40: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/28(木) 00:52:42.59 ID:4OpJDR7g0
チ級の照準が定まり切るより早く、俺もジョルジュも動いている。
といっても、回避は狙っていない。仮に初撃を避けられたとして、たかが人間の脚力がこの至近距離でそのまま機銃掃射から逃げ切ることははっきり不可能だ。
故に俺達が選んだ手段は、防御。
『ズェアッ!!!』
('A`;)「…………ッッ!!!」
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(;゚∀゚)「ぐぅおっ………凝りが解れるな畜生!!」
今しがたぶち殺したル級、その手から離れ地面に転がった艤装に飛びつき、構える。重量について一抹の不安はあったが、男二人がかりならなんとか片方を持ち上げ支えることはできた。
大きさ的には人一人分を多い隠せる程度の盾に成人した男二人が密着し縋り付いているせいで大層ひどい絵面になっているだろうが、死ぬよりは安い。
《大尉、ジョルジュ大尉、無事なの!?…Admiralも!》
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(;゚∀゚)「生きてるから安心しろレーベ、無愛想な仮面女からマッサージされてるだけだからな!!」
俺への安否確認が“何故か”一拍遅れたLeberechtからの無線にセンスのないジョークを返しつつ、ジョルジュは俺の方を見て腰元と盾越しのチ級を交互に指さしてみせる。
クソッタレな手段だが的確でもあった為、俺は頷き、そして親指を勢いよく下に向けた。
(#'A`)「支給品のチョコ2枚だ!」
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(#゚∀゚)「5枚全部に缶詰もつけてやらぁ!!」
『グギッ………!?』
クソ眉毛野郎が叫び、自身のベルトから予備の閃光手榴弾を取り外して盾の向こうへ放り投げる。連続した炸裂音とチ級の呻き声の後に、機銃掃射がピタリと止む。
瞬間俺は盾から手を放し、チ級に向かって駆け出す。
『…………ッ、ギィッ!』
さっきの今で二度目の目くらまし。今度はチ級の方も、ある程度の“心構え”をしていたようだ。
形状ゆえに回避こそできなかったものの咄嗟に目を逸らすなど何かしらの方法でダメージを軽減したらしく、既に動作可能なレベルまでは立ち直っており盲撃ちの態勢ながら気配で俺の方に銃口を向けようとした。
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(#゚∀゚)「鬼さんこちらってな!!」
『!? ァアッ!!?』
その動きを、同様に盾の裏から躍り出たジョルジュの射撃が妨げる。ダメージが多少軽減されていたとしても視覚・聴覚ともに盤石から程遠い中で、機銃を構えた先とは反対方向で弾ける銃火。つられて照準がブレるのは無理もない。
増えた“隙”を逃さず、加速する。盾を構えていた分の出遅れを一気に詰め、チ級の車体部分を駆け上がる。
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