【俺ガイル】さよならメモリーズ
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25: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/23(水) 14:01:26.41 ID:XcMjEo+hO
「あ……」
 
 紅茶が何かの入ったカップを二つ手にした、なかなか格好いい男が片方を彼女の傍らにそっと置く。そのカップに気づくと彼女はニコリと微笑んで何かをつぶやいたあと、再びパソコンの画面に視線を戻す。
 
 あぁ、そうか。そうだよな。
 
 元から俺にはもったいないくらいに綺麗で、可愛い女の子だった。そんな彼女が今も一人だなんて、自分と同じだなんて、そんな話あるわけがない。何を自惚れていたのだろうか、俺は。
 
 雪乃にとって俺は、長い人生の中のほんの数年を共に過ごした仲に過ぎない。むしろ喜ばしいことじゃないか。
 
『……さよなら』
 
 最後に見た表情が脳裏を過ぎる。あんなふうに笑えるようになったんだ、俺はそれを嬉しく思うべきだ。
 
 そう心から思えない自分を、見て見ぬふりをする。
 
 背を向けようとした瞬間、肩を二回トントンと叩かれた。心臓が飛び出そうになる。
 
「何してんの、お兄ちゃん」
 
 小町だった。


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