
と、捨て値同然のタコスシを頬張る。美味くて安い。
旅人にはありがたいが都市としては看過できぬのだろう。
「このケースは大抵、突然変異種の発生というのが定番だろうな。
何かの間違いでランクアップしすぎてクラーケンあたりにでもなっているのだろう」
- 620 :タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2019/05/09(木) 23:57:41.78 ID:KqMIPCQH0
- >>619
「……はい?タコ?」
思わず鸚鵡返して想像するのは無論だってんです
丁度スシを食べる寸前だ、そのまま固まり二度瞬き
「……それは、その……」
「……大変、ですね……?」
実際クラーケンとならば被害は恐ろしいものであろう
しかし半人の脳内ではニア顔のちっちゃいタコがわらわら大挙するイメージしか出来ずに同じく首を振り払拭を試みる
「まぁ、大きくなりすぎるのはアブナイですからね」
「……近々、美味しいたこ焼きを振る舞えそうです」
- 621 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 00:01:33.97 ID:5gjYjLuCo
- >>620
「だ、な。当面の指針にするとしようか」
と、イムカもタコスシをもぐもぐ食べながら頷くのであったとさ。
//いじょ!
- 622 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 22:02:17.87 ID:bNpxujls0
- ヒトの感情がエネルギーとなる世界。
その世界では感情エネルギーを制御する術を魔法と呼称している。
魔法への適性は女性の方が高く、それ故世界は女性優位である。
稀に生まれる適性の高い男性は勇者と冠され将来を有望視された。
ヒトの栄と共に魔法技術は栄えて幾千年。
時に魔法は戦争にも利用され、果ては魔物と称される兵器を作り出し世に放ってしまう。
放たれた魔物もまた滅びる事無く、ヒトの脅威としてあり続けている。
某国中央都市に構えられた国立学園アヴァロン。
未来のエリート魔法使いを育む為に設立された全寮制の広大な学園の外でも物語はある。
BB「此処に来るのも久しぶりだ」
メアリー「ふうん、来た事があるの?」
BB「コレの改良で何度か」
無難な服装の美丈夫然とした金髪碧眼の青年が
黄色い襤褸を纏った青長髪の色白裸足少女を伴い
一見すると矢鱈メカメカしい懐中電灯を腰にぶら下げ
周囲に田んぼが広がる田舎道を行く。
某所の田舎であるが、此処には知る人ぞ知る魔道具の名工が住んでいる。
故にこうして稀に越境者が出向くこともある。
まあそんなこと知らずに何かの縁で越境してくるモノもいるのだが。
さて、周囲にいる越境者はどんな事情で此処にいるのだろう?
- 623 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 22:09:35.23 ID:KxNjYD67o
- >>622
≪0001111010101≫
とりあえずBBの頭にヌタっと鎮座しますはサーボスカル。
人間の頭蓋骨そのまんま使っているドローンゆえ、ある意味でゴス・ファッションぽくもあるよーなないよーな。
≪00001111110101≫
何故ここに居る?的な説明も必要っぽいので己の言葉でちゃーんと語る礼儀正しさだ!
≪00001111100011≫
とりまメアリーの皺をのばそうとホカホカアイロンを取りだしつつ、
マニュピレイターをうみょーんと伸ばしてB5サイズハードカバーを懐からごそごそ。
- 624 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 22:21:16.84 ID:bNpxujls0
- >>623
メアリー「いやーん」
楽しそうにサーボスカルに捕らわれるB5サイズ。
BB「…何で連れてるんでしたっけ、ま、いいか」
考えて分からない事は考えない、切り替え上手のBB君の処世術である…処世術?
一行は田舎道を只管進む。
偶に羽の生えた蛇やら目から石化ビームを放つヒト以上の大きさの鶏とかが湧くが
「魔物だ」「魔物だわ!」とB&Mがワンパンでのしていくので描写の余地がない。
そうして一行は都会では洋式の建物でごった返す世界で
ザ・日本家屋、みたいなそこそこ大きめの一軒家の前についた。
表札には『びびあん』と達筆な平仮名が掲げられていた。
- 625 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 22:27:41.56 ID:KxNjYD67o
- >>624
≪000111110011≫
紙が痛まぬよう細心かつ迅速なるアイロンさばきを見よ!
ページに折り目・皺ひとつないピッカピカやで!!
≪0001111100101≫
そしてBBにも改めてこれまでの経緯を口頭で説明する律儀なるサーボスカル!
−−−−−−−−−−
−−−−−−−−
−−−−−−
B&Mというカラフルなチョコレート菓子みたいな名前の同行者たちの活躍もあり
快適なる旅路が約束された道中、サーボスカルも負けじと縦回転ぐるんぐるんに余念なし。
と、まあ、そうこうしているうちにびびあん≠ネる表札のおうちにたどり着き、
「んっ?遅かったな」
と、軒先でおーいお茶を飲んでいたイムカとも合流!!
- 626 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 22:40:37.52 ID:bNpxujls0
- >>625
BB「コンビニが片道30分圏内にないもので…お待たせしました」
BBなりのジョークを飛ばし、とりあえず何故居るとかそういう突込みは封印する流浪の騎士。
メアリー
「おかげでピカピカよ!
…あれ?魔導書って少し小汚い方がらしいんじゃないかしら?」
魔導書ファッションなんて共感できるものがマイノリティな疑問を呈すB5少女。
「で、綾鷹あった?」
BB「…生茶なら」
軒先にはイムカの他に甚平を纏う黒長髪のネーチャン。
若く見えるが中身はBBA、名工と一部では称される『びびあん』である。
びびあん「しょうがない、我慢するかー。あ、クラウソラス改良費は前回の二割増しなー」
BB「許されなかった!」
びびあん「で、イムカちゃんは何をご所望だっけ?オネーサンど忘れしちった、てへ」
BB「…」
びびあん「三割増しな」
BB「何も言ってないのに!?」
- 627 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 22:48:47.43 ID:KxNjYD67o
- >>626
何故イムカがいやがる?人間むやみに深淵には手を突っ込まない方がいいという好例であった。
「魔導書を名乗るなら人の皮のハードカバーとか人面ぽい装飾とかそっち方面になると思うが?」
なんとも不気味な例ばかり出しやがるイムカである。
なお、レプリカントめいた白の書は魔導書としてはサイコーだと思う。
【ちなみにびびあん殿と同様にイムカも大概アレだ!平均年齢が理不尽なる急上昇をはたす!!!】
「リ・エグザイルの調整だ。私ではメンテナンスもままならないのでな」
イムカが片腕に着けている霊銀の腕輪。
よく見ればマスタールーンがビッシリと彫られたミスリル製のブツだ。
【出自が聖剣(破損)と聖鞭(破損)の混合物というワケのワカラン代物】
【→エネルギーを増幅・軌道変更・転送機能を持つ破邪属性のアイテムである】
- 628 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 22:59:02.79 ID:bNpxujls0
- >>627
メアリー「!」
BB「いやその手があったかみたいな顔をされても…」
B5少女は乗り気であるが、そんな禍々しいブツを
態々専用の収納までこさえた懐に持ち歩きたくない青年。
びびあん「あ、そーだった、そーだった、任してお代は其処の坊主持ちで良いし」
BB「特に理由のない出費が財布を襲う!?」
びびあん「甲斐性見せろ、男だろー」
BB「あ゛ー…」
一切の抵抗を諦め手を上げる青年。
慣れたやり取りなのか別に気にする様子もなく。
びびあん「んじゃちょっと待っててなー、すーぐ終わらせるから」
そう言って離れの作業場に向かう名工。
ちな立ち入り禁止である。
一度名工の手腕を拝もうと某黒服集団が押入った所、
一瞬にして全員のサングラスが割れスーツが弾け飛んだ。
- 629 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 23:03:51.10 ID:KxNjYD67o
- >>628
「ふむ、BBの心遣いをありがたく受け取っておこう」
ナムサン!イムカもびびあん殿に乗った!!
これにてBBの懐はマッポーめいた時代を迎える!!
【そうして、なにやら秘密な工程を始める匠。
一時期悪乗りしてデザイナーを騙る素人にやらせた
ビフォーアフターな悲劇が起きぬことを祈るばかりである】
≪00001111010101≫
元々偵察・観測ドローンであるサーボスカルは
その赤裸々なるヒミーツを白日の下にさらさんと色んなレーダーやらカメラをズーッム!!!
【帝国の密使としては色んな技術を収拾しているからNE!!】
- 630 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 23:09:30.06 ID:bNpxujls0
- >>629
ズームしたカメラの先に移る映像は真っ黒だ。
別に映像が映っていない訳ではない、ちょっと引きで撮ってみようか?
……
………うん、これ誰かの目だわ。いきなりドアップだったんで黒かったんだなー
で、何故未だに一つの目しか映ってないんだろうか瞳孔めっちゃ開いてて怖いんだけど。
「み る な」
ブツン、映像はそこで途切れた。
メアリー「あーあ」
何かを察したのかB5少女がサーボスカルを憐れむ。
- 631 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 23:13:20.34 ID:KxNjYD67o
- >>630
≪001111101010101≫
途端、サーボスカルはけもの友達の熱烈な1期ファンが、
2期を見てしまったのと同様の反応を起こし、激しく横回転を始めた!!
≪000011111010101010≫
ヤサシイセカイヲカエシテクレー!カバンチャーン!!めいて、ついには墜落!
地面にゴロリと横たわった!ショッギョムッジョ!
「BB、ドローンとかマスコットってどれもこれもアレなのだろうか?」
メアリーを一瞥しつつ頭を抱えるイムカである。
アキレス付きのベティもどっちか主人でどっちがペットめいているし、
なんかふつーに忠実な我がサーヴァントとは無縁なご近所事情である!!
- 632 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 23:21:53.00 ID:bNpxujls0
- >>631
メアリー「好奇心猫をコロコロ。安心して私もコロコロされそうな時があった」
なので今回は自重しただけで、サーボスカルがいなかったら自分がこうなってたなーとか思うB5。
転がるスカルを抱き上げ赤子をあやすようにゆらゆら左右に振った。
BB「さあ如何なんでしょうか?メアリーは割といい相棒してくれていますよ?」
メアリー「どやぁ」
ドヤ顔決めてメカしゃれこうべを抱く少女。
BB「しかしまあ何でこんな所に住んでるんでしょうか?腕はいいのに」
それこそ新進気鋭の学園の教授として迎えても良い位にはびびあんの名は知られている。
本人がそんな話をしたことはないが…
- 633 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 23:25:49.19 ID:KxNjYD67o
- >>632
「月並みな憶測だが世俗がどうとかややこしくなるからじゃあないか?」
地位には責任が伴うし、どんどん不純になっていく心地を味わう羽目にもなる。
そこはまあ、実際経験者としてイムカも避けて通れなかったところだ。
【卓越した才能だけで好きに生きられるほど、世界は優しくも甘くもない】
「それに私も他人のことは言えないが外見はともかく中身は結構な年齢だろうに。
楽隠居を決め込んでもさしておかしくはあるまい」
- 634 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 23:33:01.88 ID:bNpxujls0
- >>633
びびあん
「しっつれーな、まだまだ現役でスウィーティーですー
都会だと煩いのが一匹、四六時中付きまとって鬱陶しかったんだよなー」
作業を終えて品物を手に戻ってきた名工。
大丈夫、腕輪の外見は変わってない!!
BB「え、ストーカーですか?」
びびあん
「ある意味そうかもなー、マギカギア開発時期に何処から聞きつけたのか
『モット良いモノに出来る』って、自分を売り込んでくるんだよ…はぁ」
BB「あー…それは又、で今は?」
びびあん「此処に来てからは一切見てないし気配も感じないな、そいつの事は」
BB「厄介なヒトもいたもんですね」
びびあん「いやマジ何なのアノ獣」
BB「ん?」
縁側に座り込み、煎餅と茶を飲み食いし始める名工。
- 635 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 23:41:45.70 ID:KxNjYD67o
- >>634
「私も現役だぞ。こちらはスイートどころか枯れているがな。かんっぺきに婚期も逃した」
びびあんの隣で茶を飲むイムカ。
BBはかくと見るべし。あまり荒事やら才能にばかり引っ張られるとこんな人生になっちゃうよ!!
悪い見本を見て、よりよい生き方を模索したまへ若人よ!!
【とりあえず、返ってきたリ・エグザイルを改めて吟味】
「知恵、生命、信頼、勇気、秩序、至誠、創造、厳格、理性、節度、
調和、結合、解放、変化、幸運、意思、制約、寛容、公式」
ルーンの起動状況を一つ一つチェック。
実際、ちゃーんと正常動作してくれるのかしらコレ。
(獣か。まあ、私には関係のない話だな)
別段、突っ込んで聞く必然もあるまいと割り切るイムカであった。
- 636 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 23:48:30.64 ID:bNpxujls0
- >>635
びびあん「駄目だよイムカちゃん。子供産めるうちは現役!」
BB「…」
びびあん「4割」
BB「尚産めるかどうかは別問題とか思ってませんけど!」
びびあん「4割増しぃッ!」
BB「理不尽!」
尚、腕輪はちゃーんと正常動作してくれました。
ただ、1g程重くなっております。気づくかどうか。
メアリー「概念いっぱいね、舌噛みそう!」
イムカのチェックを興味深げに見やるB5。
- 637 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 23:57:19.03 ID:KxNjYD67o
- >>636
「遺伝種子受領時に生殖能力も無くなっているのだが…」
ナムサン!びびあん殿はイムカにトドメを刺した!!!
そしてBBの受難についてはスルー!別に根に持っているわけじゃあないぞ!!
【なんたるグッダグダか!!ケムリクサ生えるレベルのアレである】
「おい、少し重いぞ。何かやったか?」
とーぜんながら気づくイムカである。
装備の変化が生死に直結しかねないから当たり前であった。
「実際、無駄に多くて好かんがな。よくこれで吹っ飛ばないものだとは思う」
ルーンも多ければいいというものでもない。
複雑な絡繰り細工めいて、概念と概念が入り組んでいる様は戦場暮らしが長いイムカ的には不本意だ。
基本的にシンプルな方が強いというのがイムカの考えゆえ。
- 638 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/11(土) 00:11:27.65 ID:hheSJ4GI0
- >>637
びびあん「そいつぁノンスウィーティーだ…」
BB「…」
こうなってはフォローもできやしねえ!
びびあん
「おっと、説明忘れてたよ。
それは君が言ったように複雑怪奇な代物だ。
んで持論だけど兵器に必要なのは安定性。
この世界でソレを使うかどうかは神のみぞ知るって所だろうけど、
いざ使うってなった時に思ったように動かないじゃあ困るだろ?
てな訳でチョイと付け足し。つっても表面に作動が安定する
概念コーティング施しただけだから要らないなら元に戻すけど?」
BB「ええと、コッチは?」
びびあん「考えるな感じろ」
BB「ふわっふわだぁ…」
- 639 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/11(土) 00:21:23.24 ID:w7Ei1mEIo
- >>638
「まあ、多少は安定してくれるなら言うことはない」
何せ使い手のイムカ自身が魔力を保有していない上に
ルーン刻印が複雑すぎるのもあって、安定性は酷い有様なのだ。
さほど期待はしていないがマシになっているならそれに越したことはなし。
【とりあえずガントレットの上から茨のような形状の腕輪を改めて装着】
≪00011110110101≫
復活したサーボスカルがチェーック!!
バランスを担う調和(サガス)/正位置(マルクト)のルーンの力が強化されたようだ。
「まあ、来た甲斐はあったかな」
と、BBのほうも見やればあまりにもふわふわな返答と来た!!
「あー、一応はそちらも説明してくれ。同じ仕事をされたものとして気が気ではない」
自分のもほんとーに大丈夫?的な不安を感じるアレねアレ。
- 640 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/11(土) 00:31:45.60 ID:hheSJ4GI0
- >>639
びびあん「えぇ?いやこっちは完全に趣味で中身入れ替えちゃったからなあ」
BB「うっわ、前々からバラす度に説明書の内容変わってると思ったら」
びびあん「ご所望の品にするのに段階が必要なんですー」
BB「はぁ、前にせつめいありましたね、そういえば…完成したんですよね今回で?」
びびあん「そいつはもう、完璧に。付属の説明書にも完成品って書いたし」
BBはクラウソラスを振るう。
BBがそれを振るう姿をイムカがまじまじ見たことはなかろうが、
見るものが見れば変化は一目瞭然。
照射部分からは光芒が発せられ刀身を形成するのだが、
起動直後は松明の炎程度のサイズであった刀身が振るった瞬間に大きく伸びる。
BB「…負担が減りましたね」
びびあん「省エネに加えて最大出力も上がってる筈、まあそこは使い手次第」
- 641 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/11(土) 00:35:58.41 ID:w7Ei1mEIo
- >>640
≪0001111010101≫
とりあえず付属の説明書に100円ライターでシュボしているサーボスカルを尻目に、
「基本的に効率化重点ということか。なるほど腕は確かなようだ」
ここで人格はともかくと口を滑らさないやさしさがイムカにも存在した。
「んっ、助かった礼を言う。代金はBBから受け取ってくれ」
なお、4割強マシマシの奢りであった「。ナムアミダブツ!!!
- 642 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/11(土) 00:40:42.14 ID:hheSJ4GI0
- >>641
BB「やめてっ!」
説明書大事、尚デジタル他別媒体もある模様、製作者は言わないが。
びびあん「毎度ー。仕事ぶりが気に入ったら今度は私の商品も買ってほしいなー」
通販はしていない模様。
こうして越境者は只で装備品のふんわりなアップグレードを果たしたのだった!
尚皆の財布ことBBは暫く鬼気迫る仕事っぷりを果たした、果たさざるを得なかった!
//おしまい!
- 643 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 21:48:30.76 ID:wAy9r51v0
- 日常生活とは、毎日繰り返される生活のこと。
具体的には、日々の生活の中で繰り返される出来事や習慣的動作、
そこで用いられる物の考え方や知識、接する物品などから構成される。
シュヴァイン「…」
例えば2mを超える筋骨隆々な体躯と身体のバランスから言えばやや長く太い腕が特徴的であるが、
そもそも突き出た下顎から覗く左右の太い牙や膨れた腹、豚鼻を有しながら
全体的に悪くない顔立ちが悪目立ちしている緑色の肌に獣の様な目を有する男の場合、
矢鱈とデカいフライパンに独自ブレンドのペーストをしいてから米をぶっこむだけの炒飯を
場所こそ問わないが朝食として作ったりする。
ドン、ドン、ドン
例えば耳の部分と背の辺りから小さな羽が生え、
風もないのにゆったりうねる金の長髪と赤の瞳を持つ少女は
そういう時に決まってカラの皿をテーブルに置き椅子に座ってスプーン片手にテーブルを打ち鳴らす。
例えば稲穂色な板状の地面に着きそうな程長い大量の触手っぽくウネる髪に
小麦肌で燃えるような赤い瞳で不敵な笑みを絶やさぬヒトの容をしたモノも
それにならい同じことをしていたりする。
何時からか正確な日時も思い出せないが、
大男が独自炒飯を作り出すと何処からともなくこの二名が湧くようになった。
シュヴァイン「…エンゲル係数がヤバタニエンなんだが?」
誰か助けて、大男は声にこそださないがこの状況を解決したい。
こういう時にこそ優秀で頼りになる越境者が通りかかるのだ、俺は詳しいんだ。
- 644 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 21:58:56.47 ID:wiKJf3Ud0
- >>643
「何してんのオメーら」
呆れた。心底呆れ果てたような、それでいて困惑も若干混じったような声音で、ソーマタージは尋ねる。
煙草を咥えるその恰好は、背中に力強いミンチョ体で『摩天楼』と書かれたパーカーとスウェットという、シンプルなもの。
傭兵は不定休だ。特に越境者となれば。今日も明日も休みなのでのんびり過ごそうとした矢先にこれである。
「別の物作る試みはしたのか?お前のその粗末な…焼き飯?に釣られてるだけだろ?」
彼女らに倣い、空いてる皿とスプーンを取ってくれば、テーブル席について皿をチンチンと打ち鳴らす。お下品!
「何だよ?腹減ってんだ、同じシチュに居合わせた者同士コミュニケーション取ろうよ!」
- 645 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 22:07:28.31 ID:wAy9r51v0
- >>644
シュヴァイン「おい、大人」
きっと二人を諫めるのだろうと話を聞いていた大男。
しかしその幻想は儚く消えた。
シュヴァイン
「俺が食いたいものを俺が自分で稼いだ金で作ってんだ、そこに何の落ち度があるよ?
そんで毎度目の前には腹の虫鳴かすガキ2名がモノ欲しそうに炒飯見てんだよ。
普通作るだろ?誰だってそーする、俺だってそーする。普通じゃない奴の意見は聞かねえ」
そう言いながらフライパンの炒飯を3つ並んだ皿に盛る大男。
シュヴァイン「…俺の分ねえじゃねえか!」
尚盛られた炒飯は山盛りのもよう。
- 646 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 22:16:37.85 ID:wiKJf3Ud0
- >>645
「おっと心はティーンエイジだぞ」
チッチッと指振り。儚く霧散する幻想を後目に、盛られた炒飯をいただく。
「中身が無いのはお前の儲けの表れだろうからいいけど、もうちょっと塩強い方が俺好きかな」
「オラ作んねぇだ」
普通じゃない男の彼的には普通な意見。赤の他人のガキの分までいちいち作るから悪いのだ。
「そこで作るからお前さンは舐められんだよ。大人だろ?
お前に食わせる炒飯はねぇの一言ぐらい言えねーのか?話はそれからだ」
彼の提案は心を鬼にしろというもの。野生動物にしろ他人のガキにしろ、何も考えない施しは何も生まない。
後から返せと言われないよう、皿を持ち上げガーッと一気に食べ尽くし、食後のお茶を啜りながら言うのであった。
- 647 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 22:25:10.33 ID:wAy9r51v0
- >>646
シュヴァイン
「情けは人の為ならずって言うだろうが。
後、その心理状態を世間一般ではマダオと表するんだぞ」
がっしゃがっしゃ、大男自分の炒飯を作りながら。
ウイング「…ご馳走様でした」
パッパルデッレ「ごちそうさまでした、ミシュランもびっくり、萬國驚天掌」
シュヴァイン「おう、文句言わず食って礼が言えるだけマダオよりましだな」
げふっとガキ二名は満足した様子。
ふぃー、と息を吐き椅子にもたれかかっている。
- 648 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 22:39:23.64 ID:wiKJf3Ud0
- >>647
「その言葉、回り回って自分のためになるって意味らしいぞ。そいつらはお前に何かしてくれたか?
…つーか、お前がそれでいいんだったら、それこそ俺が何か言うまでもねーじゃねーか!」
自分の分を作るその様子を眺め、食後の一服。紫煙を窓の外に吐くぐらいの常識はある。
何かに気づいたように指差し、どっちかにしろと怒る!
「エンゲル係数マシマシだ、やったね」
「今時飯をうまそーに食うヤツはモテるぞ。よかったな」
マダオと言われても開き直る、所謂無敵の人状態。言われ慣れているのでつよい。
満足したガキ二人にヒラヒラと手を振れば、一応言われた側としては動いてやるかと姿勢を正した。
「なんでわざわざこんなヤツにたかるんだ?もっと別のところあるだろ。
特にお前。お前スパゲッティ側だろ。小麦製品食え小麦」
- 649 :ヘイズ :2019/05/15(水) 22:40:51.08 ID:AFn+AYLZ0
- >>646-647
ガロガロと耳をつんざくようなV6エンジンの凶暴な排気音が響く。
一度やかましく吹け上がって止まるそれは、新顔の越境者がやってくる訪れだ。
ジョシュアの生き別れた弟であるヘイズは、凄腕の越境ドライバーである。
「おいすー、あんたらもメシ?」
愛車のマスタングから降りると、後ろにゾロゾロとお供を連れて紙袋片手にやってくる。
巨大な鎖斧を砂の上で引きずる女と、若いゴールデンレトリバーと。
食料や日用品を買い出しに行っていたようで、床に置いた袋からはぽろりとトマトが溢れる。
「兄貴もチャイニーズ好きだけど、俺はタコベルの方がいーな」
「――うゥ」
テーブルの上のチャーハンを見つめて目を細める。炭水化物なら断然メキシカンなのだ。
彼に付き添う相棒のナルも同じようで、チャーハンを眺めながら小さく唸った。
- 650 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 22:51:39.82 ID:wAy9r51v0
- >>648
シュヴァイン「あ?そうだな…いや、思いつかねえ」
遠い未来では何かしてくれる可能性も微粒子レベルで存在しているかもしれないが
今現在までで考えれば一切そういった事はない。
シュヴァイン「それとこれとは話が別だ。エンゲル係数の問題は解決せにゃならん」
大男、お仕事はそれなりにやっている模様、実際に見かけた事は数度しかないだろうが。
ウイング「ふーん」
パッパルデッレ「じゃあもっと食べるべき、でも食べすぎはレッツピグレッツ」
モテに興味なさそうなガキ。花より団子。色気より食い気。
ウイング「美味しいから」
パッパルデッレ「小麦は別腹」
理由はいたってシンプルだった、パスタはおかしいだけだった。
>>649
シュヴァイン「悪いが今日はもう米が尽きた…今から炊いたら中途半端な時間になるしな」
自身の分の炒飯をかきこみながら大男。
ウイング「たこべる?」
パッパルデッレ「蛸に鈴?」
タコベル知らぬガキンチョ、首をかしげる。
- 651 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 23:01:23.11 ID:wiKJf3Ud0
- >>649-650
喧しいエンジン音。首を回してみれば、ジョシュアの弟。
兄弟揃って越境者というのも中々珍しいのですぐ覚えた。手を軽く挙げて挨拶。
「そんなところだ。 アレない?あのアメリカの警官が勤務中にマズそうに食ってる中華詰まった箱」
「じゃあ、やる事は決まったな」
親指を外に向け、叩き出せとジェスチャー。正直言って二人とも恩を返すタイプには見えない。
可愛げのないヤツら、とウンザリした顔で一瞥するのだった。
「な?作るだけ損だぞ。 お前女騎士に殺せって言われそうなツラなんだし、自分の分だけ作ったって誰も文句言わねーと思うぞ」
- 652 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 23:14:24.41 ID:wAy9r51v0
- >>651
シュヴァイン「損得だけで判断できたら苦労しねえんだよなぁ…」
がりがりと頭をかく大男。
見た目に反しお人よし、後ガキに甘い。
だが対象のガキに至っては1人は企業の兵器。
1人は……これは何なんだろうな?
確かに恩を返すどころか仇になる可能性すらある。
シュヴァイン「女騎士…くっころ……はぁ、田舎帰るかな」
何か嫌なことを思い出したようで、突然のホームシック。
- 653 :ヘイズ [saga]:2019/05/15(水) 23:14:57.16 ID:AFn+AYLZ0
- >>650
「タコベルはタコベルだよ、メキシカンは魔法のメシだ」
「小麦でできた生地の中に同じ種類の具材を挟むだけで20種類の料理が出来るんだ」
本人の言葉通り、中華はあまり好みではなく、チャーハンは元より食べるつもりではなかったようだ。
ヘイズの分がないことについては、あまり残念そうなリアクションも見せなかった。
「タコス、ブリトー、チミチャンガ……」
指折り数えて似たようなメキシコ料理の名前を羅列し始める。
10あたりを過ぎた所で止めないと、そのままレパートリーがなくなるまで聞かされ続けることになるだろう。
>>651
「ねーよ、チャイニーズは苦手だっての!」
「……!、あー……」
代わりに取り出したのは噂のタコベルの袋だ。
匂いを嗅ぎつけてそわそわしだすのは犬のレックスと、もう一匹の犬であるナルだ。
包帯の隙間からギザ歯を覗かせ、ヘイズの腕にしがみついている。
「タコベルの話題を出したのも、さっき実際に買ってきたからだしね」
足元をレックス、腕をナルと二匹の"犬"にまとわりつかれながら、ヘイズはそのままタコスを口へと運んだ。
ヤツらは既に我慢できず、車の中でたらふく食っているのである。
- 654 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 23:17:48.64 ID:wAy9r51v0
- >>653
ウイング「ほう」
パッパルデッレ「ほうほう」
興味津々のガキ二名。
食に関心は高く、嫌な顔せずに話に耳を傾けるだろう!
シュヴァイン「…」
もっしゃもっしゃ、大男は無視してソーマタージとだべりつつ飯を食っているが
- 655 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 23:25:22.03 ID:wiKJf3Ud0
- >>652-653
「ま、思う存分悩めばいい。俺の事じゃねーし。
人間性を抱いて溺れ死ぬか、捨てて焼け死ぬか。お前の勝手さね」
特によく分からない方を見ながらの言葉。情けをかけていい事があるとは思えない。
「何かコンプレックスを刺激したみたいでゴメン」
「知ってる。承知の上で聞いた」
あっけらかんとヘイズには言い放つ。性格が悪い!
彼の腕にしがみつく少女を見て一瞬ギョッとした顔。何か思うところがあるのか、懐から出した角砂糖を撮んで差し出してみるテスト。
「…お前も? いや、やっぱいい」
尚、砂糖をあげるつもりは無い。ヒュッと戻しては差し出すのを繰り返すだろう。
- 656 :ヘイズ [saga]:2019/05/15(水) 23:40:38.71 ID:AFn+AYLZ0
- >>654
「味は激甘からピリ辛まで、ソース次第で何にでもなれる変幻自在、食品界の魔術師だ」
「中でも兄貴が作る激辛ミートタコは……うまい。ほっぺたが落ちそうなくらいうまい」
ヘイズは最近兄であるジョシュアと再会したが、永いブランクを挟んでもなお兄弟関係はギクシャクしていないようで。
メキシカン好きが高じてかよくジョシュアにテクス・メクスを作ってもらっているようだ。
声高らかにメキシコ料理への愛情を語りつつも、素知らぬ顔の大男の反応には少し寂しかったり。
「あのオッサンは聞いてないフリをしてるから、きっと中華党なんだ」
それから声をひそめると、ちびっ子二人に耳打ち。
>>655
「う、うおお……っ」
角砂糖を見るなり眼を輝かせるナル。謎の甘味を凝視する彼女をヘイズは物珍しそうに眺めていた。
「珍しいな、ナルが俺以外の人間に懐くなんて」
「こいつは……脚を無くして、素っ裸で死に掛けてるのを拾ったんだ」
「喋れないし、すぐに人を襲うし、ヨダレも垂らすけど……悪いヤツじゃない、俺には分かる」
一見して分かるかもしれないが、ナルは明らかに異能の作用と外部からの手術の果てにこのような状態へと変貌している。
元が人間だったのか、それとも初めから対異能生体兵器として設計された素体なのかは分からない。
しかし様々な修羅場を潜り抜けた上で、今安らぎに満ちた生活を送っている彼女の表情は、とても幸せそうなものだ。
- 657 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 23:46:41.56 ID:wAy9r51v0
- >>655
シュヴァイン
「いや、一度出直すのもありやもしれん。
少なくとも今の暮らしを続けてたら素寒貧間違いなしだからな…」
盛大に溜息を吐くと炒飯をかっこむ大男。
>>656
ウイング「ほうほうほう…そうなの?」
パッパルデッレ「ほーほー……食に貴賎なし、おっさん金なし」
W&P「「でも美味い飯作るから良いやつ」」
餌付けは人知れず完了していた。
>>655>>656
シュヴァイン「よし、そうと決まったら荷物まとめるか、ほれ散った散った」
マジで帰郷するつもりらしい。
私物は少ないので半日程度で越境するだろう。
- 658 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 23:58:31.95 ID:wiKJf3Ud0
- >>656-657
「ネーこれ本当に懐いてるの?」
サファリパークを思い出す様子に思わず聞き返す。差し出しては引っ込めるなんてイジワルしてるくせして。
飽きれば梱包を解き、ちゃんと与えるが。無事でいられたらだけど。
「見たところ、どっかで実験台に使われて棄てられたか。よくある話だな」
人を襲うのはどうかと思うぞ、と付け足しながらも様子を見る。全身の包帯は怪我を隠す目的には見えない、一部はまだしも殆どファッションか何かか。
非人道的な所業を怒る資格は無いが、安らぎを感じている様子に安心する事ぐらいはいいだろう。友人の弟の仲間ならそれはもう実質ギリギリ友人。静かに笑ってその様子を眺めた。
スクラップヤードに置いてきたリビングデッドの少女の事を思い、どこか憂慮の混じった笑いだった。
「ナルステイ!ダメナルダメ!」
角砂糖をダシに、指でバッテンを作ったり小さく叱ったりして思いっきり躾けようとしている!それはそれ、これはこれなのだ!
「いや、やっといた方がいいかなって…」
「行動力の化身」
そして大男の方は、荷物を纏める様子に閉口。いい事なのか悪い事なのかは知らないが、本人がいいならそれでいいのだろう。
食休みを済ませる間も無く、追い出されるのであった。
「土産は香水とか香木でいいよ」
- 659 :ヘイズ [saga]:2019/05/16(木) 00:11:52.97 ID:OcjU5hjL0
- >>657
「胃袋掴まれてんのはウチもそっちも同じだなぁ……」
大男に懐く二人を眺め、自らと連れの犬たちとの関係を重ねてしまう。
まぁ関係性としては、どちらも間違ってはいないのだろう。
しかしヘイズとしては、ファミリーのつながりが『うまい飯』だけに留まらないものであってほしいものだと。
物言わぬ二匹へ振り返ってそう思うのであった。
>>658
「おい、あんまナメた振る舞いは……」
「……むぅ」
角砂糖を貰えた直後は嬉しそうにそれを舌の上で転がすナルである。
しかしソーマの扱いが躾めいたものであると悟れば徐々に態度が変わってきた。
お世辞にも知能が高いとは言えないが、ベースは人間。社交性はそれなりに高い。
故に、ソーマの振る舞いが敬意に欠けたものであるということくらいは彼女にも分かるのだ。
「んが」
つまり態度を改めねば、数秒後には鋭いギザ歯が、ソーマの指に食らいついていることになるだろう。
ナルは単純だがプライドが高い。まるで猟犬の如き性格の持ち主である。
- 660 :日常世界 [sage]:2019/05/16(木) 00:17:22.99 ID:VA6PDAGA0
- >>658
因みに…ガキ二人も角砂糖の動きに合わせて目が動いていた。
まったくもって意地汚いね!
シュヴァイン
「んな上等なもん集落にあるわけ…いや、如何だろな?
タイミングとして荷馬車でもブン捕ってりゃワンチャンかもしれん」
背中に丸々としたデカイ風呂敷括りつけて大男。
シュヴァイン「ま、期待しないで待ってろ」
>>659
パルパデッレ「安心しろ、飯だけで靡く様な神だったら改宗していい」
何をどう安心しろというのか意味不明なことをいうモジャ髪少女。
だと言うのに不可思議珍妙極まる存在のその眼だけは真剣であったそうな。
//といった感じで失礼しますのだ お疲れさまでした
- 661 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 22:06:32.79 ID:Q5if+MqPo
- 【ひまざむらい】
俺達はメトロで拙い酒と肉で腹を満たした後、物資を抱えてキャラバンに同行することにした。
旧世界の地下鉄トンネルを徒歩で移動するというのはどうにも妙な気分にさせるものだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【ウェイストランドにて――】
うんざりするような重汚染もメトロの内部ではどうにか食い止められている。
レスピレーターとゴーグルの要らない環境というのはその薄暗さを引き換えにしても
なかなかに快適と言えるだろう。
【キャラバンは多くが人力レールカーに荷物を積載し、その周囲を護衛役が護るという構図だ】
【→数はおよそ12人前後、越境者達はこれに便乗して移動するということだ】
「一応、護衛も兼ねているということでキャップも貰っているからな」
まとまった数での移動+手間賃も貰えるのだ。便乗しない手はないということで。
【当然ながらメトロトンネルは非常に暗い。自然光など差す余地はない】
【→レールカーに備えられたランプと照明役の掲げる角灯の頼りない明かりだけが頼りだ】
こういう時、低光量でも行動が可能な夜目スキル持ちやサイバネアイ持ちは比較的行動が容易といえるだろう。
- 662 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/16(木) 22:14:27.96 ID:g39cQJDD0
- >>661
「暗いな、極限露出をする以外に使い道が思いつかねー土地だ」
見通しの悪い暗闇に舌打ち。手帳に何かを書く事すら覚束ない。
サイバネアイは暗視モードを備えているが、それも予算削減のために数世代古いもの。鷹の目の様に遠くまで見通すまでは叶わない。
「後どれくらいかかる計算だ?俺暗いところ来ると眠くなっちゃうんだよネ」
わざとらしい欠伸混じりの質問。腕時計を見ようとして、暗視モードでは視界が平時よりも不明瞭なのを思い出してやめた。
こういった世界でのメトロの危険性は知っている。得てして暗闇は良からぬものを引きつけ、底のない暗黒で迎え入れるのだ。
「照明弾でも買っておくんだったな」
- 663 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 22:33:40.31 ID:Q5if+MqPo
- >>662
「いっそ脱いで見るか?スカっとするかもしれんぞ」
と、軽口のひとつも叩いてみる。
地下トンネルもミュータントやレイダーなどの危険が溢れているが、
歴戦ゆえか、適度な緊張感を保ちつつも平静そのものである。
【キィ…キィ…と軋むレール音と足音の残響もあって、黙って歩いていると現実感が朧になりがちだ】
「こ…この世界は既に終末を迎え…我らは神に見捨てられ…(ブツブツ」
もっとも、キャラバンも商人と護衛だけで構成されているわけではない。
ブツブツと終末論者めいた事を言うばかりの半ば正気を失った者も混じっていたりした。
【と、まあ、紆余曲折あれど順調ではあったのだが――】
「このペースなら後30分もあれば…んっ?」
前方を見れば、何やらランプをグルグル回すガード連中が何やら作業をしていた。
「おっと、ストップだ。こっちのゲートなんだが軍(公式の軍ではなく北メトロ同盟の戦力)のキャラバンが足止めくっちまっててな。
すまないが、迂回してこっちの方に進んでくれないか?」
と、言われてしまう。迂回ルートを通った場合、到着まで15分ロスし45分となる。
【なお、これには疑わしき点は全くない。ガードがレイダーに化けていたりとか、こちらをハメようとする意図はゼロだ】
ただ単にたまたまヘタを掴んで、余計な手間をかけさせられることになった。それ以上でも以下でもない。
「………」
が、そんな中、クルトは銃の重みを今一度確かめていた。
たまたまロスが発生する。悪意もなければ何もない。が、長年の経験から良くない事は
大抵このようなパターンから這い出てくるという半ばパラノイアめいた確信からの行動であった。
「仕方ねえな。皆、こっちの路線を通るぞ」
と、キャラバンの仕切り役はそう言葉するのだった。
- 664 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/16(木) 22:44:02.91 ID:g39cQJDD0
- >>663
「18の時トンネルで脱いで風邪引いた」
冗談なのか本当の事なのかは……秘密だ。
適度な緊張感が心地いい。皆が警戒しているという事は、それだけ自分が手を抜いてもバレないというもの。
ブツブツと何かを言う声を子守唄代わりに、ソーマタージとしての自我は次第に微睡みに近い状態に陥る。
「解読は期待すんなよ。俺のクレイジーとヤツのクレイジーは波長が違う」
「参ったな、文明崩壊後も交通事情で足止めかよ」
ガードの様子を見てブーたれる。見たところ怪しいものはない、普通の作業員だ。却ってそれが恨めしい。
ライトにかざして時計を確認し舌打ち。───それと同時に、ソーマタージは懐の粗製な銃の調子を確かめた。
理由はクルトと同じだ。順調にいかなくなった時、事件は起きるもの。
豆鉄砲程度の粗末なハンドメイド拳銃の他には、補給もままならない刀と匕首のみが頼れる物。溜め息をついて、打って変わって世界への警戒の色を示した。
「トレマーズみたいなの出てこねーだろうな?」
- 665 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 22:53:53.89 ID:Q5if+MqPo
- >>664
結論から言えば、やはりトラブルは起こった。
「GYAAAAAAAA!!」
巨大化したトカゲとしか言いようのないゲッコーの幾つかの群れが
影の隙間から出てきてキャラバンを直撃したのだ。
−−−−−−−−−−−
BANG!BANG!
クルトのハンドガンが正確にゲッコーの一体の頭部を貫く。
キャラバンのあちこちで怒号が飛びかい、駅を目指して前進しつつ交戦と相成った。
しかし護衛もいれば弾丸はたっぷり。切り抜けられない脅威ではない。
【ソーマタージの喉笛をかみ切らんと、銃撃を抜けたゲッコーが跳ねて襲い掛かった】
喧噪と銃声の中、目に見えない何か・・・不快で冷たい何かがキャラバンを覆っていた。
人肉を求めるゲッコーの血走った眼ゆえであろうか。暗闇に誰かに視られているような違和感がソーマタージにもまとわりついた。
しかし、目線を辿れば…何もいないし誰もいない。暗視モードにしても完全な闇である°ュ迫観念めいた錯覚であろうか。
「進め進め進め!」
が、違和感というのは非常にか細い。ゲッコーに襲われているという現実の前にそれを察知できる人間は少ない。
- 666 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/16(木) 23:05:23.77 ID:g39cQJDD0
- >>665
BANG!BANG!乾いた銃声とマズルフラッシュに彩られ、粗末な弾丸がバラ撒かれる。
幸いに弾はまだまだある。寄せ付けなければいいのだ。
「まあ失敗するよな!」
銃弾を潜り抜け、跳んでくるゲッコーと目が合う。銃を向ける間も、撃つ暇もない。───銃を、だが。
闇に紛れるが如き煌めき!電光石火の速度で動いた手が懐から抜いたのは、彼の持つ武器の一つ。黒い刀身のシンプルなドス・ダガー!
空中で動きを変える事は地を這う生き物には難しい。こちらに食いつく前に、その下顎と脳天を貫こうとアッパーカットじみた刃が暗闇を疾る。
「宇宙忍者は素早いぞ」
「………?」
しかし違和感が一つ、暗すぎるのだ。暗視モードの故障ではない。
感じる視線の向こうには誰もいない。───暗闇に包まれて見えていない?
「……速度上げろ!“何か”、或いは“誰か”がいる!」
煙幕のような視界封じの事を考え、銃声に負けぬよう声を張り上げる!
- 667 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 23:16:58.63 ID:Q5if+MqPo
- >>666
「何かヤバイ…が…!!」
ゲッコーの襲撃は脅威度からすればそれほどでもないが、
持続的に襲い掛かってくるのが厄介であった。
【ドスダガーに頭部切断されたゲッコー死体が地面に転がる。この状況でなければゲッコーステーキ用の肉確保ともいえたが】
「ヒ…ヒィイイイイ…愚か者ども!終末だ!終末が来た!死がやってきた!
こんなところに居られるか!俺はこっちに逃げるぅううう!」
終末論者がパニックを起こしたのか遂にはヒステリーめいた叫びをあげて、
キャラバンを置き去りに連絡口を開けて勝手に離脱してしまった。
【もちろんだが、死亡フラグマシマシの言動もあってこれを引き留めようとする者はゼロであった】
むろん、ソーマタージに言われずともゲッコーをさっさと振り切りたいキャラバンは歩を速め、
トンネルを進んでいく…そして、徐々にゲッコーの襲撃は勢いをなくしていった。
「ギャッ!!」
ソーマタージの幾度目かの刃が走り、ゲッコーを倒した時には、
周囲はより夜がさらにふけたのか深い闇となっていた。光源の頼りない明かりはさらに弱弱しくなっていた。
【やや視界不良発生中(サイバネアイ低光量視野/夜目無効環境発生中)】
「ふう…なんとな乗り切れたな」
キャラバンの中でようやく弛緩した空気が流れ始めた。
- 668 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/16(木) 23:27:34.14 ID:g39cQJDD0
- >>667
「キリが無えな、ゲッター線でも撒いてみるか」
向かってくるゲッコーには弾丸を、潜り抜けてきたゲッコーには刃を浴びせてこの世から追い払う。
食材確保と喜ぶ余裕はない。圧倒的物量を前にしてそこまで豪胆でいられる者は余程の強者か、ただの気狂いの入った馬鹿だ。
「あ、バカが。ミスト観てねーのか」
逃げ出す終末論者が、せめてゲッコーを誘き寄せる尊い犠牲とならん事を。その程度の価値しかあるまい。
「36……!」
ベットリと血に濡れたドス・ダガー。布で拭ってから鞘に収めれば、とりあえず危機は脱した模様。
辺りを見れば、矢張り変わらぬ闇。パラノイアじみた本能が警鐘を鳴らす。夜の帳を恐れるのは人の性質(サガ)なのか。
「まだだ、気を引き締めておけ。命が助かるかもしれない」
- 669 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 23:38:11.16 ID:Q5if+MqPo
- >>668
「………」
ソーマタージの言葉もあって、一応の警戒を維持していたキャラバンであったが――
「………」
トンネルを進めば進むほど暗くなっていき、光源が殆ど役に立たず、
身体は水の中を歩いているかのように重い動きとなっていく。
「どういうことだろうな」
銃口を暗がりという暗がりにスイッチさせながら最大限の警戒をしていたクルトであったが、
何処に銃口を向けても敵性存在は影も形も見られない。
【キャラバンに随伴しているはずが、もう輪郭すら見えない。キィ…キィ…と進むレールの音だけが頼りだ】
いつの間にか、弛緩した話声は消えていた。が、存在感はある。皆、出口に向けて歩いている。
パニックを起こして消えたのは、先の狂人のみ。襲撃を受けてなお、全員が無事だ。足音も減っていない。
【何かが暗闇の中にいるのを強く感じることだろう。が、そこには何もない。が、すぐ近くにいる。もはや前は殆ど見えない】
【→ナイトビジョン:闇しか見えず。赤外線視野:真っ赤に染まるのみ−あらゆるサイバービジョンが闇のみを映す】
「………」
クルトは警戒しながらも思った。あの狂人が実は正しかったのではないかと。
最悪、キャラバンを見捨てて戻るか?…背後は既に黒い闇しか見えなかった。
- 670 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/16(木) 23:45:18.31 ID:g39cQJDD0
- >>669
「どういう事でしょうね」
肩を竦めてクルトの方──音が聞こえた方向──を向く。その所作が見えているかすら怪しい。
ドブ川の底を進んでいくかのような、まとわりつく闇。自然と身体が重くなる。
先程の狂人、あながち正鵠を射っていたのかもしれない。思えば映画の方も最後に助かったのは宗教家の方だった気がする。
「ロンドールか誰かが最初の火を消しちまったらしい。こう言ってないと、気が滅入るんだよ。許せ」
こんな状況では、銃も刀も危険だ。無手のまま油断なく構え、ある種無心の境地でソーマタージはただ先を行く。
- 671 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 23:54:02.29 ID:Q5if+MqPo
- >>670
トンネル内を走るパイプの亀裂から黒い霧が漏れ出でた。
真っ暗闇の視界なのになぜそれが把握できるのか?その疑問に答えられるものはいない。
「………」
そして、反対路線から振動が響き光が差す、ガトンゴトンと音を立てないままに走る地下鉄が映った。
むろん、メトロを走るマトモな地下鉄車両など一両として存在しないはずである。
【それは何もせずに走り去っていった。窓からは複数の黒い人影が映ったような気がしたがクルトは凝視できなかった。
見てしまえば終わる…という説明できぬ確信によってだ→ソーマタージは過ぎ去る車両を見ますか?】
恐ろしい事に、正体不明の車両が走り去る間際、随伴するキャラバンの姿は見えた。
何が、おそろしいか、走る車両を見たというのにクルト以外、ノーリアクションであったことだ。
【何かがソーマタージにささやきかけたことだろう「こいつらはもう助からない」と】
正体不明の車両が過ぎ去れば、いよいよ闇はその粘土と暗さをどこまでも深くしていく。
上下左右が曖昧となり、サイバネ視界のあらゆるセンサーがフラットラインとなり、
例えようのないとてつもなく気持ちの悪い感触の何かがソーマタージの頬に触れ、しかし何もいない。
【身体が緩慢さを増してゆき、現実感が無くなるのと比例して、
クルトとソーマタージの中である言葉が輪郭を強めていくだろう「そして俺達もおそらくここで死ぬ」と】
戦いならば勝てる。が、これは戦闘ですらないのだ。何に牙を突き立てればよいのだろうか?
【と、ここで視界ゼロのソーマタージの指先にコンと触れたものがある。ドアノブ――トンネルの連絡口】
無心で進むか、この垂らされた糸めいた何かに縋りつくか、の二択だった。
- 672 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/17(金) 00:06:00.86 ID:VvuvthhJ0
- >>671
進んでいく内、漏れ出る霧が認識出来た。頭上に浮かぶ黄金の立方体のように。
何故かを考えている精神的余裕は無い。ただただ泥の中を泳ぐように進む。
射し込む光。通り過ぎたのは崩壊したメトロには似つかわしくない、マトモな電車。
サイボーグの動体視力ならば、本気を出せば走る車両に乗る乗客一人一人の顔を、車内広告の文字を捉え、覚える事すら可能だ。だが彼は敢えてそれをしなかった。
異様な恐怖があったからだ。確固たる自我が認識するものではない、脳の機能を直接弄られ、数値を押し上げられたかのような恐怖心───
網膜HUDのコントロールモードを起動。気圧、気温、湿度、マナセンサー、世界線計測、現実値、空間座標───。片隅に表示される数値は、どれもその反応を停止させていた。
頬を舐められたような気がした。数度指先は外し、触った部位には何もない。
頭の中で声がする。だが、ソーマタージはこの時をこそ待っていた。
「騙されねェぜ、黒子気取りよ。 こいつァ引っ掛け問題だ」
何者かは知らないが、それは自分達の死を望んでいる。絶望を焚べて沸き立たせようとしている。───それがどうした!
「たまには、射干玉の中を歩くのも悪くない」
先の見えぬ闇を進む事など慣れている。牙を突き立てる相手の見えぬ戦いなど常である。己の人生がそれに等しいのだから。
指先に当たったドアノブ。握ってその感触を、位置を確かめて放つのは、荒ぶる暴風じみたアルマーダ!行く手を阻む物を吹き飛ばす、この上なく分かりやすい意思表示!
「失せろ。俺の歩く道だ」
- 673 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/17(金) 00:13:00.26 ID:hMhrAeBJo
- >>672
バン!と蹴りで開け放たれた連絡通路からはマトモな空気≠ェ漏れ出でた。
「ソーマタージ!!」
クルトの声。が、何処から聞こえるかもう分からない。音だけがする。
「逃げるぞ!」
【クルトは品々が入ったバックハックを捨てた。そして恥も外聞もなくキャラバンを見捨てた】
音、クルトはソーマタージが蹴り開けた連絡通路――活路に最後の力を振り絞って駆け込んだ。
最後の力――自覚すれば恐ろしいほどに疲弊していた自分があったからだろう。
【ソーマタージ…キャラバンを見捨てるか? トレード用の品々が突っ込まれたバックパックをどうするか?】
連絡通路を走って先に進むほど、身体に纏わりついていた緩慢さが消えていく。
そして、連絡通路の後方の闇はまるでこちらを追いかけてくるかのように深く、濃くなっていく。
- 674 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/17(金) 00:19:49.43 ID:VvuvthhJ0
- >>673
「しまった、正解だったか?」
流れてくる空気に若干の安堵。クルトに言われるまでもなく、振り返らずに駆け出した!
自分の武器とキャップは手元にある、それだけで十分。欲をかいて深淵に落ちるなぞ、笑い話としては陳腐にすぎる。
クルトに続きただ駆ける!一歩踏み出すごとに身体は軽くなっていき、背後から追いすがる気配を感じる事も叶う。
「コワすぎスタッフでも呼んでこい!」
今はただ、闇から逃れるべく走り続ける。
- 675 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/17(金) 00:22:29.30 ID:hMhrAeBJo
- >>674
ソーマタージがバックパックを捨てた時、本来背後で鳴るはずのドサっという音は一切鳴らなかった。
【連絡通路を走り続けて、進行方向上のドアを破って反対側トンネルに飛び込んだその時――】
「アイエエエエエエエ!?狂人!!??」
突然現れた彼等の銃口を向けた人影。それは先程キャラバンを離脱した終末論者に他ならぬ!
実際、いきなり脇から何かが飛び出して来たら、誰だって銃口を向ける。
むしろ、問答無用で撃たれなかっただけ幸運だったろう。
「なななな、何のようだ!なぜこちらに来た!!」
ぶるぶると定まらぬ銃口の奥で、終末論者は叫んだ。
その腰のカンテラの温かな光が越境者達の顔を照らし出す。
【カンテラに照らし出される歴戦の兵士であるはずのクルトの顔は恐怖によってか別人のように憔悴していた】
【そして、連絡通路の奥から真黒い闇はもうこちらを追ってはいない。が、通路の途中で視認不能の闇は滞留したままだった】
- 676 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/17(金) 00:34:55.48 ID:VvuvthhJ0
- >>675
闇は何もかもを飲み込む。比喩ではなく本当らしい、荷物の落ちる音もせず、漏らした舌打ちの音すら反響を飲み込み消しかねない。
走り、走り、蹴破ってその先は───
「ゲェーッ狂人!」
大体似たようなリアクションでおったまげた。手刀を突き付けたところで、先程逃げ出した者だと気付いたが。
「……癪だが、お前さんが正しかったらしい。このトンネルは終わりだ」
照らされる顔は、クルトに負けず劣らず壮絶なものだった。
人の身だったら白髪になっていたかも。ボソリと呟き、念のため蹴破ってきた戸を塞ごうと、何か瓦礫とかは無いか探す。
「やれやれ、ああいうのはぬ〜べ〜とかの役目だろ……」
- 677 :アズィルのオルジン ◆xkuCyb6fiI [saga]:2019/05/17(金) 00:36:19.07 ID:hMhrAeBJo
- >>676
しばし瞼を瞬かせていた終末論者もソーマタージの言を聞いて銃を降ろす。
「け、懸命は判断だ。そう、メトロの闇!現世のみならずオヒガンすらもも大崩壊を免れ得ず!
行き場をうしなった霊魂はメトロのパイプを流れ、永劫に絶望をくりかえし、生者を引き摺り込む!!」
返答に気をよくしたのか何なのか、終末論者は突然に奇矯な説法を始めてしまう。
そして――
「ギャアアアアアアアアアアアッ!!」
「アアアアアアアアアッ!!」
「イヤダァアアアアアッ!!」
分厚い壁など無いかの如く、大音量の悲鳴が向こう側から聞こえてくる。
先程、クルトとソーマタージがやっとの事で脱出した闇の中からだ。
「これは!死の川の晩餐よ!我等を取りまくぜぜぜ絶望よ!こうべを垂れよ!ここには救いなどなし」
「――――」
そして、フッと断末魔の叫びは止まった。不自然なまでに突然、スイッチをオフにしたかのように。残響すら残らなかった。
「…彼等が間違えた」
先程まで喚き散らしていた終末論者は突然に平静(賢者モード)を取り戻し、
「つ、ついてきなさい。私といれば闇はそう襲ってこない」
「………」
クルトは震える指に難儀しながらもどうにか葉巻に火をつけ、ソーマタージに顔を向けて頷いている。
- 678 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/17(金) 00:36:49.88 ID:hMhrAeBJo
- >>677
//渾身のミス!
- 679 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/17(金) 00:46:30.34 ID:VvuvthhJ0
- >>677
「なあ、お前さんの素晴らしい説法で感涙に咽び泣き足が進まなくなりそうだ。詳しい解説はまたの機会にしてくれ」
どうどうと両手でなだめ、強張った表情を戻そうと難儀する。冗談で言った事だが、本当に霊能力者の領分とは。
聴こえてくる叫びにビクリと肩を震わせ、その方向を向く。くわばらくわばらと唱えて歩き出そうとすると、終末論者が動いた。
「………な?俺とはクレイジーの波長が違う。神聖属性のクレイジーだ」
頷くクルトに肩を竦め、緊張をほぐそうと軽口を叩く。葉巻にライターを伸ばし、若干強張った指で火を点けようとするのだが動かない。よく見ればシャーペンの芯入れだった。
恐怖心を押し殺し、彼に着いて行くだろう。例えそれが崖に向かうレミングが如き死出の旅でも、堂々としている者を先頭にしていれば何とかなりそうだ。
「やっぱり、ミストの主人公はあの宗教ババアだ」
- 680 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/17(金) 00:47:53.93 ID:hMhrAeBJo
- >>679
こうして、九死に一生を得た越境者達は、うさんくさい終末論者と共にトンネルを行く。
同行したキャラバンたちの行方はようとして知れない。
【これはトンネルの闇と遭遇した極めて奇怪なエピソードであった】
//おちまい
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