五更瑠璃「それで、飲むの? 飲まないの?」高坂京介「わかった……頂くよ」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/24(月) 21:47:00.47 ID:tDpFUbRvO
「それで、飲むの? 飲まないの?」

即断即決を迫ると、ついに京介は観念した。

「わかった……頂くよ」
「ふっ……それでいいのよ」

勝った。支配欲が胸を満たす。しかし彼は。

「なあ、黒猫」
「何よ、今更怖気づいたのかしら?」
「どうせなら口移しのほうが嬉しいなって」
「く、口移し、ですって……!?」

この男、この私に大衆の面前で、"森に生きる山犬の姫"のような真似をしろだなんて。

「なんだ、出来ないのか?」
「だ、だって、人目が、その……」
「じゃあ、俺からしてやるよ」
「ふぇっ!? ま、待って、心の準備が!」
「いいから、目閉じろ」

強く言われると逆らえず、私は目を閉じた。

「よし、もう開けていいぞ」
「はえっ?」
「残念。ドクペはもう飲んじまった」

私が目を閉じている間に京介はドクペを飲み干したらしく、空き缶をゴミ箱に捨てた。
揶揄われたと気付いて、こちらも飲み干す。

「ふん。あとで必ず後悔するわよ」
「もうすでにだいぶ後悔してるよ」
「それなら……まあ、いいけど」

駄々を捏ねる子供を宥めるのが彼は上手い。


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