26: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/23(水) 14:01:53.31 ID:XcMjEo+hO
「なんだ、小町か。何してんだこんなところで?」
「質問に質問で返すってホントにゴミいちゃんだね……。小町はショッピングだよ!」
「すまん。ちょっとびっくりしてな」
「あー、可愛い妹に突然呼ばれて運命感じちゃった? あ、これ小町的にポイント高くない?」
「それ自分で言わなきゃ高いんだけどなぁ……」
いつも通りの小町との会話に少し安堵する。青天の霹靂と呼ぶべき出来事の数々によって異世界に飛ばされたような気分だった。
「で、どうしてそんなとこで突っ立ってたの?」
とは言え、こんな往来のど真ん中で立ち尽くすという、一歩間違えれば不審者として通報されかねない行為を誤魔化す言葉が思いつかない。
そんな一瞬の口籠りと、視線の動きを小町は見逃さなかった。
「ん、後ろ?」
「あ、バカ小町」
そして小町もまた動きを止めた。さっきまで俺が目にしていた光景を理解したようだ。
「えっ、あれ雪乃さん?」
「…………」
あちゃーと言いたげな顔。そんな反応が可笑しかったが笑える気分でもなかった。
「ちょっとどっか行くか」
「えっ? 声かけなくて、いいの?」
「話しかける理由なんてないだろ。今はもうただの他人だしな」
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