33: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/22(金) 23:20:35.21 ID:2pXhSfOs0
《こちらGraf Zeppelin、敵艦隊第二波に損害発生し進軍大きく遅滞。だがリーザ近郊より今度は【Mist】を相当量確認したぞ、恐らく報復の艦爆隊と思われる!》
('A`)「問題ない。カーメンツ基地航空隊は空域に突入、発艦開始した敵艦爆隊を叩け!」
〈〈〈ヤヴォール!!〉〉〉
34: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/22(金) 23:23:29.88 ID:2pXhSfOs0
軽く田舎町の防衛部隊を捻り潰してこちらの防衛線を粉砕する筈が、いつの間にやら追い詰められ寧ろ率いていた大艦隊が包囲殲滅の危機。
タ級がその事実に益々動揺を深くしている様子は、続く敵艦隊の動きから如実に察せられた。
『『『グォオオオオオオンッ!!!』』』
35: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/22(金) 23:27:30.69 ID:2pXhSfOs0
〈ロス、ロス、ロス!!〉
〈オレノ“ラッパ”ヲゾンブンニキケェーー!!〉
〈ヨシ、チョクゲキダ!!〉
36: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/22(金) 23:30:45.40 ID:2pXhSfOs0
実際その判断は、先の“最悪手”とは比較にならないほど的確だ。ヒト型は少数とはいえ保有火力、砲爆撃に対する耐久力は何れも非ヒト型と比べ物にならない、2〜3個艦隊分が束になれば歩兵200余名に駆逐艦娘4人なんて欠片も残さず吹き飛ばされる。
鼻先の“楔”さえ砕くことができれば、あとはツンやビスマルクたちの部隊と真っ向から殴り合って強行突破するもよし、牽制で足止めしつつ第一群と第二群を合流反転させて第三群の救助並びにリーザの制圧に取り掛かるもよし、こちらを潰す手段は選り取り見取りだ。
非ヒト型による「壁」を自ら排除し戦車隊と艦隊の砲撃に身を晒すリスクに、十分に見合ったリターンを得られる。タ級自身の采配かより“上位”の存在による指示かは知らないが、失策を十分に取り返す「英断」と言える。
37: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/22(金) 23:35:11.98 ID:2pXhSfOs0
銃剣を振り被った先には、重巡リ級の姿がある。驚愕で見開かれた眼が赤く輝いているのを見るに、Elite種であることが伺えた。
ただ、リスボンやベルリンの“アイツ”とは別の個体だ。仮にそうであるなら同じ状況でも寧ろ爛と笑みを浮かべて反撃の拳を振るってきただろうし、そもそもこんな状況に陥る前に………いや、これについては何ならわざとこうなるまで放置した上で逆境をたっぷりと堪能していたとしてもおかしくないな。
いずれにせよ、“アイツ”がこの場にいなくてよかった。そんな場違いな感想を妙に冷静に懐きつつ、俺はリ級の喉笛に深々と銃剣を突き立てる。
38:名無しNIPPER[sage saga]
2022/07/25(月) 08:09:03.26 ID:t/AaaH7H0
投下おつです
対人型白兵戦ってまだ通用してるんですかw
39: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/28(木) 00:49:29.71 ID:4OpJDR7g0
『カァッ………!?』
「Gegner Dawn!!」
『ウグッ、イギャアアアアアッ!!!?』
40: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/28(木) 00:52:42.59 ID:4OpJDR7g0
チ級の照準が定まり切るより早く、俺もジョルジュも動いている。
といっても、回避は狙っていない。仮に初撃を避けられたとして、たかが人間の脚力がこの至近距離でそのまま機銃掃射から逃げ切ることははっきり不可能だ。
故に俺達が選んだ手段は、防御。
41: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/28(木) 00:57:30.00 ID:4OpJDR7g0
『ウァアッ………!!?』
こんな有様の下半身でも感覚があるのか、気配を察したのかは解らない。何れにせよ最後の足掻きで振り回された機銃からの射撃は、意外な正確さでちょうど“車体”に乗り上げたばかりの俺の頭目掛けて伸びてきた。
('A`;)「ぬぉおおおおっ!!?」
42: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/28(木) 01:27:41.52 ID:4OpJDR7g0
艦隊決戦の要として出張ってきたのだから、タ級Eliteの艤装は当然フル装備だ。友軍相撃の危険を考えればフルバーストは無理にしても、副砲の1、2門で薙ぎ払えば俺が15人いたとしても跡形もなく吹き飛ばせただろう。
だが、奴の艤装の形状が災いした。腰から下を囲うように装着され、重量が極端に下半身に寄ったアンバランスな構造。それに精神的動揺、急激な方向転換、足元の悪さも合わされば、自然“次に起こること”は限定される。
『ウォアッ!!?』
43:名無しNIPPER[sage saga]
2022/07/28(木) 09:22:45.80 ID:0JzxcGwH0
更新おつです
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