五更瑠璃「それで、飲むの? 飲まないの?」高坂京介「わかった……頂くよ」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/24(月) 21:33:09.87 ID:tDpFUbRvO
高坂京介は高坂桐乃の兄である。

兄弟仲は京介が高校2年に上がるまでは最悪で、ひょんなことから妹の桐乃のオタク趣味が発覚して兄妹のわだかまりは薄れた。

そもそも桐乃は実の兄である京介に異性としての好意を抱いており、そうとは知らずに京介は才能溢れる妹に劣等感を抱き、距離を置いて接していて、その兄のよそよそしい態度に桐乃は反感を抱き、兄弟仲は拗れていた。

どちらが悪いということはなくどっちもどっちという長い兄弟喧嘩を続けていた2人の関係は一見複雑なようでその実、簡単だった。

単純にコミュニケーション不足だったのだ。

見た目は全然似ていない癖に、変なところで似通っているのは流石兄弟というべきか。

何はともあれきっかけは何でも良く、適度に言葉を交わしてお互いを知ろうとする努力をすればいずれ分かり合えるのは必然である。

「まさかお前がそんなことを言うとはな」
「私だって、少しは人間的に成長したわ」

不敵に笑うと彼はさも嬉しそうに破顔した。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/24(月) 21:36:25.97 ID:tDpFUbRvO
「にしても相変わらず、暑苦しい格好だな」
「ふん。余計なお世話よ。ほっといて頂戴」

季節は夏。
日本には四季があって、毎年夏が来る。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/24(月) 21:38:15.80 ID:tDpFUbRvO
「もう少し、ドレス姿を堪能させて貰うよ」

ふむ。その言い回しは悪くないわね。
この男も随分言うようになったものだ。
せっかく仕立てたドレスを会って早々に脱ぐのは些かつまらない。女心を理解している。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/24(月) 21:40:20.18 ID:tDpFUbRvO
「少し歩くか」
「ええ。せっかくのお天気だものね」

待ち合わせ場所の秋葉原駅から電気街方面へと歩調を揃えてゆっくりと歩きだす。
駅の構内を出ると日光が容赦なく降り注ぐ。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/24(月) 21:43:59.95 ID:tDpFUbRvO
「んぐっんぐっんぐっ……ぷはーっ!! くぅ〜っ!! ドクペ美味えーっ!! もう、この瞬間の為に生きてるって感じがするぜ!!」
「いくらなんでも大袈裟過ぎよ」

まるで風呂上がりにビールを煽るサラリーマンのようなリアクションをした京介にツッコミつつ、私もマッカンのプルタブを開けて、甘すぎる練乳入りコーヒーを口に含んだ。

以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/24(月) 21:47:00.47 ID:tDpFUbRvO
「それで、飲むの? 飲まないの?」

即断即決を迫ると、ついに京介は観念した。

「わかった……頂くよ」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/24(月) 21:49:21.08 ID:tDpFUbRvO
「なあ、黒猫。ひとつ聞きたいんだけどよ」
「何よ、改まって」

日陰の自動販売機の横で道ゆく秋葉原客を眺めながら、彼は何気なくこう尋ねてきた。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/24(月) 21:52:07.24 ID:tDpFUbRvO
というのが、その日起こった全てである。

あくまで主観的なものなので京介があの時、何を思ってあのような妄言をほざいたのかは定かではないが、私はそれなりに傷ついた。

そのまま無言で踵を返して電車に飛び乗り、車内で泣きじゃくるくらいには傷ついた。
以下略 AAS



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