羽川翼「それが……我が主人のお望みとあらば」阿良々木暦「決まりだな」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:48:56.65 ID:lUuaoiGOO
「そこまでだ、キスショット」
「ん?」

このまま心臓が握り潰されるのではないかと思われたその時、阿良々木くんが割って入った。

「ほう、大したものじゃ。自力で呪縛から逃れたか。流石は我が従僕じゃ。褒めて遣わすぞ」
「キスショット、羽川の心臓を返せ」

吸血鬼の主従関係は絶対。それが摂理だ。
私だってきっと阿良々木くんに逆らえない。
しかし、それを彼はやってのけた。
声が出ない喉を掻き毟り、首が血だらけだ。
今も口は閉じたまま。腹話術だろうか。
なんにせよ、彼の強い意志が感じられた。

「もう一度言うぞ、キスショット。羽川の……僕の従僕の心臓を返せ。羽川は、僕の従僕だ」
「従僕の従僕の心臓は主人たる儂のものじゃ」
「どこのジャイアンなんだよ、お前は」

そんなやり取りで緊張感が一瞬緩み、ハートアンダーブレードさんは私の心臓をポイっと投げ捨てた。

「わっ! 捨てるなよ! もっと丁重に扱え!」
「ふん。うぬも主人となったならばきちんと従僕を躾けろ。次はないと肝に銘じておけ」

地面に落ちる前に吸血鬼の身体能力で辛くも私の心臓をキャッチした阿良々木くんにそう告げて、ハートアンダーブレードさんは悠々と立ち去った。


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