クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
↓ 1- 覧 板 20
64:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:34:43.10 ID:uxBB7sXNO
「佐竹の嬢ちゃんがだいぶ拗らせてるのはよくわかった。だからこそ適任かもしれない」
「適任ってなんのことですか?」
訊ねると、カヤさんは使用人の顔に戻って。
「こほん。佐竹様には、田中様の家庭教師のお目付け役を、是非とも依頼したいのです」
お目付け役。たしかに私は学年主席だけど。
「でも私は田中のことが大嫌いだから……」
「しかし佐竹様はもう可愛いのをやめたと伺いました。ならば断る理由はない筈ですが」
かわいいのをやめた今なら嫌う理由もない。
「そのお役目……謹んでお受けいたします」
「おい、いいのか佐竹? そもそも家庭教師のお目付け役って、どういう意味なんだよ?」
「私がカヤさんを、見張るってことだよ」
「はい。佐竹様の仰る通りでございます」
私も驚いたけど、間違いない。カヤさんは。
「あたしが粗相しないように見張ってくれ」
きっと田中に魅了されている。惚れている。
どうしてそうなった。いや、ざまあみろか。
だから私は警告したのに。田中の危険性を。
とにかくこの役目は、私にしか務まらない。
ジョブチェンジをして、非常勤講師になる。
【結局、私たちは使用人の名前を知らない】
FIN
81Res/85.19 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20