141: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 02:14:34.63 ID:/n5N8f0V0
顔を水面から上げるとプールサイドから歓声が聞こえてくる。その直後、隣の宮野さんもゴールする。
「ふぅっ……はぁ。はぁ〜、速いねー、春宮さん」
「実はちょっとだけ運動得意なんだ」
「ちょっとって、そんなもんじゃなくない? 全然疲れてそうなかんじもないし」
「そんなことないよ。久しぶりに泳いだからね」
「久しぶり、ねぇ。なんかショックかも」
そうは言いつつ笑みを浮かべてみせる。
わたしは先に上がり、宮野さんに手を差し出す。
「ありがと」
宮野さんをプールサイドに上げると、それから数秒して女子の後半グループ全員がゴールに到着する。
先生は前に出て結果を発表する。
「一位は春宮、二十五秒一四。二位は秋山、二十六秒と二三。三位は宮野、二十六秒四五。ということで一位は春宮だ。いずれも水泳部に欲しいくらいだ。もしよければ見学からでも来てくれると助かる」
結果発表が終わると、わたしは宮野さんと女子が固まるプールサイド脇へと移動する。
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