28:名無しNIPPER[sage saga]
2023/09/07(木) 21:51:14.12 ID:I2AyKHWk0
ふたりで使うには大きい和室の真ん中に、布団が並べて敷かれている。
櫻子はその片方にぽすんと倒れ込み、向日葵は部屋の明かりを落とした。
「ほんとに今日はずっと勉強してましたわね。お疲れ様」
「……あんま集中できなかったよ」
29:名無しNIPPER[sage saga]
2023/09/07(木) 21:51:50.64 ID:I2AyKHWk0
向日葵はマッサージの体勢からそのまま櫻子の上にもふんと覆いかぶさり、浴衣の上からもぞりと手を忍ばせて、まるまると抱き込むように櫻子を包んだ。
予想外の言葉と突然の深い抱擁に包まれ、櫻子はあわあわと動揺する。
向日葵はそんな様子を気にも留めず、櫻子の耳元で淡々と続けた。
「今日一日、あなたのことを見てて……気が変わっちゃったんですわ」
30:名無しNIPPER[sage saga]
2023/09/07(木) 21:52:42.96 ID:I2AyKHWk0
しばらくして、さすがに暑すぎるといってギブアップした櫻子は、向日葵の下から這い出て、もう一度温泉で汗を流したくなるくらい火照ってしまった身体をぱたぱたと冷ました。
向日葵はその様子を微笑ましく見ながら布団の上に座り直し、櫻子に向き直った。
「改めて、言わせてください。あなたのお手伝いがしたいって」
「向日葵……」
31:名無しNIPPER[sage saga]
2023/09/07(木) 21:53:18.87 ID:I2AyKHWk0
「今日一日、ずっとそばにいて……やっぱり、わかったことがあります」
「……」
「私……あなたのこと、好きなんですわ」
「っ!」
32:名無しNIPPER[sage saga]
2023/09/07(木) 21:54:02.65 ID:I2AyKHWk0
翌日。
櫻子と向日葵は早々にチェックアウトを済ませ、電車を乗り継いで一緒に帰宅した。
櫻子は大室家へ、向日葵は古谷家へ。しかし向日葵は勉強道具を用意すると、すぐに大室家のリビングへ向かう。
昔みたいな光景が、また大室家に戻ってくる。
33:名無しNIPPER
2023/09/08(金) 03:47:47.33 ID:+C83K3zX0
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