五更瑠璃「それで、飲むの? 飲まないの?」高坂京介「わかった……頂くよ」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/24(月) 21:40:20.18 ID:tDpFUbRvO
「少し歩くか」
「ええ。せっかくのお天気だものね」

待ち合わせ場所の秋葉原駅から電気街方面へと歩調を揃えてゆっくりと歩きだす。
駅の構内を出ると日光が容赦なく降り注ぐ。

「手に持った日傘、差さないのか?」
「ええ。この程度の灼熱、黄泉の冷気を身に纏う私にとっては何ら意味をなさないわ」
「相変わらずの厨二っぷりだな」

だって、日傘であなたの顔が隠れて見えなくなるのが嫌だから。なんて本音は言わない。

そんな私の痩せ我慢を知ってか知らずか、彼はなるべく日陰を選んで進んでくれて、路地に設置された自動販売機の前で尋ねてきた。

「ドクペとマッカン、どっちがいい?」
「究極の2択ね」
「秋葉原の自販機と言えばこの2択だろ」

すっかりこの道のプロのような口ぶりで秋葉原に馴染んだ様子の彼に甘えて、私は選ぶ。

「あなたと違うものを飲みたいわ」
「じゃあ、俺はドクペで黒猫はマッカンな」

ガタンッガタンッと、受け取り口に飲み物が入った缶が落下して、彼はそれを拾いあげると、おもむろに私の頬に冷たい缶を当てる。

「どうだ? 黄泉の冷気よりはマシだろ?」
「……五分五分よ」

そんな戯言よりも無邪気な彼の笑顔の方が私にとっては重大で、頬が熱く火照っていた。


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