クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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54:名無しNIPPER[saga]
2023/11/15(水) 00:12:54.44 ID:zxU3s34mO
「カヤ! さっきの写真、なんのつも、り?」
「おかえり有栖川!」
「おかえりなさいませ、お嬢様」
即座に帰宅すると田中とカヤが出迎えてくれてふたりはケーキを手に持っていた。上に乗ったチョコレートに"お誕生日おめでとう"と書いてある。そこでふと思い当たる。そういえば、そろそろ自分の誕生日だったことを。
55:名無しNIPPER[saga]
2023/11/15(水) 00:14:26.03 ID:zxU3s34mO
「カヤ。ケーキを食べる前に話がある」
「はい。何なりとお申し付けください」
「田中と過ごす時間が足りない」
「お勉強のあとに、田中様と一緒にお食事をして、歓談するだけでは物足りませんか?」
「ふたりきりの時間がたっぷり欲しい」
56:名無しNIPPER[sage]
2023/11/15(水) 11:59:40.40 ID:N99IpenDo
にやにや
おつおつ
57:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:14:03.56 ID:uxBB7sXNO
「有栖川さんってほんとスタイルいいよね」
「直視できない……女に生まれてよかった」
はいどうも。今回は現在、不人気キャラ投票ダントツ1位を独走中の佐竹でお送りします。
有栖川家の使用人に完全敗北を喫した私のエピソードなんて誰も興味がないと自覚していますので、女子更衣室からレポートします。
58:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:17:56.96 ID:uxBB7sXNO
「なあ、あの子誰? もしかして転校生?」
「でもあの席、佐竹の席だよな……?」
「まさか佐竹、転校したのか? そんな!」
転校していません。今ここに座っているのは正真正銘の佐竹です。朝起きて、ふと髪を切りたくなったので、キッチンバサミでジョキジョキ切りました。毎日手入れを欠かさなかったとぅるとぅるの髪をゴミ箱に放り込み、昨日のかわいい私とは、おさらばしました。
59:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:19:40.84 ID:uxBB7sXNO
「山田、腕……痛いよ。もう離して」
ずっと二の腕を掴まれていて、さすがに鬱血しそうだったので、そう訴えると、山田は立ち止まってキッ!とこちらを睨んで吠えた。
「佐竹が危なっかしいから掴んでんだよ!」
60:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:22:28.76 ID:uxBB7sXNO
「は? あんた誰?」
「あの人は有栖川さんの家の人だよ」
山田の誰何に私が答えた。あの人のせいでこうなったとは言わない。ただ私は、あの人と話してみたい。話さなくてはならなかった。
61:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:24:33.78 ID:uxBB7sXNO
「もういい。降ろせよ。歩いていくから」
「お前が山田ってガキだな? お嬢から話は聞いてるぜ。随分親しくなったみたいじゃん」
「だったらなんだよ。あんたには関係ない」
「今度うちに遊びにこいよ。歓迎するぜ」
62:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:27:12.63 ID:uxBB7sXNO
「おー似合う似合う。双子姉妹みたいだな」
「……まだ居たのかよあんた。仕事しろよ」
「せっかく学校サボったんだから楽しまないと損だ。バッセンいこーぜ。ボウリングも」
待っていてくれたカヤさんに連れられて、バッティングセンターとボウリング場を梯子した。久しぶりに運動したからヘトヘトだ。帰りの車内で山田が寝てしまうのも仕方ない。
63:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:29:17.49 ID:uxBB7sXNO
「それはあれか? たとえば学級会で意見が割れた時に取りまとめるような奴ってこと?」
「まあ、簡単に言えばそんな感じです」
「ふーん。つまんない役目だねぇ」
つまらない役目かもしれないけど私はそれにやりがいを感じていた。誰にも感謝されなくたって良かった。自己愛が満たされるから。
64:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:34:43.10 ID:uxBB7sXNO
「佐竹の嬢ちゃんがだいぶ拗らせてるのはよくわかった。だからこそ適任かもしれない」
「適任ってなんのことですか?」
訊ねると、カヤさんは使用人の顔に戻って。
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