7: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2021/04/05(月) 00:31:15.68 ID:6ld/3/YM0
「ふふ、カトレアもそう思ってくれているのね」
今度もカトレアが「わふ」と肯定を示し、ご主人様である夏葉の隣へ寄って行く。
続いて、流れるような動きで夏葉の足元でびしりとおすわりの姿勢で静止した。
そのカトレアの視線の先には、見慣れた夏葉の車がある。
「いつも思うけど、どの車かわかるのすごいよな」
「でしょう? カトレアは賢いのよ!」
言って、夏葉がハンドバッグからキーケースを取り出してドアロックを解除する。
彼女が助手席のドアを開けるのと同時にカトレアがぴょん、と前足だけ車内へと身を乗り入れ、座席の下から何かを引っ張り出した。
「ふふ、気が利くわね」
カトレアがくわえていたのは、一足のランニングシューズだった。
これがあればご主人様は自分と歩くのに苦労しない、とでも考えての行動だろうか。
「流石はレトリーバー」
「元来、そういう意味だったのよね」
「レトリーブ、で“取ってくる”だったか」
「ええ。その名に恥じない働きよ。カトレア!」
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