3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:39:40.34 ID:uyzFntxd0
豊橋は、クラスでは“触れてはいけない人”のような立ち位置を確立していた。
触れてはいけない、と言っても、彼女は嫌われているわけではない。むしろその逆だろう。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:40:42.46 ID:uyzFntxd0
なにせ俺はデブなのだ。
いや、デブは言い過ぎたかもしれない。とにかく、俺は小太りかデブかで百人に問えば大体フィフティーフィフティーに意見が分かれるような体型をしているのだ。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:41:30.47 ID:uyzFntxd0
豊橋の反応はいつも薄かった。
「そう」「うん」「ふぅん」「そう」「へぇ」「ええ」「そう」……何を話しても大体こんな感じだった。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:42:27.82 ID:uyzFntxd0
その日の俺は珍しく読書なんかを嗜んでいた。
秋と言えば一に食欲二に睡眠、三四が無くて五に食欲。つまり何でも美味しく頂ける魔法の季節だ。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:43:12.53 ID:uyzFntxd0
その翌日、学校に登校すると、俺は早速豊橋に声をかけた。
「なぁ、サンタクロースっていつまで信じてた?」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:44:16.20 ID:uyzFntxd0
それはそれとして。
「失礼な、俺はこう見えて文化的な側面もあるんだぞ」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:44:59.09 ID:uyzFntxd0
「じゃあ、教えてよ。理由」
「ああいいとも。いいか、お前、豊橋。サンタクロースの姿を頭に思い浮かべてみろよ」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:45:44.14 ID:uyzFntxd0
わかってもらえたかな? と聞くと、しばらく無言。それから、
「……サンタに憧れるより、痩せた方が早くない?」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:47:04.92 ID:uyzFntxd0
◇
12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:47:36.06 ID:uyzFntxd0
豊橋とより言葉を交わすようになってから、段々と彼女のこともわかっていった。
例えば、好きな食べ物はクレープ。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:48:25.02 ID:uyzFntxd0
そうして時間は過ぎていく。
気付けば十二月になっていて、朝晩の冷え込みもどんどん厳しくなっていた。
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