【俺ガイル】さよならメモリーズ
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24: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/23(水) 14:00:49.85 ID:XcMjEo+hO
 心臓がうるさい。何をこんなに動揺することがあるだろうか。
 
 昔付き合っていた恋人を街中でたまたま見かけた。ただそれだけだ。
 
 別れてから数年ぶりに目にした彼女は、さらにその容姿に磨きがかかっていて、自分と一緒にいた頃よりもより大人びて見えて、単純な距離よりもずっと果てしない遠さを感じさせる。
以下略 AAS



25: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/23(水) 14:01:26.41 ID:XcMjEo+hO
「あ……」
 
 紅茶が何かの入ったカップを二つ手にした、なかなか格好いい男が片方を彼女の傍らにそっと置く。そのカップに気づくと彼女はニコリと微笑んで何かをつぶやいたあと、再びパソコンの画面に視線を戻す。
 
 あぁ、そうか。そうだよな。
以下略 AAS



26: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/23(水) 14:01:53.31 ID:XcMjEo+hO
「なんだ、小町か。何してんだこんなところで?」
「質問に質問で返すってホントにゴミいちゃんだね……。小町はショッピングだよ!」
「すまん。ちょっとびっくりしてな」
「あー、可愛い妹に突然呼ばれて運命感じちゃった? あ、これ小町的にポイント高くない?」
「それ自分で言わなきゃ高いんだけどなぁ……」
以下略 AAS



27: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/23(水) 14:02:20.27 ID:XcMjEo+hO
とりあえずここまでです。


28: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/10/03(土) 17:57:59.97 ID:P7mZ3r8kO
『ちょっとどっか行くか』
『えっ? 声かけなくて、いいの?』
『話しかける理由なんてないだろ。今はもうただの他人だしな』

「えっ」
以下略 AAS



29: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/10/03(土) 17:58:27.81 ID:P7mZ3r8kO
――

――――

「お兄ちゃん、何にするの?」
以下略 AAS



30: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/10/03(土) 17:58:54.84 ID:P7mZ3r8kO
「……ちゃんと話したことなかったか?」
「流石の小町もあんな状態のお兄ちゃんに聞けないよ」
「えっ、そんなに俺落ち込んでた?」
「滅茶苦茶暗かったよお兄ちゃん……。自覚なかったんだ」

以下略 AAS



31: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/10/03(土) 17:59:22.60 ID:P7mZ3r8kO
 だが、俺もあれをどう言葉にすればいいのか、わからない。
 いくつもそれらしい単語は浮かんでくる。だけどもそれらは全てあまりにもチープで、そんな単純な話じゃないんだと否定したくなる。
 
 雪乃と過ごしたあの最後の数週間。その時間を、空間を、感覚を、声に出して形容するのはきっと不可能だ。
 
以下略 AAS



32: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/10/03(土) 17:59:51.30 ID:P7mZ3r8kO
「約束?」

 小町は予想外の単語に困惑の色を示す。頭の上にクエスチョンマークが浮かび上がってくるようだった。
 
「雪乃の大学じゃ、俺の評判はあんま褒められるものじゃなかった」
以下略 AAS



33: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/10/03(土) 18:00:18.21 ID:P7mZ3r8kO
「どうやら向こうでは俺に関して根も葉もない噂が飛び交っていたみたいでな。それだけ雪乃の影響力が大きかったということでもあるけどな」
「スルッと元カノの自慢入ったね」

 元カノという単語に聞き馴染みがなかったせいで、一瞬小町の言ったことが理解できなかった。そんなリア充な言葉には縁がない人生だったのになぁ。

以下略 AAS



34: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/10/03(土) 18:00:48.42 ID:P7mZ3r8kO
「その言いぶりだと、雪乃さんにはバレちゃったわけだね」
「正直者だからな」
「どこの誰の話をしてるの、お兄ちゃん?」

 小町の冷たい視線が突き刺さる。いや、俺結構正直者よ? 正直すぎて家から出たくないって思ったらテコでも動かない自信あるし。
以下略 AAS



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