774: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:51:42.00 ID:2z6G7I5Go
一方通行『コイツはあの女を傷付けやがった、痛み付けやがった、殺そうとしやがったァ!! クソみてェな理由でなァ!!』
一方通行『俺は排除しなきゃならねェ! 守るためにコイツを殺さなきゃいけねェンだ! コイツの存在そのものがあの女の存在を脅かしてンだよ! 俺が壊してやらなきゃ守れねェンだよォッ!!』
775: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:52:13.40 ID:2z6G7I5Go
ふらふらとした足取りでも結標淡希は最短距離を進んでいく。黒い翼を持つ白い怪物へ向かって。
視界の端にいる金髪の少年が何かを言っているようだったが、今の彼女には何を言っているのかわからなかった。
それほど疲弊した少女は、歩きながらも考える。
776: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:52:56.78 ID:2z6G7I5Go
結標は決意した。
少女は自分の腕を一方通行の首へ回し、引き寄せるように身体を密着させる。
彼の全てを受け入れるように。彼の全てを迎え入れるように。
777: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:54:11.50 ID:2z6G7I5Go
一方通行「がァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」
778: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:55:08.49 ID:2z6G7I5Go
独房前の通路で横たわっている二人を見て、土御門は言う。
779: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:55:52.04 ID:2z6G7I5Go
少年院地下四階にあるエレベーター前の通路は荒れ果てていた。床や壁や天井といった通路にある全ての面はボロボロになっていた。
巨大な彫刻刀で削り取られたような傷が、鉄球を叩きつけたようなひび割れが、ドリルでこじ開けたような穴が。
それらのダメージが四方八方へ数多の数見られた。
780: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:56:39.73 ID:2z6G7I5Go
上条「…………」
781: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:57:35.10 ID:2z6G7I5Go
ピピピピッ、そう思った垣根の携帯端末が音を鳴る。
その番号は心理定規(メジャーハート)こと獄彩海美が使っている端末の番号だった。
垣根は首をかしげる。今はスクール内の端末で常に会議モードにしており、誰とでもいつでも会話できるようになっている。
782: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:58:46.69 ID:2z6G7I5Go
垣根「ふっざけんじゃねえぞあの女ァ!! どうせ死ぬならちゃんと全部セリフ言い切ってから死ねよコラッ!!」
783: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:59:39.82 ID:2z6G7I5Go
少年院地下三階。地下四階へと繋がる階段の前の広場。獄彩海美は壁にもたれ掛かるように床へ座り込んでいた。
彼女着ている綺麗なピンク色のドレスは、見る影もなくボロボロにされていた。
肩紐が片方切れており、首に付けていたアクセサリーの装飾品の一部が、千切れたのか穴あき状態になっている。
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