羽川翼「それが……我が主人のお望みとあらば」阿良々木暦「決まりだな」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:57:30.52 ID:lUuaoiGOO
「儂の従僕を王に? 正気か?」
「はい。誰よりも相応しい逸材かと」
「ハッ「ハハッ「ハハハッ「ハハハハッ「ハハハハハハッ」ハァーッハハハハハッ!!!!」

主人の主人は上機嫌に高笑いを響かせて、迸る絶対的な強者の波動に当てられた私は、崩れ落ちるように跪いた。すごく、すごく怖かった。

「この甘ったれた従僕が逸材とはな」
「甘ったれで悪かったな」

ひとしきり嘲笑われて、所在なさげに立ち竦む阿良々木くんの黒髪をハートアンダーブレードさんはわしゃわしゃとかき回してから、私に尋ねた。

「この男が王の器たる根拠を述べよ」
「彼は優しいです」
「ああ。甘ったれじゃからな」
「彼は人類の敵に対しても、甘い」
「ああ。何せこの儂に首を差し出しおった」
「だからこそ、夜の王に相応しい」

この世界は、厳しい。とても、とても厳しい。
光に当たる世界が厳しいのならば、闇に満ちた世界だけは甘くあって欲しいと、私は思う。

「阿良々木くんならきっと、誰よりも優しくて甘い、人類の敵になれると信じています」

人類の敵。すなわち、悪。
悪党の親玉。巨悪の根源。
そして優しい、悪の温床。

私たちの温かい寝床に、彼はきっと成れる。


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