羽川翼「それが……我が主人のお望みとあらば」阿良々木暦「決まりだな」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:45:29.21 ID:lUuaoiGOO
「目が覚めたようじゃな」

私と阿良々木くんがいちゃついていると、時代がかった口調の美しい声の持ち主が現れた。
その瞬間、形容し難い感覚に襲われ、跪いた。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:47:06.05 ID:lUuaoiGOO
「あ、あがっ……ぐっ」
「かかっ。苦しいか?」

心臓を抜かれた私は無様にのたうち回る。
それでも吸血鬼は死なない。不死だから。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:48:56.65 ID:lUuaoiGOO
「そこまでだ、キスショット」
「ん?」

このまま心臓が握り潰されるのではないかと思われたその時、阿良々木くんが割って入った。

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:50:19.26 ID:lUuaoiGOO
「ほら、羽川。心臓を取り返してやったぜ」
「あり、がと……阿良々木、くん」

取り戻した心臓を掲げる阿良々木くんはなかなか凄惨な絵面ではあったが、それでも有難い。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:51:32.43 ID:lUuaoiGOO
「さあ、キスショット。羽川に謝るんだ」
「嫌じゃ! 儂は絶対に謝らんぞ!」

しばらくして阿良々木くんがハートアンダーブレードさんを引き連れて戻ってきた。何やら揉めている。
謝罪を強要する阿良々木くんとそれを頑なに拒むキスショットさんはまるで兄妹みたいだ。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:53:49.24 ID:lUuaoiGOO
「まったくもう、阿良々木くんったら」
「わ、悪い。僕はどうも羽川のこととなると、ついつい見境がなくなってしまうんだ」
「私にはどう見てもただハートアンダーブレードさんのお尻を叩きたかっただけのように見えたけど?」
「おいおい、羽川。見損なうなよ。僕はお前の尻だっていつでも叩きたいと思ってるぜ?」
「見損なわせないで、私のご主人様」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:56:04.54 ID:lUuaoiGOO
「それは結果であって理由ではない。理由を述べよ。吸血鬼になりたいと望んだそのわけを」
「はっ。私のような弱者を救済するためです」
「かかっ。吸血鬼が弱き者に救いの手を述べようとは……頭がおかしいとしか思えんな」

弱者の救済。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:57:30.52 ID:lUuaoiGOO
「儂の従僕を王に? 正気か?」
「はい。誰よりも相応しい逸材かと」
「ハッ「ハハッ「ハハハッ「ハハハハッ「ハハハハハハッ」ハァーッハハハハハッ!!!!」

主人の主人は上機嫌に高笑いを響かせて、迸る絶対的な強者の波動に当てられた私は、崩れ落ちるように跪いた。すごく、すごく怖かった。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:59:07.74 ID:lUuaoiGOO
「しかし、此奴が悪党に成れるとは思わん」
「はい。それについては私も同感です」
「ではどうする? 洗脳でも施すか?」

ハートアンダーブレードさんほどの吸血鬼ならばそれも可能なのだろうけど、主人の主人の力はなるべく借りずに、従僕の私は主人を王にしたかった。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 23:00:33.33 ID:lUuaoiGOO
「うぬが虐待されて育たなければ、そんな拗らせた極論には至らぬと思うが、違うかの?」
「恐らく幸せな家庭に育っていたとしても、いずれ現実を知り、行動に移していたでしょう」
「自らが聡いことを自慢しておるのか?」
「いいえ。私は愚かなので、自分が知っている解決策しか思いつかなかっただけです」

以下略 AAS



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