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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 961 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/13(木) 22:26:00.79 ID:SZ/0yYA80
- 「ゆうべはお楽しみでしたね」
「うっさいわ」
ぽこり、と風のどたまに鉄槌を振り下ろす。
「おお、痛い痛い。
風は主の暴虐に全身全霊で抗議する所存なのですよー」
わーわーと騒ぎ立てる――楽しそうに――風である。
色々と言いたいことはあるのだが、何を言おうかなあと思っていたら稟ちゃんさんが引き取ってくれた。
「風、いい加減にしなさい。ふざけている場合ではないでしょうに」
「おお、怖い怖い。まあ、それでは現状を整理しましょかね。
蜀と名乗る不逞の輩。コナをかけた勢力は多々ありますが脅威になりそうなのはそこまで多くありません。
これは二郎さんが反董卓連合の後、諸侯軍の補給の梯子を外したおかげですね。
まあ、それでも無視できない勢力はまだこの中華に残っております」
まあ、そうよね。黄巾の乱で認められた諸侯の私兵。それをゴリゴリと削る作業の途中ではあったのだよ。参勤交代とかやったろうかとか思っていたくらいに。
「脅威となりそうな勢力。蜀と連動しそうな順に行きましょう。
韓遂、劉焉含む益州、曹家、黒山賊、孫家。あとは……有象無象の諸侯ですかね」
「西方はガタガタだな……。東方の諸侯にも睨みをきかさんといかんし、手駒が足りんな」
やはりここは当初の予定通り……。
「ここは孫家を使おう。流石に手が回らん」
ちろ、とメガネを光らせて稟ちゃんさんが問うてくる。
「よろしいのですか?袁家単体で蜀を撃滅するという当初の方針を放棄することになりますが」
「構わん。お題目に拘っている場合じゃない。なに、俺の面子が潰れるくらいどうということもない。使えるモノは全部使う。全部、な」
出し惜しみなんてしている場合じゃあないのだ。彼奴らには、思い知らせてやる。誰に喧嘩を売ったのかをな。
「手始めに、一番物騒な奴から手を付けよう。韓遂を召還しろ」
「大人しく来ない場合はどうしますか?」
稟ちゃんさんの問いに俺は清々しく応える。
「長安失陥くらいは覚悟しとくか」
韓遂が本気で来たらそんくらいは覚悟せんといかん。長安を空にして焦土戦術とか色々と考えたりするが、現実的じゃないしなあ。まずは蜀を討つことに集中せんと……。
「そんな二郎さんにお客さんが来てますよ?」
どこからともなく現れた七乃がそんなことを言う。
「追い返せ、今は来客の相手をしている場合じゃない」
「あららー、名前くらいは聞いた方がいいんじゃないですか?」
まあ、七乃も今がどういう状態かって分かってるもんな。取り次ぎに来たってことはそれなりの存在か。
……華琳じゃありませんように。
「韓遂さんが涼州よりおいでですー」
なん……、だと……。
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