777: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:54:11.50 ID:2z6G7I5Go
一方通行「がァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」
怪物が咆哮する。それに呼応するように黒い翼が爆発的に噴射される。
バキバキィ、と抱き寄せている腕から嫌な音が鳴るのが聞こえた。
だが、結標はやめない。
結標「だってそうでしょ?」
顔を耳元から離し、一方通行の顔を正面から見据えて、
結標「面倒臭いわよね? そんなくだらないことをするのって」
結標淡希は微笑んだ。
パキンッ、音が鳴った。
一方通行の背中にあった一対の翼がなくなっていた。あたかもそこには元から何もなかったかのように。
全てを破壊し尽くすチカラは消え、そこには少年の華奢な背中だけが残っていた。
一方通行「……あ、わ……、き……」
一方通行の眼球に広がっていた赤色が消えていき、いつもの赤と白の目へと戻る。
破壊衝動に囚われていた険しい表情は、戒めから解き放たれたような優しく、穏やかなものへと変わった。
全ての力を使い果たしたのか、一方通行はゆっくりと目を閉じて、全身から力を抜いた。
そのまま身を任せるように、彼女の腕の中へと寄りかかっていった。
結標はグチャグチャになった腕を無理やり動かして、眠りについた少年の白髪をそっと撫でる。
結標「おやすみなさい、一方通行」
同時に、結標も力尽きて意識が消失する。
支える力がなくなった二人の身体は、床へと一緒に崩れ落ちていった。
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