空銀子「竜王の側室にでもなるつもり?」夜叉神天衣「否定はしないわ」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:27:41.53 ID:H0ikd4c1O
「銀子ちゃん、何か飲む?」
「ん」

差し出されたメニューから飲み物を選んだ。
訪れたショッピングモールの中で、どこにでもあるチェーン店の喫茶店に立ち寄り、そこで弟弟子の八一とひとときを過ごす。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:29:33.78 ID:H0ikd4c1O
「最近、小童どもと何かあった?」
「へ? い、いや、別に……何も」

姉弟子の私に恭しくケーキを献上した弟弟子はどこか気が抜けていてぼんやりしている。
その表情が八一の対局を気にかける師匠と重なり、直感で弟子について尋ねてみたが、どうやら図星だったらしく、目を泳がせた。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:32:26.64 ID:H0ikd4c1O
「でも、それはあくまでも憧れでして……」
「憧れって意味なら、私も入門したその日から師匠に恋をしていると言えなくもないわ」
「あのジジイ。逆破門してやる!」

私と同じく憤慨した様子の八一を眺めて溜飲を下げて、閑話休題。本題へと移ろう。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:38:26.45 ID:H0ikd4c1O
「だいたい、銀子ちゃんはズルいよ」
「へ?」
「性格最悪な癖にさ。テレビに映る時だけは澄ましちゃって。あれじゃあ大きなお友達が群がるに決まってるじゃん。ほんと酷いよ」
「おいこらワレ。喧嘩売ってんの?」

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:40:23.19 ID:H0ikd4c1O
「嫉妬なんて無意味よ」

八一の気持ちはわかる。痛いほどに。
それでもそれは要らぬ心配なのだ。
私自身、主に八一の節操の無さが理由で幾度も『熱い』嫉妬の炎で身を焼き焦がしてきたので、どの口が抜かすのかと思われるかも知れないが、これだけは言わせて貰おう。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:41:56.14 ID:H0ikd4c1O
「あっ……ごめん。ついムキになって」
「バカ八一」
「ごめんってば」

声が震える。嬉しさと、そして、"恐怖"で。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:45:14.95 ID:H0ikd4c1O
「お客様、そろそろ閉店のお時間です」

結局、それから閉店まで暗譜で指し続けた。
何度負けても萎えることはない熱さがある。
熱い。この"熱"を好きな人を共有することが出来て私は嬉しかった。店を出ると八一が。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:47:06.21 ID:H0ikd4c1O
「そこの黒いの、あんたの師匠が余計なお世話だって言ってるのがわからないの?」
「そう仰らずに、お乗りくださいなお姉様」

猫撫で声に怖気が走る。なにを企んでいる。

以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:49:31.52 ID:H0ikd4c1O
「ど、どうしちゃったんだよ、天衣」

突然嗤いだした弟子に困惑する師匠の八一。
しかし、私は知っている。この小学生をここまで歪ませたのは他ならぬ八一であると。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:51:09.65 ID:H0ikd4c1O
「八一」
「は、はひっ!?」
「私、言ったわよね?」

熱い。マグマのような嫉妬が、溢れ出る。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:53:23.65 ID:H0ikd4c1O
「それでは、師匠。お姉様。ご機嫌よう」

最後まで猫撫で声で神経を逆撫でして、夜叉神天衣は去っていった。はらわたが煮える。

「あれがあんたの悩みね?」
以下略 AAS



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