4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2021/04/05(月) 00:24:49.00 ID:6ld/3/YM0
○
カトレアとは、夏葉の家族である犬を指す。
日々のブラッシングや定期的なシャンプーを物語る、金色の毛がふさふさとしたゴールデンレトリバーで、盲導犬などになる犬種だけあって、夏葉のカトレアも例外でなく賢い。
5: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2021/04/05(月) 00:27:31.17 ID:6ld/3/YM0
「リード、任せてもいいかしら」
「やっぱりここまで来るの大変だったんだろ」
先ほどは強がっていたが、ピンヒールで大型犬の散歩はやはりというかなんというか厳しいものがあるのだろう。
6: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2021/04/05(月) 00:29:28.86 ID:6ld/3/YM0
その後、切り出すべき話題があまり思い当たらなかったために、俺は「どこに停めたの」と彼女の車の所在を訊ねてみた。
「駅前の交差点のところよ」
「あそこ、高いだろ」
7: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2021/04/05(月) 00:31:15.68 ID:6ld/3/YM0
「ふふ、カトレアもそう思ってくれているのね」
今度もカトレアが「わふ」と肯定を示し、ご主人様である夏葉の隣へ寄って行く。
続いて、流れるような動きで夏葉の足元でびしりとおすわりの姿勢で静止した。
8: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2021/04/05(月) 00:32:23.98 ID:6ld/3/YM0
ご主人様に褒められたからか、カトレアはぶんぶん尻尾を振って「ばう」と嬉し気な声を上げる。
そんなカトレアの頭をぐりぐり撫でたあとで、夏葉は足を車外へ投げ出す形で助手席に腰掛けて俺を見る。
「見納めだけれど」
9: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2021/04/05(月) 00:33:12.65 ID:6ld/3/YM0
「ピンヒール・レトリーバー」
俺がぼそりと呟いたその一言がつぼに入ったらしく、夏葉は笑い転げている。
10: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2021/04/05(月) 00:33:46.07 ID:6ld/3/YM0
おわり
11:名無しNIPPER[sage]
2021/04/05(月) 13:54:05.13 ID:e1ArnEt3o
乙やで
12:名無しNIPPER[sage]
2021/04/13(火) 11:47:41.88 ID:0bF6E/ZS0
はい
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