クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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58:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:17:56.96 ID:uxBB7sXNO
「なあ、あの子誰? もしかして転校生?」
「でもあの席、佐竹の席だよな……?」
「まさか佐竹、転校したのか? そんな!」
転校していません。今ここに座っているのは正真正銘の佐竹です。朝起きて、ふと髪を切りたくなったので、キッチンバサミでジョキジョキ切りました。毎日手入れを欠かさなかったとぅるとぅるの髪をゴミ箱に放り込み、昨日のかわいい私とは、おさらばしました。
「え? もしかして、あれ佐竹のすっぴん?」
「嘘、だろ……さすがに変わりすぎだろ……」
せっかくさっぱりしたのに周囲の雑音がうるさいので、ノイキャンのイヤホンを装着してお気に入りの歌い手の曲を流していると、誰かがそのイヤホンを耳から抜き取りました。
「佐竹」
「山田、おはよ」
「なに、その髪と格好」
「もうかわいいのやめたの」
コンタクトやめて部屋用のデカ眼鏡着けて、スカートの下にジャージを穿いて、髪切ったら寒かったから昔おばあちゃんが編んでくれたマフラーを巻いた私は完璧なモブ1号です。
「ちょっと来い」
山田は席に鞄も置かずに、私の鞄をひったくり、二の腕をつかんで連行します。私はされるがまま、教室から連れ出されました。そもそも拒否権なんて、モブ1号にはありません
「山田、どこ行くの?」
「美容室」
「授業は?」
「サボる」
学年主席で優等生の私には初めての経験だ。
そもそも優等生になったのも、めちゃモテ委員長の影響だったなあ。くだらない憧れだ。
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