33: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:02:12.44 ID:ZnT9OyOd0
P「業務の内容としてはITに含まれますか。独自のものを売り出しています。いずれは年収も倍増していけたら、と思っています。社名のニューウエーブも、新しい並み起こしていきたいという意気込みから命名しました」
ニュース番組のいちコーナーであろうそのインタビューは、業務の内容や、その斬新さや業界でも評価されていると続き、最後はPちゃんが大写りになったが――
P「最後に、見ている? つち……」
34: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:03:10.48 ID:ZnT9OyOd0
泉「……ぷ」
さくら「あはははは」
泉「ご、ごめん亜子。そ、そんなつもりじゃないけど、ふふふ……あはははは」
35: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:03:53.40 ID:ZnT9OyOd0
それはホンマにカンニン。
しかし心底おかしそうな親友2人とは別に、アタシはちょっとだけ冷静になった。
2人が帰った後、アタシは鏡で自分の顔を見た。
亜子「そんな……エエかなあ? ま、そら自分のことブサイクやとは思わへんけど」
36: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:05:06.62 ID:ZnT9OyOd0
事ここに至って、アタシは自分のしてしまった事に責任を感じていた。
悪気はなかったとはいえ、1人の男の子をその気にさせてしまい、大変な苦労をさせてしまったのだ。
そしてなにより大事なことは、Pちゃんが本当に経済力を持ったことだった。
これでアタシがPちゃんとその……まあ、仮につき合うとすると、アタシはPちゃんのお金につられた事になるんやなかろうか。無論、お金は大事だから経済力のある男性に惹かれるのは当然かも知れないが、なんとなくこの場合はすっきりとしない。
37: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:05:56.54 ID:ZnT9OyOd0
デリカシーのないPちゃんのことやから、と覚悟していたら、やっぱりPちゃんは登校するアタシらを待ちかまえていた。
さくらが嬉しそうにいずみの肘をポンポンと叩くと、いずみも『わかってる』とばかりにさくらの靴を足でつついていた。
P「見てくれたかはわからないけど」
38: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:06:59.59 ID:ZnT9OyOd0
亜子「いずみとさくらを、アイドルとしてアタシが売り出す。そんで……」
P「え!?」
アタシはこの時、初めて驚くPちゃんを見た……気がする。
39: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:07:40.85 ID:ZnT9OyOd0
P「土屋さんもアイドルにならなきゃダメだ! 土屋さんみたいな魅力的な女の子がアイドルにならないなんてダメだ!! そうだアイドル……土屋さんこそアイドルになるべき人だったんだ!!!」
亜子「はあ?」
P「もちろん大石さんも村松さんもいいけど、土屋さんもいなくちゃダメだ! 君も一緒にアイドルになるんだ!! 君がアイドルにならないなんて、人類にとって大きな損失だよ!!!」
40: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:08:28.27 ID:ZnT9OyOd0
その日その後、アタシは呆然として何があったのかハッキリ覚えていない。
今までアタシがどんな無理を言っても唯々諾々と「なるほど」や「わかった」と言っていたPちゃんが、初めてアタシに「ダメだ!」と言った。
その事がショックだったのか、それともアタシこそアイドルになるべきだと力説された事に驚いたのか、それともあのPちゃんがアタシらをトップアイドルにすると宣言した事に驚いたのか。
ともかくアタシは丸一日なにも考えられへんかった。
41: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:10:12.04 ID:ZnT9OyOd0
P「まず東京の事務所に売り込みをかける」
泉「私たちだけで活動するんじゃないんだ、プロデューサー」
P「プロデューサー付きの新人アイドルとして、売り込んでみる。やはり大手事務所に所属するメリットは無視できない」
42: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:11:10.91 ID:ZnT9OyOd0
いずみもさくらも、Pちゃんに対して『プロデューサー』と呼びかけるようになっていた。
昨日の今日でのこの変化に、アタシは少しびっくりした。
P「土屋さんは? なにか質問はある?」
43: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:12:10.34 ID:ZnT9OyOd0
泉「昨日、嬉しかったんだよ。彼が亜子に強く言ってくれて」
亜子「なにを……? て、もしかしてアタシもアイドルをせなアカン言うたこと?」
さくら「わたしも、絶対に3人でアイドルをやる方がいいと思ってたんだぁ。でも確かにプロデューサーは必要だと思うし、亜子ちゃんがやるって言うから……」
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