61:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:43:59.66 ID:XVB8s0iW0
10 「魔神」たちと天界の内戦危機
天界には「ジュベレウス派」、
あるいは「主神派」と呼ばれる集団がいた。
かのジュベレウスによって創りだされた者たちであり、
四元徳と呼ばれる存在を頂点として組織化された集団である。
彼らはジュベレウス直属として武功を重ね、
また天界の官僚的実務も担い、
雑多な神々の寄せ集めであったこの領域を安定させていた。
そしてジュベレウスが敗北し眠りについたのち、
天界の実権を握った者たちこそこの主神派であった。
その頂点たる四元徳は、
ジュベレウス代理として事実上の天界最高指導部となった。
この権力継承には他派閥の神々から反発があったものの、
主神派はそれらの大半を無視して独断できる力があった。
彼らはジュベレウスと霊的回路で直接繋がっている関係で、
「ジュベレウスの加護」の代理行使権を有していたからである。
簡潔に言えば、ジュベレウスの力を
部分的に引きだして扱うことができた。
原初世界群から集結した古き神々と比べれば、
主神派勢は武力において大きく劣っていた。
しかしジュベレウスの力を利用することで
神々に対抗できるほど武力を高められ、
さらには何度でも復活でき、またいくらでも自身の分身を創りだすこともできた。
つまり力の源泉たるジュベレウスが存在するかぎり、
通常戦闘で主神派を滅ぼすのは不可能だった。
そしてジュベレウスは活動停止しているとはいえ、死んではいない。
彼女が眠ったあとも主神派のこれら権限は効力を持ちつづけた。
主神派それ自体は天界最強ではないものの、ジュベレウスの力を背景として最高権力を
保持することが可能だったのである。
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