141: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 02:14:34.63 ID:/n5N8f0V0
顔を水面から上げるとプールサイドから歓声が聞こえてくる。その直後、隣の宮野さんもゴールする。
「ふぅっ……はぁ。はぁ〜、速いねー、春宮さん」
「実はちょっとだけ運動得意なんだ」
142: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 02:15:00.33 ID:/n5N8f0V0
もともと水泳をやっていたのか、大会に出たことはあるのか、陸上競技などは得意なのか、様々なことを質問攻めされても、嫌な気分はしなかった。
と、競争が終わった女子グループが一息ついて盛り上がる一方で男子グループの競争が始まる。
男子グループは三グループに分けて予選を行い、上位五人で改めて決勝を行うようだった。
わたしは女子グループの会話に耳を傾け、応対しながらも男子グループの泳ぎを観察する。
優勝候補は四人。
143: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 02:15:39.02 ID:/n5N8f0V0
◇◇◇
「一位は荒垣、二十四秒六九。二位は松本、二十五秒八三。三位は一色、二十六秒五三だ。春宮と荒垣は後でボーナスポイントを配布する」
144: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 02:16:20.90 ID:/n5N8f0V0
前を歩く荒垣くんの大きな背中を見てしばらく歩き、あとは右に行けば男子更衣室、左に行けば女子更衣室という分岐点前で荒垣くんが歩みを止める。
「本気でやったか?」
「もちろんだよ」
145:名無しNIPPER[sage]
2021/09/12(日) 03:18:28.17 ID:yj59OMDxO
2
146: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 21:21:14.39 ID:w7jRohRZO
【再開します。】
147: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 21:21:48.83 ID:w7jRohRZO
【>>145
2.「たぶん、わたしが勝つと思う」】
自惚れるな。
そういった反応をされることを承知の上、わたしは実直に答えた。
148: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 21:22:16.34 ID:w7jRohRZO
荒垣くんは少しの間を置いてから話し出す。
「驚いた。そこまで分かっていたのか?」
「荒垣くんも気が付いていたんだね」
149: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 21:22:47.71 ID:w7jRohRZO
◇◇◇
先生のもとに学生証端末を持っていくと、わたしは一年Dクラスの競泳で一位になった特別ボーナスとして五千ポイントを頂戴した。
入学早々に十万ポイントを支給されているだけあって、そのありがたみが若干薄れているのは嫌だなと思った。本来、高校生にとって五千円はかなりの大金のはずだからだ。
そしてちょうど受け取ったタイミングをもって、授業終了まで残り十分になった。プールで遊ぶ時間は残されておらず、遊び終わった生徒に混ざって更衣室へ戻る。
150: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 21:23:29.36 ID:w7jRohRZO
五十メートルを泳ぎ切った直後はもっと泳ぎたいと考えたのは事実だし、おそらく水泳部に入れば二百メートルや四百メートルといった種目もあるのだろう。
かなり揺らいでいる部分はある。
このまま無所属でも評価のペナルティのようなものは無いと認識している。ただ、部活動を通して学校への貢献といったところでは無所属である限り加点されることはないだろう。
ケヤキモールで買い物をするのは楽しい。
けれど、それが三年も続くとなると流石に飽きる。
151:名無しNIPPER[sage]
2021/09/12(日) 23:58:25.45 ID:l63TGBWdO
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