勇者ss 第2話(タイトル未定)
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18:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 22:44:50.18 ID:66ORp3Ez0
戦士「酷いな、これは。」

戦士が顔をしかめながらそうつぶやく。僕もその痛ましい様子に、目をそむけたくなった。

勇者「大丈夫?」
そう言いながら手を触れた途端、彼女はハッと気づいて飛び起き突然怯えて暴れだした。

魔法使い「やめて!もう許して!何でもするから、もう」

もう殺して
その悲痛な叫びを聞いて、胸が苦しくなる。どうやら僕たちの声は聞こえていないみたいだった。それどころか姿も見えていないらしい。

戦士「おい、目が見えてねえのか?」
勇者「うん、多分耳も・・・」

怯える彼女に上着をかけて、手を握る。

勇者「もう、大丈夫だ。もう君を傷つけるものはいないから、安心してくれ。」

少しずつ抵抗が弱まり、それから戸惑いながら探るように手を握り返してきた。

魔法使い「・・・あなたは誰?」

握っている手を開き、彼女の手のひらにゆっくりと『助けに来た』と書く。

彼女は少し呆然としてどういう意味か理解できないようだったが、突然涙を流し始めて、それからわあわあと声をあげて泣いた。

しばらく彼女を抱きしめて落ち着かせていると、遠くから戦闘の音がした。
気が付けば戦士の姿が消えている。



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