勇者ss 第2話(タイトル未定)
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10:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:31:20.44 ID:66ORp3Ez0
勇者「確かに・・・どうして魔法使いがその塔に捕まってると知ってるんですか?」

村娘「それは・・・彼女が連れていかれたとき、私もその場にいたからです。」

彼女が言いにくそうにそう言った。その様子を見て僕は、強力な魔法使いだという彼女の友人が捕まってしまった理由が分かったような気がした。国の兵士は、彼女を人質にとって魔法使いを脅したのではないだろうか。彼女は自分のせいで友人が捕まったという負い目を感じて苦しんでいるのかもしれない。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:33:05.90 ID:66ORp3Ez0
「こんにちは」

村娘「ええと、どちら様ですか?」

役人「国の役人だ。こちらのお嬢さんが魔法使いと親しい仲だと聞いてね。お願いしたいことがあって来たんだ。上がっても?」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:34:48.06 ID:66ORp3Ez0
役人「次に魔法使いが訪ねてきたら、これを彼女に飲ませて欲しい。」

村娘「・・・何ですか?これ。」

役人「毒薬の一種だ。」
以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:36:00.41 ID:66ORp3Ez0
村娘「じゃあ、私が説得します。役人さんの話をちゃんと聞くように。だから、こんな薬は・・・」

役人「駄目だ。」

彼は急に怖い顔になり、きっぱりと言った。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:37:18.05 ID:66ORp3Ez0
役人「ところで、君のお父さんの職業はなんだったかな?
君の弟は今年でいくつになる?元気にしているか?
君は母親のために毎日薬草を採りに行ってるんだったね。
確かにこの辺りはいい薬草が生えてそうだ。」

以下略 AAS



15:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:37:57.60 ID:66ORp3Ez0
役人「何も難しいことをお願いしてるわけじゃない。
次に彼女が訪ねてきたら、飲み物にこの薬を入れて飲ませる。
薬が効いて彼女が眠ったら、窓を開ける。
それを合図に、近くに待機している私の部下が彼女を回収に行くから、君はただ見ていればいい。
それだけだ。できるね?」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:42:16.88 ID:66ORp3Ez0
彼女は話し終えてからもしばらく泣き続けた。ようやく泣き止んだ彼女を別室で休ませ、戦士と今後についての話を始める。

戦士「さあ、どうする?」

勇者「手口が汚い。それに監禁されている場所もあんな胡散臭い場所だろ?おそらくだけど、魔法使いはおおっぴらに犯罪者として連れていかれたわけじゃないと思うんだ」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:43:26.04 ID:66ORp3Ez0
塔には見張りはいなかったが、出入り口は閂か何かで内側から完全に閉じられていたため、外壁をよじ登り、窓の鉄格子を外して中に入った。

勇者「ここかな・・・」

戦士「ああ、可能性は高そうだ。」
以下略 AAS



18:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:44:50.18 ID:66ORp3Ez0
戦士「酷いな、これは。」

戦士が顔をしかめながらそうつぶやく。僕もその痛ましい様子に、目をそむけたくなった。

勇者「大丈夫?」
以下略 AAS



19:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:45:48.01 ID:66ORp3Ez0
勇者「ごめんね、少しここで待ってて。」

異臭と汚れの残ったベッドの上に戻すよりはマシだろうと思い、泣きつかれて眠っている彼女を壁の近くまで運んで床に寝かせる。

加勢に向かうために部屋を出ようとすると、ちょうど戦士が戻ってきた。手を縛られて口をふさがれた兵士を一人連れている。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:46:56.28 ID:66ORp3Ez0
「ああ、助かったよ、ありがとう。でも[ピーーー]のは駄目だ。先にしなきゃいけないこともあるし。」

戦士の連れてきた兵士にちらりと目をやる。

「そうだな。」
以下略 AAS



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