60:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:43:09.89 ID:XVB8s0iW0
こうして「人間界」は、
天魔とはまた異なる独自繁栄の道を歩みはじめた。
しかしこの繁栄は試練の幕開けでもあった。
ロキの隠遁後しばらくして、
ついに外界からの干渉が始まったからである。
61:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:43:59.66 ID:XVB8s0iW0
10 「魔神」たちと天界の内戦危機
天界には「ジュベレウス派」、
あるいは「主神派」と呼ばれる集団がいた。
62:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:44:37.21 ID:XVB8s0iW0
こうした主神派による「臨時政権」が発足され、
さっそくジュベレウス敗北後の天界建て直しが始められた。
幸い、余裕はそれなりにあった。
ジュベレウスとの決闘による侵犯者の消耗、
63:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:45:03.79 ID:XVB8s0iW0
この『天界』とはもともと、
主神派以外は原初世界群の生き残りであり、
それゆえ種も性質もさまざまであった。
またその目的も、光や善性、良識や大義だけではなく、
64:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:45:30.25 ID:XVB8s0iW0
この『魔神派』は、雑多な集まりであった天界内でも
図抜けて特異であった。
派閥の構成員は数十程度とごく少数ながら、
その全員が元は全能神格だったのである。
65:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:45:57.19 ID:XVB8s0iW0
くわえてその魔族に似た出生のみならず、
彼らの人格や振る舞いも第二の魔族という悪評を増大させた。
おおよそ全能神に相応しくない軽薄かつ不遜な者が多く、
ジュベレウスに対しても非礼を憚ることがなかったからである。
66:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:46:23.56 ID:XVB8s0iW0
また、破壊や戦いを遊興とみなす彼らの趣向も
天界内では際立っていた。
魔族のように壮絶な戦いを楽しむ闘争性、
他者を殺めることに快感を抱く残忍性もあり、
67:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:46:50.73 ID:XVB8s0iW0
さらに魔神たちが忌み嫌われた理由として、
敵であるはずの魔界とも交流を行っていた点も挙げられる。
私的な使いを魔界へ送りこみ、
有力な悪魔と接触させての情報交換は日常茶飯事。
68:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:47:20.01 ID:XVB8s0iW0
しかしそんな彼らでも、
天界内で爪弾きにされるようなことはなかった。
その悪評を捻じ伏せるだけの実力と活躍があったからである。
原初世界群が崩壊した際、他世界の全能神たちと同様、
69:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:47:49.00 ID:XVB8s0iW0
もっとも、侵犯者が数百柱いた頃は彼らのOMNEの力も未発達であり、
戦果もそれゆえのものあった。
侵犯者が「最強の四柱」にまで減った時代には、
そのOMNEの力も洗練され完成しており、魔神たちにすら破壊困難となっていた。
70:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:48:16.24 ID:XVB8s0iW0
ただし、そんな彼らでも戦争末期には意欲を失っていた。
魔神たちは常に侵犯者のOMNEを破壊するべく脆弱性を探っていたが、
「最強の四柱」のOMNEは情報的にあまりに堅牢かつ難解であったため、
末期には思うように解析が進まず苛立ちが増していった。
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