148: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 21:22:16.34 ID:w7jRohRZO
荒垣くんは少しの間を置いてから話し出す。
「驚いた。そこまで分かっていたのか?」
「荒垣くんも気が付いていたんだね」
「まぁな。望月、だったか。細身だが鍛え込んでいる。奴を警戒していたが、今回の競走では九位だった。何か実力を隠す理由があったんだろう」
「今後わかるんじゃないかな。嫌でも実力を発揮する機会は貰えそうだし。今回のように授業の一環としてスポーツで競走すること、勉強の点数で競争すること。そんな中できっと望月くんの実力が分かると思うよ」
荒垣くんは少し黙り込んだ後、
「そうだな。そうかもしれない。今は様子見といこう。まだ三日目だしな」
そう言って男子更衣室の方へと向かう。
わたしは振り返り、その後ろ姿を目で追う。
運動神経が抜群に良く、望月くんの実力も正確に見抜いた彼はきっと大きな戦力になるだろう。
ここで少し関係性を持てたのは、お互いにとって非常に有意義だったかもしれない。何かあれば、彼に相談することも視野に入れよう。
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