140: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/12(日) 02:14:08.26 ID:/n5N8f0V0
【>>139
2.ギリギリを見極めて1位】
わたしは一度深呼吸をする間に、決意する。
一位を取る。ほぼ全力を出して。
先ほどの秋山さんが二十六秒と二三。宮野さんもそれくらいだと仮定して、二十五秒前半辺りが確実か。
自分の本気は自分でも理解が及ばず未知数であるが、『それくらいなら』優にタイムを出せそうだ。
「それじゃあ行くぞ。いちについて、よーい」
電子ホイッスルの音が鳴った直後から、わたしは頭の中でタイムを計測しながら泳ぎに没頭する。
三十五メートルを超えたところで隣のレーンを視認すると、ほぼ同じくらいだった。わずかにわたしがリードしているか。でも、このままだと二十五秒前半は厳しいかもしれない。
悪いけど、先に行かせて貰うね。
水を掻き分け、ゴールへと一直線に泳ぐ。
あぁ、気持ちが良い。これからもっと─────。
そんなことを思い始めるとほぼ同時に、わたしは五十メートルを泳ぎきる。
608Res/522.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20