38: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:17:13.10 ID:Od9IjqsH0
わがままだということは十分分かっている。だがどうしてもこれだけは、譲れない。
社長さんは手帳をテーブルに置くと、両手を組んで私に言った。
「高垣さんの想いは分かりました。ただ、それでもセルフでというのは、承諾できません」
39: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:18:25.87 ID:Od9IjqsH0
翌日。オフであった私に一本の電話が届く。チームの構成について打ち合わせをしたい、ということだった。
私は早速事務所へ顔を出した。
「おはようございます」
40: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:19:06.98 ID:Od9IjqsH0
「いえ、ありがとうございます。正直、ここまでしていただけると、私のプレッシャーが」
「いやいや、私たちのほうがプレッシャーですって。ほんと、お手柔らかに」
私の言を受けて、プロデューサーが言う。少し、場の雰囲気が和らいだ。
41: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:20:15.89 ID:Od9IjqsH0
翌週から仕事の合間を縫って、ミーティングが開かれる。
私がリーダーになったとは言え、企画からスケジュール管理まで行うのはチームの他のメンバー。
私はアイディア出しとパフォーマンス、それを求められている。実際、仕事のスケジュールは半年先まではある程度埋まっている。そこは問題ない。
42: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:21:11.65 ID:Od9IjqsH0
「そうですねえ……ホールはあまり大きくなくていいんです、と言うか、あまり大きくないほうがいいんですが。
私の肉声が聞こえるくらいの近さで、アコースティックなライブがやってみたいです」
「ああ、なるほど。アコースティックですか」
43: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:21:58.43 ID:Od9IjqsH0
プロデューサーのざっくりしたスケジュールに、私はゴーサインを出す。
チームの道標は決まった。あとは詳細を詰めていく作業へ移る。
チームが、事務所が、人々が、慌ただしく動いていく。私の新しいスケジュールは徐々に、密に埋まっていく。
それが私にはありがたかった。
44: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:22:56.95 ID:Od9IjqsH0
※ 今日はここまで ※
徐々に、お話は進んでいきます。
45: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:33:58.33 ID:Od9IjqsH0
余談
芦名星さん逝去の報道に、心乱してます
46:名無しNIPPER[sage]
2020/09/14(月) 21:49:51.77 ID:sRegz+Goo
単純に好奇心で聞きたいんですが、紙で出したものの再録をここでする理由ってなんですか?
逆(掲示板SS→紙の同人誌)なら修正をしたいとかあるのかな、と思いますが
それと、音葉SSの続きはもう書かないんですか?
47: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 22:03:12.58 ID:Od9IjqsH0
>>46
再販はしないよってことと、単純に自分の作品を公開したいってことですかね。
公開なら渋もあるけど、やっぱり速報の投下スタイルが私は好きです。
音葉SSを覚えていただいてるとは……書きたいのはやまやまですが、今現在は精神的余裕がないので……
216Res/171.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20