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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 13:05:47.48 ID:n8ud9nWd0
- ご無沙汰してます
たんぽぽさんかわいそうだなと言うのが素直な感想ですが、
よく読むとシ□ッコ(一応伏字)もとい韓遂さん謀反未遂の主な動機ってこの辺?
とも思ったりもします
ところで凡将伝で虎と言えば真桜さん……、ではなくあの人だと思っておりますが、
単純なものなのに間に合いそうにないですすいません(泣
進まないので、せめて背景のような何かを計算してたら英雄ってすごいんだなと改めて実感
- 939 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/12/27(月) 06:00:29.31 ID:+NPOZYks0
- >>938
どもです!
>よく読むとシ□ッコ(一応伏字)もとい韓遂さん謀反未遂の主な動機ってこの辺?
そりゃ馬騰さんだから風下だったわけで、
まだまだ未熟な娘、しかもグダグダしてますから思うところはそりゃあ。。。
>ところで凡将伝で虎と言えば
あの人ですね確かにw
>単純なものなのに
いやいや、ごゆっくりしてくださいませ
こちらもちょっと公私ともに多忙で(言い訳)
FGOのレイドも触ってないw
- 940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/27(月) 16:01:34.53 ID:3DFUufub0
- 信者と雑談したいだけならSNSで専用アカウント取得したら?
「グダグダしてます」って言ってる辺り文才の欠如は自認してるだろうしね
- 941 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/12/27(月) 21:09:43.27 ID:+NPOZYks0
- さて。
俺の前には悄然と項垂れる蒲公英。もたらしたのは翠が出奔したというその報せ。
誰よりも早く伝えたのはほかならぬ蒲公英であったのだ。昼夜兼行の強行軍。幾頭も替え馬を潰したという――馬家の乗馬への扱いを知っているからこそその重大さが分かる――それ。
そのおかげで、恐らく翠が幽州入りするより早くその報は入ったはずだ。
「顔を上げてくれ、蒲公英」
そう言って蒲公英が自ら嵌めてきた手枷も外させる。実際見てらんねえよ。
聞けば昼夜兼行する際もずっと自らに課してきていたらしい。おお、もう……。
「二郎様、本当に、ごめんなさい……」
気にするな、と。流石に言うわけにもいかないがどうにも調子が狂う、というか考えがまとまらない。
どう対応していいかも分からずに取りあえず別室に下がってもらい、傍らのメイン軍師に問うてみる。
「この始末、どうしたらいもんか」
俺のかなーり曖昧で範囲の大きい問いに、メイン軍師たる風はむぅ、と唸る。
「詳しくは稟ちゃんとも相談しなければなりませんが……。
そですね。ひとまず二郎さんがお気になさっているのは馬岱さん及び馬家の処遇と思いますが?」
そうだな、と頷く。実際どうしたもんかよ。
「ぶっちゃけ二郎さんのお好きにすればいいと思いますよ?
こと、ここに至っては些事と言っても差しつかえありません。
どのようなご処置であっても如何様にもなりますし、二郎さんはそれだけの地位にいらっしゃるのですから」
「んなこと言ったって、さあ」
まさかの、丸投げに丸投げで返されてしまった案件なんだぜ。
いや、言われてみればお説ごもっともなんだけどね。これが権力を手にするということか……。逆に怖いわ。
内心ブルっていた俺を知ってか知らずか言葉を重ねる。
「その上で私見を述べさせて頂きます。馬家の誅滅は悪手かと〜」
茫洋とした表情とは裏腹に、語る内容は待ったなしのガチ内容である。
いや、流石メイン軍師である。こういうの本当にありがたい。
「と言うと?」
「ただでさえ不穏な涼州。ここで馬岱さんを処刑しちゃうとですね。ようやっと治まる気配を見せていたのが台無しになるのは目に見えていますから〜」
韓遂がよからぬことを企むに決まっていると風はため息を盛大に。ああ、韓遂がいたね。いたよ。
いたよねぇ……。涼州、超やっかい!
「ん……。しかし蒲公英に何て言えばいいもんかね……」
まさか助命してやるから翠と戦えとか……言いたく、ないなあ……。
「もう、やだなー。そんなの、食べちゃえばいいんですよ」
耳元にふぅっと息を吹きかけて七乃が囁いてくる。
って全く気配を感じなかった。流石の穏行の技。あっさりと後ろをとられてしまっていたようだ。
「うお!
……って食べるとか何を言ってんだ?」
「えー?あちらは、もともと二郎さんを憎からず思ってたわけですしぃー。二郎さんも満更じゃなかったですしぃー」
けらけらと七乃は更に言葉を続ける。
「いやあ、愚姉の不始末から一族の安全を守るため、その身を捧げる名家の姫君……。これは人気が出そうですねえ」
「おい」
ちょっと待てなんだそのシナリオ。
- 942 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/12/27(月) 21:10:17.64 ID:+NPOZYks0
- 「それだと俺がこう、だな。
地位を利用して馬家の姫たる蒲公英を手籠めにした糞野郎になりませんかねえ」
にこりとほほえみ、数秒沈黙。
「まあ、悪名の一つや二つ、今更じゃないですか?ほら二郎さんが女性にだらしないってのは、ほんとだしー。
よっ!この好色一代男!もげたらいいよと思われてしまえー!」
フォローないんかい!
「もげてしまったら困る方が続出してしまうのですが、それもやむなしですね〜」
ふ、風よお前もか。
「ま、世間的な体面とかはおいといて、です。中々に妙手ではないかと思うのですよ〜。
実際馬岱さんや馬家軍の皆さんが参軍するとしてですよ。
当然風当りはかなーり強いでしょう。
疑念の目を向けられることもあるでしょうし、むしろ何らかの害が与えられる可能性も大いにあります」
ふむ、と考え込む。蒲公英を守るためにも意味があるということか。
「つまり、だ。俺の庇護下にあるいうこと。これを示す。
それには最上、ということか」
「そですよ〜。
例え馬岱さんの首級で馬家軍の皆さんを許したとしてです。
当の馬岱さんはともかくとしてですが、馬家軍の将兵の皆さんから感謝されるかというと……。
そうではないでしょね〜」
けらけら、と明るく七乃が笑って。
「そんな馬家軍の将兵をあの韓遂さんが掌握するとか。
長安陥落くらいまでは覚悟しとかないといけないでしょう
いや、もっと迫られるかな?」
ふむ、と考え込む七乃である。
数瞬の真剣な表情に背筋が寒くなる。その仮定がむしろ来たるべき運命(ミゼラブルフェイト)のような。
「しかしなあ、弱みに付け込んでどうこうするってのはちょっと……」
七乃は俺の言葉に失笑。そして後ろから抱きついたままで今度は俺の耳をがじり、と齧って。
ああ、と思いついたように笑う。
「ご自分からは言い出しにくいということですね?ご安心くださいな。
既にお姫様はご納得してますから。今は湯で身を清めているころですかねえ。
――無理を通すのが二郎さんのお仕事。そして道理を整えるのが私たちのお仕事でしょう?
いったい何を躊躇ってるんですか?」
真正面に回り込んだ七乃の笑みが、俺を刺す。
産まれたその時から袁家の闇に染まり、その闇を手繰ってきた彼女の言。
伝わる蒲公英の覚悟。
そして風が俺の背を押す。軽やかに、それでいてどこか真摯に。
「馬岱さんを助けたい。馬家軍も助けたい。更に涼州の安定も失いたくない。
その利があって尚、躊躇う。
そうすると、です。どれだけ自分に魅力がないかと思う人が出てくると思うのですよ」
蒲公英のこと、か……。
まあ、確かに蒲公英には失礼な話だよな……。
「まあまあ、後は当事者同士にお任せするとしましょう」
ぱん、と七乃が一つ手を打ち鳴らすとどこからか女官が出てきてあれよあれよと言う間に俺を誘導していく。お気張りくださいな、なんて声を受けながら通された室。
薄明りくらいの照明が入ったそこには、どこか不安げな目をした蒲公英がいた。
- 943 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/12/27(月) 21:10:43.71 ID:+NPOZYks0
- ◆◆◆
「あ、二郎様……」
砂塵にまみれ、手枷を嵌められていた先ほどとは打って変わって。小奇麗に着飾った姿は正に名家の令嬢に相応しい。
湯を使った後だからだろうか、どこか頬も上気している。
「に、似合わない……かな?
たんぽぽあんまりこういうのよくわかんないから、ね……」
てへへ、と照れるさまが可愛いぞこんちくしょう。
「ま、まあたんぽぽってばお姉さまみたいに手足長くないし、あまり見栄えはしないんだけどねー」
「卑下するこたあないさ。綺麗、だぞ?」
「わわわ、そ、そんなことないって。ここは馬子にも衣装っていう所でしょ?」
かぁ、と更に頬を上気させる蒲公英が可愛い。
「いやいや。こう、だな。
いかにも深窓の令嬢っぽくていいぞ?
わたわたと狼狽える蒲公英をいじるのはとっても楽しい。
とは言え、だ。きちんとせんといかん。馬家の処遇、避けては通れない。
そんな俺の内心を読んだのか、きゅ、と袖を掴んでくる。
数瞬躊躇うが、言うべきことをまずは言う。伝える。
「馬家はお家断絶。
ただし、馬岱及び馬家軍の戦(いくさ)働き、それ如何(いかん)による。
現状、馬岱は俺がその身柄を預かり、馬家軍はそれに準ずる」
まあ、翠がやらかしたことは蒲公英とその配下が購えということである。
「ふぇ?そんなんでいいの?
てっきりたんぽぽ、車裂きくらいはあるかなって思ってたんだけど」
まあ、そういう意見も袁家内であったというのは内緒だ。
- 944 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/12/27(月) 21:11:11.15 ID:+NPOZYks0
- 「蒲公英の身柄は俺が預かる。そう言ったろう?馬家軍にしてもそれに準ずるともさ。
……それはそうと、よく頑張ったな」
じわり、と涙ぐむ蒲公英をやや乱暴に抱きしめる。
「よく、頑張った」
そう言うと、蒲公英はひし、としがみついてくる。
「ごめんなさい」
応えず、腕に力を込める。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ほんと、ごめんなさい。二郎様、ごめんなさい。
叔父様、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
「蒲公英は頑張った。俺がそれを知ってる。俺は分かってる」
ぎゅ、と蒲公英が俺の身体を掴む。骨が軋むくらいのそれは蒲公英の生きている証のようで、とっても、嬉しい。
だが、けじめはつけないといかんのだ。いや、不粋だろうが、それをはっきりと言わんといかん。
だけれども、できるならばもっと違う形であればよかった。できればよかった。
「……蒲公英、お前は、俺のものだ」
搾りだした声に蒲公英は応える。
「うん。二郎様。蒲公英は二郎様のもの。それでいいよ?ううん。それがいい。
だって、ずっとそうなりたかったもの。
だから、そうなって、こうなって、それでも嬉しいと思うの」
泣き笑いしている蒲公英。そ、と口づける。
「あ……」
かぁ、と頬を上気させる。そんな蒲公英がどうしようもなく、可愛い。
「お前は、俺のものだ」
こくり、と頷く蒲公英。
それがいじらしくて、可愛らしくて。
月並みな言葉を繰り返す。他に何も言えなくて。
「お前は、俺のものだ」
きゅ、としがみついてくる蒲公英。
荒々しく、或いは優しく。
「もっと、もっと早くこうなってたかった。ずっと、こうなりたかった。
でも、好き。大好き……」
或いは、あったかもしれない。馬騰さんにゴリ押しされてお見合いする俺と蒲公英。そんな未来があったかもしれない。
静かに泣きじゃくる蒲公英。ぎゅ、と抱きしめる。
今だけは。今だけは、辛いことから目を逸らそう。
嗚咽とも、嬌声とも。
暗闇に全ては吸い込まれていった。
- 945 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/12/27(月) 21:13:07.38 ID:+NPOZYks0
- 本日ここまで
かんそうとかくだしあー
タイトル案は
「馬家二の姫 その処遇」
うーん、業務連絡かな?
しっとりした感じのやつあればくださいませ。
12/30-1/1は更新できないのでそれまで頑張りたいです頑張るぞいっと。
なんとか春休み、もしくはゴールデンには完結にもってきたいんですね
- 946 :青ペン [sage saga]:2021/12/28(火) 06:33:56.68 ID:hrLYsZeTo
- >>945
ほーん。
しっとり、ねぇ。
陽の華が溢す泪〜想いと願いと立ち位置と〜
- 947 :赤ペン [sage saga]:2021/12/29(水) 18:21:00.91 ID:rHP5DxZM0
- 乙でしたー
>>まだまだ未熟な娘、しかもグダグダしてますから思うところはそりゃあ。。。 馬超さんについての説明ですよ
>>「グダグダしてます」って言ってる辺り文才の欠如は自認してるだろうしね 作者に対して何か思うところがあるのかもしれませんが読解力が低すぎると恥をかくので冬休みの間にもう少し本を読むことをお勧めします
>>931で 泣き出しそうな顔を見て、妥当だなあ。いや、軽いかなあと思う。手枷足枷を嵌められ、それでも思う。 てっきり二郎(の周りの誰か)に拘束されたんだと思ったけど
>>941で そう言って蒲公英が自ら嵌めてきた手枷も外させる。 とあるけどどういうこと?袁家の誰かに枷をはめるように自ら願い出たってことかな?
○泣き出しそうな顔を見て、妥当かなあ。いや、軽いかなあと思う。手枷足枷を見やり、それでも思う。 馬岱が自分でやったならこうかな
そう言って蒲公英が自ら嵌めてきた枷も外させる。
○泣き出しそうな顔を見て、妥当かなあ。いや、軽いかなあと思う。手枷足枷を嵌めて、それでも思う。 兵士とかに頼んで嵌めてもらったならこう
そう言って蒲公英が自ら望んだ枷も外させる。
○泣き出しそうな顔を見て、妥当だなあ。いや、軽いかなあと思う。手枷足枷を嵌められ、それでも思う。 話を聞いた誰かが「念のために」とか言って施したならこうかな?
そう言って蒲公英が抵抗もしなかったその枷も外させる。 あと手枷は外して足だけ残すとかちょっとマニアックな気がするので両方外しておきますね…足枷残しとく?
>>「この始末、どうしたらいもんか」 雷門?
○「この始末、どうしたら良いもんか」 もしくは【どうしたもんか】…こっちだとちょっと軽いですが逆に軽くしようとしてるようにも読めるかな?
>>「その上で私見を述べさせて頂きます。馬家の誅滅は悪手かと〜」 あげないよ
○「その上で私見を述べさせていただくなら、馬家の誅滅は悪手かと〜」 【述べさせる】にくっつく形で使う場合はひらがなですね、あと【ます。】で硬い感じの後に【かと〜】ってなると違和感が…少し好みを加えてみたり
>>942
>>けらけら、と明るく七乃が笑って。 実際に「けらけら」と笑う人は見たことないなあ…キン肉マンとかワンピースにはいるかな?
○けらけらと明るく笑ったかと思えば。 【がははは、と豪快に笑う】とかならありかもしれませんね。後の文で急に真顔になって考え込んでるので接続詞をちょっと変更
>>数瞬の真剣な表情に背筋が寒くなる。 状況を思い浮かべると二郎の背中に抱き付いて耳元に口があるんだよなあ…顔見える?
○数瞬の真剣な気配に背筋が寒くなる。 見える位置取りだっていうならそれでもいいですが一応
>>943
>>砂塵にまみれ、手枷を嵌められていた先ほどとは打って変わって。 手枷しかしてなかったのか足枷が見えてなかったのか…
○砂塵にまみれ、罪人のような風体だった先ほどとは打って変わって。 【手枷足枷を】っていちいち書くのもなんか違う気はするんで
>>いかにも深窓の令嬢っぽくていいぞ? ここは二郎に媚びへつらう為に扇情的な娼婦のような服を着る所でしょっ!!
○いかにも深窓の令嬢っぽくていいぞ?」 実際どんな衣装着てるんだろう…何故か存在するパジャマみたいなやつかね?…あ、カッコ抜けてますよ
>>叔父様、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」 ほかのところでは基本的に入れてないし入れなくても良いかな
○叔父様、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」 最後は力いっぱい【ごめんなさいっ】とかもいいかも?
ちょっと飯食ってくるんで感想はまたあとで
- 948 :赤ペン [sage]:2021/12/29(水) 20:52:21.79 ID:rHP5DxZM0
- 本当ならこんな糞みたいな報告した後でそんな理由で二郎の女になりたくはなかったんだろうなあ
二郎も(女として見てたかは置いといて)好ましく思ってた相手だしこんな形で抱くとか個人的な感情としてはやりたくなかっただろうに
というかもしかしてこれが初めてか?……私人としてよりも公人を優先して女を抱いたのって
二郎の女たちが引き込んだのはこれ色々と理由はあるだろうけど多分最終的には【タンポポを二郎が[ピーーー]選択をしたら二郎が気に病むから】が最大の理由なのでは
あるいは詠ちゃんの件で後悔してたのか
- 949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/30(木) 11:27:36.24 ID:hSXjvTS50
- >>928みたいにただいうだけ言ってればスルーされるだけで済んだのに
>>1の上げ足取ろうとしたばかりに赤ペン先生に添削されてしまった>>940
スルーしてあげてよぉww
- 950 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/12/30(木) 15:39:20.17 ID:iT9hHQ6p0
- >>946
どもです!
>陽の華が溢す泪〜想いと願いと立ち位置と〜
相も変わらぬセンスに戦慄
これはよいものだ・・・
>>947
赤ペン先生ありがとうございます!
今年あと一回やれるかな・・・
>とあるけどどういうこと?袁家の誰かに枷をはめるように自ら願い出たってことかな?
自分でやってることです
二郎ちゃんの信頼を裏切って、これから起こることをなんとなく分かっている
※伊達のマー君の白装束とは違って本当に申し訳ないと思ってます
>本当ならこんな糞みたいな報告した後でそんな理由で二郎の女になりたくはなかったんだろうなあ
これです。ほんとこれです。本当にこれなんです。
>というかもしかしてこれが初めてか?……私人としてよりも公人を優先して女を抱いたのって
言われてみればそうかもしれない。
なるほど、そういうことになるのですね。うわあ…。
言っても双方の合意というか割と気持ち的に関係を結んでいますからね・・・
>二郎の女たちが引き込んだのはこれ色々と理由はあるだろうけど
これですね。ここの読解がありがたい。
詠ちゃんはね、本当に惜しい人物でした
どうしようもなかった案件ではありますが
- 951 :青ペン [sage saga]:2021/12/31(金) 04:49:44.70 ID:euO1AdIso
- >>950
詠ちゃんおったらたぶんうまいこと
馬軍の取り成しとかできてたんやろなぁ…。
董軍と馬軍わりとちかしい感じだったはずだし
痛いなぁ…。
(わかってるのよ、処断しないと色々と成り立たなかったってのは…落とし前的にも建前的にも)
- 952 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/12/31(金) 12:51:42.20 ID:DuIW9Rsn0
- >>951
なお、董家陣営存命の場合馬騰さんいなければ普通に馬家が乗っ取られていたであろう未来しか見えない
多分馬家姉妹も納得の上で董卓をトップに賈駆が実権を握る感じだったであろう
馬超さんは戦場で馬家の誇りを示せてニッコリ
詠ちゃんが有能すぎるんや
- 953 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/12/31(金) 13:13:13.87 ID:DuIW9Rsn0
- あと詠ちゃんには野心もたくさんある
これは華琳様陣営以外では割とないものです
※蜀陣営は考えないものとする
- 954 :赤ペン [sage saga]:2022/01/01(土) 00:02:55.03 ID:ybNtfgyZ0
- あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします。
- 955 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/01(土) 12:03:14.30 ID:1XE3XIJ+0
- あけましたおめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。
今年のGWくらいに完結できたらいいなー
その後はオリジナルをやるのじゃ・・・
書籍化を目指すぞ
言うだけならタダだから言ってみます
- 956 :赤ペン [sage saga]:2022/01/03(月) 17:55:23.63 ID:zKx1yApj0
- ついでに漫画化とアニメ化と映画化も狙っていけ
- 957 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/03(月) 17:56:55.37 ID:Ls/9YdUl0
- ヨシ!
実写化も狙うやで!
- 958 :赤ペン [sage saga]:2022/01/03(月) 22:24:29.51 ID:zKx1yApj0
- 忘れてた…ゲーム化も良いぞ!
- 959 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/03(月) 22:37:00.25 ID:Ls/9YdUl0
- 挙げられたハードルをクリアしたい
頑張りますちょっと待ってね明日は頑張るぞいっと。
- 960 :赤ペン [sage saga]:2022/01/04(火) 13:33:12.67 ID:+zd7BZf10
- 実写化?…ネギま…ルパン…ドラゴンボール・・・うっあたまが
金田一…銀魂…テルマエ…カイジ…そうだな!きっと大ヒット作品になることだろう
- 961 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/13(木) 22:26:00.79 ID:SZ/0yYA80
- 「ゆうべはお楽しみでしたね」
「うっさいわ」
ぽこり、と風のどたまに鉄槌を振り下ろす。
「おお、痛い痛い。
風は主の暴虐に全身全霊で抗議する所存なのですよー」
わーわーと騒ぎ立てる――楽しそうに――風である。
色々と言いたいことはあるのだが、何を言おうかなあと思っていたら稟ちゃんさんが引き取ってくれた。
「風、いい加減にしなさい。ふざけている場合ではないでしょうに」
「おお、怖い怖い。まあ、それでは現状を整理しましょかね。
蜀と名乗る不逞の輩。コナをかけた勢力は多々ありますが脅威になりそうなのはそこまで多くありません。
これは二郎さんが反董卓連合の後、諸侯軍の補給の梯子を外したおかげですね。
まあ、それでも無視できない勢力はまだこの中華に残っております」
まあ、そうよね。黄巾の乱で認められた諸侯の私兵。それをゴリゴリと削る作業の途中ではあったのだよ。参勤交代とかやったろうかとか思っていたくらいに。
「脅威となりそうな勢力。蜀と連動しそうな順に行きましょう。
韓遂、劉焉含む益州、曹家、黒山賊、孫家。あとは……有象無象の諸侯ですかね」
「西方はガタガタだな……。東方の諸侯にも睨みをきかさんといかんし、手駒が足りんな」
やはりここは当初の予定通り……。
「ここは孫家を使おう。流石に手が回らん」
ちろ、とメガネを光らせて稟ちゃんさんが問うてくる。
「よろしいのですか?袁家単体で蜀を撃滅するという当初の方針を放棄することになりますが」
「構わん。お題目に拘っている場合じゃない。なに、俺の面子が潰れるくらいどうということもない。使えるモノは全部使う。全部、な」
出し惜しみなんてしている場合じゃあないのだ。彼奴らには、思い知らせてやる。誰に喧嘩を売ったのかをな。
「手始めに、一番物騒な奴から手を付けよう。韓遂を召還しろ」
「大人しく来ない場合はどうしますか?」
稟ちゃんさんの問いに俺は清々しく応える。
「長安失陥くらいは覚悟しとくか」
韓遂が本気で来たらそんくらいは覚悟せんといかん。長安を空にして焦土戦術とか色々と考えたりするが、現実的じゃないしなあ。まずは蜀を討つことに集中せんと……。
「そんな二郎さんにお客さんが来てますよ?」
どこからともなく現れた七乃がそんなことを言う。
「追い返せ、今は来客の相手をしている場合じゃない」
「あららー、名前くらいは聞いた方がいいんじゃないですか?」
まあ、七乃も今がどういう状態かって分かってるもんな。取り次ぎに来たってことはそれなりの存在か。
……華琳じゃありませんように。
「韓遂さんが涼州よりおいでですー」
なん……、だと……。
- 962 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/13(木) 22:26:34.17 ID:SZ/0yYA80
- ◆◆◆
「遠路はるばるご苦労さん。丁度俺もあんたに会いたいと思ってたところさ」
韓遂は目の前の男を改めて見る。
――今上帝は政務にまるで興味を示さず後宮に籠りっきりである。
自然、政治の全権は袁紹が握ることになる。そしてその袁紹が絶大な信頼を寄せているのが目の前の青年、紀霊である。彼が実質今の漢王朝を牛耳っていると言っていい。
無論それに対する反発も大きいのではあるが、表だって反抗する者はいない。
袁紹という後ろ盾、司徒という地位もそうなのだが。何より苛烈な宦官への粛清、弾圧――逃亡した宦官への捜査、取調べと言う名の拷問――の記憶はまだ新しい。
宮中を血に染めて全く揺るがぬその姿。一部で魔王呼ばわりされるだけのことはあるのである。
「涼州の一大事ゆえ。単身発った蒲公英の身も気になりますし、な……」
当然韓遂は馬岱の身の処し方については想定内。
いや、手の者を使い使嗾さえしたのだ。まあ、馬岱が容れられても容れられなくとも韓遂にとっては同じことではあったのだが。
紀霊が容れればよし、排除してもよし。
どちらにしても涼州の実効的支配権は韓遂の手に転がり込むのだ。後はどれだけ高値で売りつけるか、だ。
「……」
紀霊はばりばり、と頭をかき、はあ、とこれ見よがしにため息を吐き、懐から取り出した物を韓遂に投げつける。
すわ、暗器の類か、と身構えるも、緩やかな放物線を描くそれをぱし、と受け取る。
「これは……!」
流石の韓遂が言葉を喪う。
「おお、流石に見誤らんか。そうだ。見慣れている品だな。そう、涼州牧の印綬さ。
それが欲しくて洛陽まで来たんだろう?くれてやるよ」
す、と表情を消して韓遂は問う。
「随分とあっさりしていますな?」
苦笑一つ。いや、それは笑みだったのだろうか。
「馬家はお家断絶まっしぐらさ。だったら涼州をまとめられるのは貴様しかいないだろうが。
涼州は匈奴の盾となる重要な地域。荒らすわけにはいかん」
目を合わせることもなく、淡々とした言葉に激情が漏れる。
「……この私を駒扱いするか。舐めるなよ、小僧!」
裂帛の気合いに紀霊の横に控えていた護衛――典韋と楽進――が臨戦態勢をとる。その殺気は研ぎ澄まされ、物質化されたかのように韓遂を貫く。
が、幾多の修羅場をくぐった彼がそれごときで怯むはずもない。無手であっても、だ。
「生(なま)の殺気を剥き出しにするなど、お里が、知れる……。
主の都合を洞察できないとはな」
傲岸不遜に吐き捨てる。その言に護衛の二人がたじろぐ。
武勇はともかく政治的なやりとりは彼女らには埒外。自分たちの行動で主に迷惑をかけたのか、と。
- 963 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/13(木) 22:27:05.16 ID:SZ/0yYA80
- 「二人とも、落ち着いてねー。
それと引き続き警戒よろしく」
紀霊の言葉に護衛の二人はさきほどまで放っていた殺気を霧消させ、彫像と化す。
「――。
一頭の虎と、一万匹のネズミ。殺しつくすのって、どっちが楽かな?」
ニヤリ、と笑う紀霊の凄味。言葉の寓意。
韓遂が内心で驚愕する。この私が気圧されるだと!
「虎が一頭とは限りますまい。涼州騎兵は一騎当千。いかがされる?」
その声に紀霊は苦笑する。
「だったら根切りしかないだろうさ。
涼州騎兵、その性質。ひたすらに叛であれば世の害悪。涼州を焦土とするさ。
韓遂よ。俺が農業に詳しいというのは衆知の事実。これまで中華を肥沃な大地としてきた。だったら……焦土にすることもできる、と。思わないか……?」
「な!」
「まあ、そうはならんと思っているよ。馬騰さんはそんな人じゃあなかった。
漢朝に叛いたのも一族郎党を道連れにしてでも諫言をするためだった。
少なくとも俺はそう思っているよ。ああ、惜しい人物を亡くした。心からそう、思うよ……」
重苦しい沈黙が落ちる。その沈黙を打ち破ったのは韓遂であった。
「……これは紀霊殿は冗談がお得意の様子。涼州騎兵は漢朝の忠実な臣ですとも。蒲公英は身一つでその忠誠を誓いましたがな。
ああ、蜀なぞという不埒な賊軍。度し難いというもの。涼州騎兵の最精鋭五百、ご用意いたしました。蒲公英はあれでその軍才はなかなかのもの。
お役立ちになるかと……」
事実上韓遂が紀霊の軍門に降った瞬間である。
「ん、その忠勤。陛下にも伝えておく。ご苦労!」
言い捨てて去る紀霊の背を見ながら韓遂は思う。
流石に、義兄がベタ褒めするだけのことはあったな、と。
そして韓遂は涼州の牧にほどなくして任命されることになる。
馬超の出奔。更に馬岱の紀霊への従属。ともすれば崩壊しそうな涼州を支えたのは間違いなく韓遂であった。
- 964 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/13(木) 22:27:54.62 ID:SZ/0yYA80
- 本日ここまですー
かんそうとかくだしあー
俺はやるぜ俺はやるぜ俺はやるぜ・・・
- 965 :赤ペン [sage saga]:2022/01/14(金) 10:16:22.54 ID:3DHIZ6uW0
- 乙でしたー
>>961
>>ちろ、とメガネを光らせて稟ちゃんさんが問うてくる。 間違いではないですが【ちろ】だと舌とか出してそう…いやん、なまめかしい
○メガネを光らせて表情の読めない稟ちゃんさんが問うてくる。 詰問するなら【ギラリ、と】そう来るか、と感心したなら【きらり、と】な気がしますがあえてここは真意を問うために無表情?でどうでしょう
>>「手始めに、一番物騒な奴から手を付けよう。韓遂を召還しろ」 【召還】は呼び戻すことなのでちょっと違いますね(まあ州牧とかきっちりと漢の臣としての職についてるならありかもですが)
○「手始めに、一番物騒な奴から手を付けよう。韓遂を召喚しろ」 FFの【召喚獣】みたいに呼び出す、呼び付けるならこちらです(直臣じゃなくて陪臣みたいなものよね?)
>>962
>>いや、手の者を使い使嗾さえしたのだ。 間違いと言うほどではないのですが【使嗾】には悪事をけしかけるニュアンスがあり、馬岱を悪い方へ誘導したように聞こえます。が、馬岱からにしろ二郎からにしろこれは悪手とは言えないので
○いや、手の者を使い焚き付けることまでしたのだ。 良い事か悪い事かは置いといて小さい火を大きくするような事をしたならこのあたりでどうでしょう
>>「生(なま)の殺気を剥き出しにするなど、お里が、知れる……。 これだと冷や汗一つは掻いてそう…傲岸不遜に吐き捨てるなら
○「生(なま)の殺気を剥き出しにするなど、お里が知れる……。 の方が良さそうかな?あくまで好みのレベルですが
韓遂が馬騰さんのことを嫌ってはいても信じてたようなめんどくさい内心が溢れててとっても良き
求めてた物が転がり込んできた時の激発による呼び水とか見るとこいつを義弟にした馬騰さんの(自分が間違えた時はこいつが止めてくれるだろう)みたいな心情まで伝わるようで良き
そりゃ反董卓連合の時にこいつはしっかりと涼州守るわ…敵討ちとかはしないし部下に殺された間抜けめ、とは思ってもその娘の敵討ちの邪魔はしない感が出てた
- 966 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/15(土) 14:02:23.01 ID:20lo4xQX0
- >>965
赤ペン先生ありがとうございます!
>韓遂が馬騰さんのことを嫌ってはいても信じてたようなめんどくさい内心が溢れててとっても良き
書いてて私も「こいつめんどくさい!」とか思ってましたw
>そりゃ反董卓連合の時にこいつはしっかりと涼州守るわ…敵討ちとかはしないし部下に殺された間抜けめ、とは思ってもその娘の敵討ちの邪魔はしない感が出てた
そう考えると親戚のおじさんムーブに見えないこともないですねw
- 967 :青ペン [sage saga]:2022/01/17(月) 10:22:56.28 ID:+StJvMtJo
- >>964
乙ーい。
義兄の幻影〜護るべきもの〜
でどうかの
- 968 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/17(月) 19:30:23.85 ID:4lqDpJYF0
- >>967
どもです!
幻影いいなあ
これは使いたい
これはいいやつっですありがとうございます!
なんか馬騰さんと韓遂を示唆するような言葉ないかなあ。。。
- 969 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/17(月) 21:11:57.10 ID:4lqDpJYF0
- 「凄いな……」
積み上げられた食糧の山に北郷一刀は感嘆の息を漏らす。見渡す限り物資の山、である。しかもこれは多数ある物資貯蔵庫の一つでしかないのだ。
「はい。百万の兵を百年養うだけの食糧があります」
襄平だけで、である。
「あるところにはある、か……」
嘆息する。一体、義勇軍当時の切迫した食糧事情とはなんだったのだろうか、と思う。
「食糧だけではありません。武器、防具、それに金銭……。
膨大な量が確認されています」
ぺらり、と資料をめくりながら諸葛亮は応える。
「袁家の財、恐るべしというか、もうなにがなんだか分からないな」
たはは、と言った風に北郷一刀は苦笑する。規模が膨大過ぎて実感がわかないというのが実際のところである。
そんな北郷一刀に諸葛亮は苦笑する。
「ええ、ですが。幽州のみでこれなのです。積み上げた袁家の財貨。敵に回すとなると……」
内心で諸葛亮は舌打ちする。まさかこれほどの蓄財があるとは思っていなかった。
流石常備軍を数万単位で運用できるはずだ。
いや、にしてもこれは想定外にもほどがある。
これほどの蓄財を、戦乱を経て可能にした袁家。その脅威に諸葛亮は内心舌打ちを重ねる。
「そっか、そうだな。ちょっと浮かれてた。ごめんな、朱里。引き締めてくれてありがとな」
「はわわ……」
先ほどまでの懊悩もどこへやら。諸葛亮は頬が上気するのを自覚する。
そして撫でられたところからじわり、と幸せな熱が広がっていくのも。恍惚感で思考が麻痺していくのをぷるぷる、と頭を振って防ぐ。
「お昼からの会議ですが、事前にご主人様にはご報告いたします」
劉備はともかく、実質的な組織のトップである北郷一刀が色々な報告に一喜一憂するのは好ましくない。
泰然と、悠然と、どっしりと構えていてくれないと困るのである。
「お、なんかあったのか?」
「はい。まずはよい報せからです。ご主人様の呼びかけに翠さんが応じてくれました。
州牧の地位を投げ打って此方に合流してくれるとのことです」
「翠が、か!いや、持つべきものは、だな!」
北郷一刀の声に諸葛亮は深く頷く。馬超が出奔したというのは実に大きい。
州僕という漢朝で十三席しかないその席を蹴ってまで動いたのだ。これにより蜀はその影響力を内外に示すことができた。馬超の動きなくしては多方面への呼びかけも所詮は絵空事であったのだ。
それが、だ。涼州の韓遂、益州の劉焉と劉表。荊州の孫家に洛陽の曹家。
さらには黒山賊や東方の諸侯。それらの動きに備えなければならなくなるのだ。
いかに諸葛亮と鳳統の神算鬼謀あろうとも圧倒的な大軍を前にしては勝機も薄くなるというものである。
贅沢を言えば、涼州まるまる手にしたかったものだが。
- 970 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/17(月) 21:12:23.28 ID:4lqDpJYF0
- 「更に行方不明だった恋さんも此方に向かっているそうです」
万夫不当。単騎で三万の軍を撃退したという呂布の武、そして騎兵を手足のように操る将才――実際に指揮を執っているのは陳宮なのだが――。
飛将軍の武名は中華最大なのである。
「恋か!いや、久しぶりだなあ。ねねやセキトも元気だといいなあ」
なにせ呂布だ。北郷一刀は満足げな笑みを深める。そう、呂布なのだからして。
「……黒山賊とは相互不可侵、限定的な戦力の貸与、情報交換で合意できそうです」
兵力的には最大の勢力が黒山賊である。五万とも、十万とも言うその兵力。
そして、そもそも黒山賊と紀霊は不倶戴天の仇敵である。漢朝で紀霊の影響力が大きくなる一方の現状が好ましくないのは分かっていた。まあ、妥当な線であろうと諸葛亮は思う。
ここまでの情勢、非常に順調である。そう、順調なのだ。
だが、一手足りない。あと一手足りないのだ。
諸葛亮からしたら、あと僅か一手足りない。
例えば、孫家の当主が孫策であればこれを好機として大いに盤上をかき乱すことができただろう。
例えば、曹操が州牧や太守として地方に在ったならばこの状況を利用してのし上がることを使嗾すらできただろう。
そして、例えば劉焉が益州の州牧であれば、荊州や漢中を分捕りに出たであろう。その、一手さえあれば、と内心歯噛みする。
「そか、結構順調だな。これも朱里や雛里が頑張ってくれたからだな。ありがとうな」
「はわわ……」
きゅ、と抱きしめられて諸葛亮は恍惚とする。このまま耽溺したいが、報告はまだ終わってはいない。
「ご、ご主人様、いけません……。まだご報告がおわってましぇん……」
「朱里はかわいいなあ。そんなに肩肘はらなくてもいいんだぞ?」
「わ、わたしたち蜀は朝敵として討伐されるとのことでしゅ……」
うっとりとその温かさに身を委ねながらも諸葛亮は義務を果たそうとする。
「朝敵?今更って感じだけどなあ……」
それがどうしたと言わんばかりの北郷一刀の剛毅な声。
それに再び諸葛亮はうっとりとしそうな自ら。それに喝を入れながら続けて報告する。
「と、討伐軍が組織されます。総大将は紀霊」
その名前にぴくり、と北郷一刀は反応する。
「あいつ、か」
厳しい表情もご主人さまは素敵だなあ、などと思いながら諸葛亮は報告を続ける。
「はわわ……。はい。大きく五つの軍団にて編成され、その将を五虎将と称しています。
紀霊本人は征夷大将軍として討伐軍の全権を握っているとのことです。
北伐として陳琳が出師の表なんてもので上奏したそうです……が?」
どうされました?との言葉すら吐けない。
どんな時も悠然としていた自らの主が、その顔色を蒼白にしているのだ。
- 971 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/17(月) 21:12:49.43 ID:4lqDpJYF0
- 「朱里、朱里よ。お前、それ。
それ、マジか?」
「え?は、はい。確かな情報です。五虎将は紀霊、顔良、文醜。それに星さんと白蓮さんとのことですが……」
「なんだよ、それ!くっそ!畜生!そんなの、ありかよ!」
激昂する北郷一刀に、諸葛亮は何と言葉をかけたものかと戸惑う。
諸葛亮の知恵をもってしも彼が何故これほどまでに荒れているのかが分からないのだからして。
「朱里……!」
「はい!」
搾りだしたような主の声に諸葛亮は応える。
「朱里。朱里は諸葛孔明、だよな……」
「はい。そうです……?」
戸惑ったような諸葛亮と目も合わせず、北郷一刀は声を絞り出す。
「紀霊――魔王。奴は俺と同じかもしれない。――いや、きっとそうなんだろう。
くそ!なんで気づかなかった!阿蘇阿蘇(アソアソ)!母流龍九(ボルタック)商会!ヒントはあったじゃないか!
あったんだよ朱理!」
苦悩に吠える北郷一刀に諸葛亮は数瞬戸惑い、まぶたを閉じる。
そして数秒後、刮目し微笑する。
「なるほど。分かりました。今、理解しました。全てを。
紀霊。それこそが発端にして元凶。
言わばこの世の歪み……。つまり、ご主人様の敵……」
くすくす、と諸葛亮は笑う。それまでの憂いを帯びた笑みではなく、満面の笑み。晴れ晴れとした笑み。
「朱里?」
その変貌に戸惑う声に諸葛亮は応える。
笑みを浮かべたままに。
「ご主人様。ご安心を。一切、お任せくださいな」
くすり、と諸葛亮は笑う。笑みを深める。深く、深く。より深く。
そして浮上し、破顔する。
「見ぃつけた……」
その言葉は闇に散じて、誰の耳にも届くことはなかった。
- 972 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/17(月) 21:14:19.59 ID:4lqDpJYF0
- 本日ここまですー
かんそうとかくだしあー
今回はきちんと案考えたのよ、題名案ね
「発覚」
ちょっと味付けあればよろしくお願いします。
またリアルが忙しくなる前にいけるだけどんどこいきたい!
こっから風ちゃんが頑張るはずなのだが
なのだが!
- 973 :青ペン [sage saga]:2022/01/18(火) 05:31:13.41 ID:ptQACANGo
- >>972
ふむ…。
【点と線〜異世界の理が繋げた真相〜】
でどうじやろ
- 974 :赤ペン [sage saga]:2022/01/18(火) 17:11:08.71 ID:CWF4zCYm0
- 乙でしたー
>>969
>>たはは、と言った風に北郷一刀は苦笑する。 【たはは】と言ったのかな、言ってないのかな?
○呆れた、と言った風に北郷一刀は苦笑する。 この食料を溜め込まなければどれだけの民が救われたのか…僕は決め顔でそう言った
○たはは、と北郷一刀は苦笑する。 ただ単純に圧倒されてるだけで実感も湧いてないようですしこっちの方が良いかな?
>>劉備はともかく、実質的な組織のトップである北郷一刀が色々な報告に一喜一憂するのは好ましくない。 幹部連中ならそれでも勝手に(こいつは私が守らないと駄目な奴だな(キュンキュン))とかするから大丈夫だろ
○劉備はともかく、天の御使いで実質的な代表である北郷一刀が色々な報告に一喜一憂するのは好ましくない。 でもそれって根本的な解決になっていませんよね?最悪の場面で馬脚を現さないといいですね
>>「翠が、か!いや、持つべきものは、だな!」 間違いと言うほどではないですが
○「翠がか!いや、持つべきものは、だな!」 【、か!】って喋り言葉として違和感が
>>州僕という漢朝で十三席しかないその席を蹴ってまで動いたのだ。 親友だった幽州牧を後ろから刺した奴がいるんですよ〜
○州牧という漢朝で十三席しかないその席を蹴ってまで動いたのだ。 なぁ〜にぃ〜?やっちまったなあ!
>>さらには黒山賊や東方の諸侯。それらの動きに備えなければならなくなるのだ。 前の文の【絵空事であった――それが――さらに】と続くので
○さらには黒山賊や東方の諸侯。それらへの働きかけにも俄然信憑性が生まれるのだ。 馬○な女が動いたことで他の奴等も動かせる可能性が上がったのでこんな感じ?
>>970
>>それに再び諸葛亮はうっとりとしそうな自ら。それに喝を入れながら続けて報告する。 頭撫でるくらいならともかく抱きしめるとかよくこの場面でできるな
○それに再び諸葛亮はうっとりとしそうになる。そんな己に喝を入れながら続けて報告する。 【。】で区切るならこの方が良さそうかな
>>厳しい表情もご主人さまは素敵だなあ、などと思いながら諸葛亮は報告を続ける。 好みの問題ですが
○ご主人さまは厳しい表情も素敵だなあ、などと思いながら諸葛亮は報告を続ける。 【情けない泣き顔でもご主人様は素敵だなあ】くらいにマイナス方面でも〜ならともかく【厳しい表情】くらいだとこの方が良さそうかな
>>971
>>諸葛亮の知恵をもってしも彼が何故これほどまでに 董卓と買駆が処刑された時も悠然としてこれ幸いと呂布の心の隙間を埋めてたのに!
○諸葛亮の知恵をもってしても彼が何故これほどまでに 理解してる歴史知識と理解できないこの世界の常識にはビビらないけど理解できる自分が無関係な歴史のずれは怖い…普通だなw!
>>それがどうしたと言わんばかりの北郷一刀の剛毅な声。 それ剛毅ちゃう、理解できてないだけや。王様に「おいおっさん」っていうあれや
>>くそ!なんで気づかなかった!阿蘇阿蘇(アソアソ)!母流龍九(ボルタック)商会!ヒントはあったじゃないか! バロック商会「そうだよ」ゴッドヴェイドゥ「しかりしかり」農徳新書の内容「ヒントは出していたのですが」
見つけたぞ!世界の歪み!…俺が、俺たちが。ガンダム(正義)だ!ですね分かります…いやそうはならんやろ何でそこが蜀になるのよ歴史の歪み筆頭そこやろ
一刀君が気にしてないからって他全員が気にしないかっていうとどうなんだろうなあ>>朝敵認定
ヒロインたちは一刀を信じるとして一般兵はどうなんだろうなあ(なお魅了 …完璧な対応ですね
ところで>>「はい。百万の兵を百年養うだけの食糧があります」 これ盛り過ぎじゃない?1か所でその量は…いや適正な量はどれだけよ?と聞かれると困るけど
10万の兵を10年…そんな蔵が他にも数か所あるとかで十分な気がします
- 975 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/19(水) 20:28:13.85 ID:NjqS3nxp0
- >>973
どもです!
これでいいかな感がすごい。
いつもながら言葉のチョイスがオシャレすぎませんかねぇ
>>974
赤ペン先生ありがとうございます!
>それ剛毅ちゃう、理解できてないだけや。王様に「おいおっさん」っていうあれや
そこに気付くとは、やはり天才かw
> バロック商会「そうだよ」ゴッドヴェイドゥ「しかりしかり」農徳新書の内容「ヒントは出していたのですが」
見つけたぞ!世界の歪み!…俺が、俺たちが。ガンダム(正義)だ!ですね分かります…いやそうはならんやろ何でそこが蜀になるのよ歴史の歪み筆頭そこやろ
一応、二郎ちゃんが撒いてた餌はねw
なお、その筋の方が来てたら農徳新書見たら分かると思われます
>ヒロインたちは一刀を信じるとして一般兵はどうなんだろうなあ(なお魅了 …完璧な対応ですね
メタで勝ちを拾おうとする二郎ちゃんとは相性最悪とも言えますw
いや、本当に相性悪いんですよねどう考えても
>ところで>>「はい。百万の兵を百年養うだけの食糧があります」 これ盛り過ぎじゃない?1か所でその量は…いや適正な量はどれだけよ?と聞かれると困るけど
ええと、そりゃ盛ってますが盛ってません。
白蓮ちゃんさんはそんだけ頑張ってましたし、大事なのはインパクトですし。
ですが、あれですよ。ネタバレになるから開示できませんが、それでも問いましょう
「食料の備蓄は十分か?」
と。
正直二郎ちゃんに秀吉メソッドはやらせたくないDEATH
- 976 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/19(水) 20:29:03.55 ID:NjqS3nxp0
- 日輪がまだ地平線より上る前。払暁前。
いつもならば立ち上がり、立木打ちをするのだが中々そういう気にもならない。
なんとなれば、だ。
「気が進みませんか〜」
「起きてたのか、風」
すやすやと、先ほどまで寝息を立てていた風がそんなことを言う。
「そですね、起きていたとも言えるし、今でもぐっすりなのかもしれませんね。
ええ、夢心地ということです〜」
ふんわりと眠たげに笑い、俺の胸に飛び込んでくる。
「どうした急に」
すぐには応えず、ぐりぐりと頭を押しつけてくる。
こんなにひっついてくるのは珍しい。というか初めてじゃないかな?
思えば、風から部屋に来るのも珍しいことではあった。
「くふふ、たまにはいいじゃありませんか。
常には抑えていた慕情が溢れてしまったということで一つ」
「いやそんな慕情とかあったのなら嬉しいけどね?
というかそんなことを口にするのも初めてじゃね?」
「くふ、そうでしたっけ?
これはいけませんね。思いを口にしないと伝わらないものもありますからね〜。
ええ、そうですね。
そですね〜」
ふわり、と立ち上がる。
一糸まとわぬその姿はある種の神々しさすらあり、息を呑んでしまう。
「幾百、幾千、幾億の夜を重ねてなお、やはり二郎さんなのですよ。
ええ、そうです。そうなのですよ。二郎さんの横で見る月はとても輝いてます。
二郎さんとご一緒させていただくお酒はとっても美酒です。
だから、幾度でも選びます。それが二郎さんなのです」
いつもの、ある意味胡散臭さのある言葉ではなく、透き通った心を感じた。実際、いつもの風らしくない。
それでも、とても大切なものが含まれている。そしてそれはとても貴重なもの。ありえないもの。
何より、風が涙を。
抱き寄せ、その真珠に口づける。
「いつだって、俺のメイン軍師は風さ」
もっと気の利いたことを言えればよかったのかもしれない。でも、俺の肺腑から出たのはその言葉だった。
一瞬、きょとんとして。
「くふふ、ありがたき幸せ、というやつなのですよ〜」
「そうかい、だったら嬉しいね。これからもお見捨てなきように頼むわ」
くすり、と笑みは深まる。
「こちらの台詞です〜。
ええ、二郎さんのために頑張っていこうと決意を新たにしております〜」
常ならば胡散臭い、或いは真意が五里霧中な風の言葉だ。
だが今日のそれは、まごころ、のように感じた。
- 977 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/19(水) 20:34:14.55 ID:NjqS3nxp0
- 本日ここまですー
かんそうとかくだしあー
題名は「メイン軍師との語らい」
ですかね
はい。風ちゃんはね。そういうことです。
前にちょっとやりましたけんども。
「周回してます」
おやすみすやすやというのはRTAだったんですね(違います)
そしてここからガチで風ちゃんはやっていきます。
七乃さんの頑張り物語。
更に風ちゃんも頑張る物語であります。
頑張るぞいっと。
- 978 :青ペン [sage saga]:2022/01/19(水) 22:15:00.39 ID:QxwbAhZro
- >>977
ふーむ。
褥を重ねて、想いを重ねて
としてみますか
- 979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/19(水) 23:19:35.88 ID:ZzqszCb70
- かぜの止まり木になれるような変な男…受け入れる器というには穴が開いてそうだけどw
でも穴が開いてるからこそ風が通り抜けれる。的な
- 980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 08:58:41.86 ID:7+lWwR2eo
- 風ちゃん可愛いよ風ちゃん
自分にとっても最推しキャラなので今回の題案応募は気合を入れて
題案は
『真月麗しく、心そよ風に笑む』
などと。
貴方の隣で見る月は真に麗しく、貴方と共にある心はそよ風にすら笑む程に幸せである
その時表出したのは常は隠している『真』『心』であり、その言葉はきっと真実である
- 981 :赤ペン [sage saga]:2022/01/21(金) 11:08:10.14 ID:5pCQv4Cn0
- 乙でしたー
>>976
>>いつもならば立ち上がり、立木打ちをするのだが中々そういう気にもならない。 【立ち上がり】だと倒れてたような感じがするので
○いつもならば目覚ましがてら、立木打ちをするのだが中々そういう気にもならない。 あるいは【いつもならば、起きて立木打ちをする頃合いなのだが中々そういう気にもならない。】とかどうでしょう
>>二郎さんの横で見る月はとても輝いてます。 【月が綺麗ですね】ですね分かります…「私は太陽の方が好きです」とか返したら嫌みが天元突破しそうwww「死んでもいい」はこの場では不適切だしやっぱりここは「星も綺麗ですよ」が良いのかしら?…駄目だ親友にそのものずばり星がいやがる!
ここは「心地よい風があればこそだよ」とか言ってみるか
>>「いつだって、俺のメイン軍師は風さ」 その返しは思いつかなかった!まさかここで自分がこの世界にとって異物であることを教えるとは…それでも普通の相手なら分からなくてきょとんとするだけのようなわずかなそれを
理解されなくても構わないような吐露を、風だからこそその言葉の意味を理解できて、でも理解したことを悟らせるでもなく…ああぁ〜すきぃ〜〜
これまでしこしことカタカナ警察をやってた努力が望外の報われを受けた瞬間に絶頂不可避ですよ
- 982 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/21(金) 22:08:19.18 ID:cylJlD7R0
- 嬉しい。
読み取っていただけて嬉しい。
感想返しはちょっと待って下さいませ。
いやほんと
嬉しい。
- 983 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/23(日) 06:00:29.80 ID:kIe2gwsT0
- >>978
どもです!
しっとりとしててよきです
>>979
感想ありがとうございます。
>かぜの止まり木になれるような変な男…受け入れる器というには穴が開いてそうだけどw
割れ鍋に綴じ蓋という言葉が連想されました
いえ、特に深い意味はないんですけんども
>>980
感想ありがとうございます。
>風ちゃん可愛いよ風ちゃん
そうなんですよね。可愛いんですよ。
どうしたってヒロイン多いから出番があってもコミカル腹黒描写がメインになってしまうのですが
久々に可愛いところをみせてくださいました。
>『真月麗しく、心そよ風に笑む』
美しい。仮採用ということで一つ。
いや、分量的に他の話とがっちゃんこする可能性も高いですが
>>981
赤ペン先生どもです!
> 【月が綺麗ですね】ですね分かります…「私は太陽の方が好きです」とか返したら嫌みが天元突破しそうw
程cになってしまうw
>まさかここで自分がこの世界にとって異物であることを教えるとは…それでも普通の相手なら分からなくてきょとんとするだけのようなわずかなそれを
>理解されなくても構わないような吐露を、風だからこそその言葉の意味を理解できて、でも理解したことを悟らせるでもなく…ああぁ〜すきぃ〜〜
言葉にしないと分からないことも多いのですし、基本的に二郎ちゃんは言葉にするのですが。ここは言わないし風も何も言わないということです。
読み取っていただけて嬉しい限り。
>これまでしこしことカタカナ警察をやってた努力が望外の報われを受けた瞬間に絶頂不可避ですよ
これがあったからこその、一度だけ使えるやつですねw
いつもありがとうございます。
- 984 :赤ペン [sage saga]:2022/02/04(金) 11:55:28.36 ID:WP4XQdx10
- 槍は獣の爪や牙の外から攻撃できて、斧は木を切り倒すのに有用で、剣は人を殺すのに適している
と言う話を聞いてそう考えるとモンスターが出る世界だと普通なら剣よりも槍の方が発展しそうだよなあ、と思った
まあスキルとか魔法とか色々あるから一概には言えないけど
- 985 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/02/10(木) 21:12:44.61 ID:FtVdLKk00
- 「あ、すっげえ美味しいわこれ」
ずび、と音を立てて茶を啜る。これは流琉や凪と互角以上の勝負ができるかもわからんね。いや、ワンチャン上の可能性まであるぞ。いや、素材が高級ならば上をいく感があるな。
茶器の上品さと供される茶の野卑さと紙一重の力強さ。それらをこの菓子が包括して高いレベルに落とし込んでいる。そしてそれが全て供される茶の格を高めている。
流石だな華琳よ。
「当たり前でしょ!華琳様が手ずから淹れてくださったのよ!香りと味、そしてそれらを引き出す絶妙な温度。ああもう、もっと味わって飲みなさい!」
流石万能の天才華琳である。半端ない。戦慄すらするわ。
「ふふ、お口に合ったようで何よりだわ」
そしてこの顔である。いや、そりゃ美味かったよ?文句なしだけどさあ……。
「どうせなら秘蔵の酒の方に興味があったかもしれんな」
「あら、駄目よ。まだ熟成が足りないし、あれこれと試している最中だもの。まだまだ二郎に飲ませられないわ。そのうち助言は貰うかもしれないけどね」
と、言われてもなあ。俺の適当な知識が丸裸にされて美味しいとこだけもってかれそうではある。
「で、何しに来たの?と敢えて聞いておこうかしら」
にこやかなままに華琳は俺に問うてくる。こわいこわい。
「司徒が司空に会いに来る。なにもおかしなことはないな」
やめて。華琳の目力にヒュン、となりそうだわ。
「国難だものね。そして曹家の動きが読めない。そういうことでいいかしら?」
これには流石、と頷くしかない。
実際、華琳が蜀――と自称するテロ組織――に与するとは思えない。理性的に考えれば、だ。しかしながら、翠の出奔。これが痛かった。
後一手。一手あればこっちが詰みかねないというところまで押してくるのは流石に伏竜鳳雛コンビだぜこんちくしょう。
あ、ちなみに割と洒落にならない戦力を飼っている黒山賊からは呂伯奢――張燕の偽名である――から張紘宛に「これからもこれまで通りのお取引をよろしく」ってことで本人自ら挨拶に赴いてきたらしい。
いやまあ、こっちが不利になったら途端に裏切るんだろうけどね。韓遂と同じく油断できないことに変わりはないのである。
――閑話休題。
「二郎?」
現実逃避していた俺であるが、華琳の無慈悲な呼びかけがそれを許さない。くそ!なんて時代だ!戦うしかない!現実と!
「まあ、そうだな。正直不安さね。蜀と称する賊軍どもに華琳が加担する理由なんてない。利なんてないと思うけど、さ。
華琳がその気になれば、と思うと怖くて夜も寝られんよ」
だから昼寝してるのさ、と自虐的に笑うと、華琳は茶化すでもなく問うてくる。
「二郎、一つ聞いておきたいのだけれどもね。速攻で幽州を落とすという当初の計画は頓挫しているわよね。あの馬超のおかげで。
そして太尉たる公孫賛、更には三公の首座たる司徒。それらを空位にして国体の維持、どうするつもりなのかしら?」
そーだよなあ。普通そう思うよなあ。なに、腹案はある。
「権官を、設置しようと思う」
権官。正規の役職に対する代理職、或いは補佐職的なものである。有名なのは某学問の神――或いは雷神――だが遥か未来のことである。
「へえ……、意外とちゃんと考えているのね。程立の案かしら。それとも郭嘉?」
「俺が考えたとは思わないのかよ」
「あら、違って?」
「違うね、俺の発案さ。それを加味してくれよ」
俺の言に華琳は目を白黒させる。嘘でしょ、とか言うが嘘じゃないのよ。
まあ、蔡邑さんの知恵もお借りしてるがな!流石何進政権の知恵袋は格が違った!
とは言え……だ。
「ぶっちゃけ駒が足りん。前線も、後方もな。俺が思う総力戦には曹家の力が必要なのさ」
ここからが本題なのだよ。本題なのよ。
「あら、今を時めく袁家の陣容はそんなに手薄なのかしら」
ニヤニヤと笑う華琳。なに、君他人ごとと思ってやしない?それは違うぞ?
「華琳にしては安い挑発だな。俺は俺なりに最善手を打つ。それだけのことさ」
「へえ……。
いいでしょう。で、誰が欲しいのかしら」
その余裕に苦笑する。
そしてメイン軍師との語らいを思い出す。
- 986 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/02/10(木) 21:13:17.59 ID:FtVdLKk00
- ◆◆◆
「で、二郎さんの腹案をお伺いしたいのですが」
くすり、と笑う風に俺は答える。
「そうだな、ネコミミと秋蘭かな。華琳を中央に残すのは怖いけど、腹黒ネコミミがいなけりゃ軽挙妄動もないだろうしな。
それに春蘭がいれば、そうそうおかしなことにはならんだろうて」
なにせ怖いのは華琳の動向だ。華琳の横にネコミミがいたら不安が心配で心労がMAXでどうしようもなくなることは確定的に明らかである。
そんなことは、風は百も承知だと思うのだが。
「くふ、慎重な二郎さんはなんとも魅力的ですね。
でもそれは、いささか以上に弱気すぎると思うのです〜」
くすくすと笑みを浮かべる風の言に俺は考え込むことになる。
「だって、常から二郎さんはおっしゃってましたよね。
ええ、当代一番の才能、英傑はどなたですか?」
そんなの。
「そりゃ華琳だろうよ」
魏の武帝、覇王曹操こそこの時代きっての英傑である。これは揺るぎない真実である。
今はまだ人材不足にて雑務で忙殺できているが、いつ飛躍するか分かったものじゃない。
いやまあ、目の前の愛しいメイン軍師を含めて華琳には一番割を食わせているという認識はあるんだけどね。
「じゃあ、最高の人材を使わない理由は、あっても弱いですよね〜」
くふふ、と笑う風がマジで妖艶。くそ、そうだよな。その通りだよ。
「だが、だが。華琳を扱える自信なんてないぞ俺には」
その言葉に風は笑みを深めたのであった。
- 987 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/02/10(木) 21:13:43.76 ID:FtVdLKk00
- ◆◆◆
応える俺の言葉に華琳は意外そうに応える。
「あら、私と秋蘭、ね……。てっきり春蘭と霞だと思っていたのだけれども」
「純軍事的にはそうかもしらんがね。ぶっちゃけるとその二人の手綱を取れる自信がないよ、俺は」
特に春蘭な!
「あら、そうかしら。まあ、それはいいわ。にしてもその物言い、よ。
私の手綱、どうとでもなると思っているのかしら?」
ニヤ、と華琳は笑う。それが了承の合図だと気付いたのはネコミミの激昂を見てからだ。
「か、華琳様!このような汚らわしい男の要望をお受けになるのですか!」
ネコミミマジ涙目、である。そうだよなあ。華琳が俺の指揮下に入るとかどんだけ罰ゲームかって話だ。
「さて……、桂花。私は二郎と話をしているのよ?
口を挟む資格がないと知りなさいな」
その言葉、酷薄なようで、ネコミミを守るものであることに誰が気付くであろうか。まあ、俺は見ない振りするけどね。
「はい、華琳様。如何なる刻、如何なる場合においてもこの身、この心は華琳様のものです!」
はいちょっと主旨が歪んで伝わってますねえ。
「あら、どうしたのかしら二郎?顔色が悪いのではない?
ああ、麗羽は脈絡もなく無茶を言うものね。嫌気がさしたらいつでもおっしゃいな」
いや、そりゃそうだけどってそうじゃなくってだな。
なにしれっと地雷仕込もうとしてるんですかー!やだー!
だから華琳と距離感縮めたくないんだよ。それを分かるんだよ!風!
まあ、俺のメイン軍師にそんな甘えは通じないのは知っているんだけんどもね。
「まあ、そうだな。華琳の動き如何でえらいことになるからな。知ってると思うけど」
華琳が本気で叛を選んだら詰むんだよなー。まあ、この場ではこれ以上どうしようもないさね。
「二郎?やけにあっさりと引き下がるわね。もっと此方に食らいついてくるかと思ったのだけれども」
「この場で俺が何を言ってもわりとどうしようもないだろう。だからさ、華琳に頼むのはさ。
俺より遥かに影響力のある人に任せようかなって、な」
俺の言葉に華琳はぴく、と不審げに眉を顰め、それから可笑しげに笑う。
「ああ、この場にいなくて私に意見できそうな人物。――春蘭のことね」
「――そうだ」
「あの子が私に意見するかしら?」
くすり、と華琳は試すように艶然と微笑む。
「そこはほら、俺が土下座してだな。俺の額が火を噴くぜって感じで」
「ばっかじゃないの?」
ネコミミにばーかばーかと罵られるのもどうでもよく。
「まあ、俺が持ってる曹家の伝手ってば春蘭しかないからな。ちょっと泣きついてくるわ」
「ええ、あの子を口説けるものなら口説いてみなさいな」
はいよ、とばかりに手を振り、場を辞する。
いや、春蘭相手ってこう、出たとこ勝負なんだけどね?
- 988 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/02/10(木) 21:15:13.90 ID:FtVdLKk00
- 本日ここまですー
かんそうとかくだしあー
タイトル案は「曹家との語らい(ラストバトルに向けて)」
なのですが趣がないので、よきものを募集しますのでよろしくお願いします。
分かる人には分岐が見えるだろう
- 989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 21:27:49.69 ID:kuIjl6Ue0
- タイパクを連想する文章だなぁ
言うだけなら自由だしね(笑)
- 990 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/02/10(木) 21:51:59.42 ID:FtVdLKk00
- >>989
タイパクってなんですか?
いやマジで知らないのよ
- 991 :赤ペン [sage saga]:2022/02/11(金) 11:33:29.15 ID:MawwoARe0
- 乙でしたー
多分【タイムパラドックスゴーストライター】かな
今回の話はお互いの腹の探り合いで相手の狙いを読みつつ自分の狙いを悟らせないようにしてるから読者も言葉の裏を読まないと分かりづらい書き方してるからねえ
あの作品はそれぞれの人物の考え方を読み解かないと「なんでそういうこと言うの!?」ってなるとかならないとか
ネコミミよ…d姉は華琳の為なら死ねるけど逆に言えば誠実に向き合って華琳の為にもなることを提案すれば受け入れてくれるんだぞ
お前さんの上司はd姉を説得できるだけの話を持ってこれたならばヨシ!の精神だけどそのへん分かってるか?
- 992 :青ペン [sage saga]:2022/02/11(金) 23:04:49.81 ID:zODBZlHgo
- >>988
乙ーい。
そうねぇ…。
【探り合い 殴り合い】
とでも。
- 993 :赤ペン [sage saga]:2022/02/13(日) 11:29:23.09 ID:rZ0V6/MD0
- そうそう、今回は特に間違いっぽいところは見つかりませんでした
ところでそろそろ次スレ立てた方が良いのでは?
- 994 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/02/13(日) 16:53:35.26 ID:RiN2+QrN0
- >>991
サンクスです
あー、なんかチラ見した覚えはあります
あれジャンプだったのか
>ネコミミよ…d姉は華琳の為なら死ねるけど逆に言えば誠実に向き合って華琳の為にもなることを提案すれば受け入れてくれるんだぞ
>お前さんの上司はd姉を説得できるだけの話を持ってこれたならばヨシ!の精神だけどそのへん分かってるか?
憧れは、理解から一番離れた感情とかなんとか(うろ覚え)
やはりジャンプはすごいなと思うなど
ブリーチ、ナルト、ワンピースは再履修せんといかんなあと思っております
>>992
どもです!
ふみゅ
ふむ
いけるな・・・
いつもありがとうございます。
次スレの季節か、流石に最終スレになるはずですね
本当はGW目安でしたが、順当にいけばお盆、年末年始にはずれこみたくないなあ
頑張るぞいっと。
- 995 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/02/13(日) 21:21:28.98 ID:RiN2+QrN0
- 新スレ建てました
こっちは埋めてくだしあー
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1644754502/
1000とっても特にいいことあるかどうかはキメてないですw
フレーバー的にちょっといいことあるかも感は、既に残量からして
望まれても無理なのですので
んる
- 996 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/02/13(日) 22:51:04.88 ID:RiN2+QrN0
- 最終決戦だけまだどうなるかフラフラしております
ダイスは振りたくない(これ大事)
- 997 :赤ペン [sage saga]:2022/02/13(日) 23:37:02.44 ID:rZ0V6/MD0
- ネコミミが実はd姉のことを憧れの目で見てるだって!?(大声で
まあ絶対に認めない、どころか無自覚ですらありそうだけど、華琳に重用されてる相手に対して嫉妬はもちろん自分ではできない支え方ができることを羨んでそうでもあるか
- 998 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/02/14(月) 17:02:13.72 ID:Yo7ay6Bq0
- >>997
いやそうはならんやろw
d姉については本気で忌々しいのか、ある程度認めているのか
割とこれについても解釈は分かれそうでありますね
凡将伝のネコミミは本気で忌々しい説でもよさげではありますw
全方位にフシャーってなってる感じ?
きっと実務が激しすぎて心の余裕がないんだ
やっぱり曹家はBLACK勢力なんだ
二郎ちゃんは絶対移籍しないんだがそれの要素を分からないトップと軍師
皆ワーカホリックすぎでしょ案件
- 999 :赤ペン [sage saga]:2022/02/14(月) 21:15:10.17 ID:bscS6YOu0
- そういや袁紹にとっては劉備及び蜀の連中はどういう感じなんだろう
元々は自分の部下だった上に今は友人の公孫瓚のもとに言ってた韓浩を殺した奴らだしけじめはつけさせないと、くらいはあるんだろうか
- 1000 :赤ペン [sage saga]:2022/02/16(水) 10:45:42.40 ID:TeNtR/v60
- >>1000ならお酒と一夜の過ちでまさかまさかの二郎の第一子を孕んだのは夏侯淵になる
- 1001 :1001 :Over 1000 Thread
- ___, - 、
/_____)
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|_| ┃ ┃ ||
(/ ⊂⊃ ヽ) /  ̄ ̄ ̄ \
\僕はSS!/ \_/ ! ( ( (ヽ ヽ
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ゝ/  ̄ ̄ ̄ \ /. \/ ̄\/ .\ | ・ |─ |__ /
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