空銀子「竜王の側室にでもなるつもり?」夜叉神天衣「否定はしないわ」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:51:09.65 ID:H0ikd4c1O
「八一」
「は、はひっ!?」
「私、言ったわよね?」

熱い。マグマのような嫉妬が、溢れ出る。

「私は八一しか見えてないって」
「た、たしかにそう仰いました!」
「それなのに八一は他の女を見てるの?」

あくまでも冷静に寄せる。八一を詰ます。

「もちろん俺だって、姉弟子だけを……」
「先生。私を見て」

膝の上の小学生が八一の顔を小さな両手で挟み込み、そしてまるで口づけるように囁く。

「あのね、空銀子ったらね。あの店で先生に叩き潰すって言われて、思わず……くふっ」
「それ以上言ったらぶちころす……!」

胸ぐらを掴んで引き寄せると、すかさず。

「あ、姉弟子、抑えて抑えて!」
「八一! このガキを庇うつもり!?」
「そりゃあ庇いますよ! 弟子なんだから!」

八一が割って入り、黒い悪魔はご満悦だ。

「残念でした。先生は私の味方よ」
「チッ……ただ守られてるだけのガキが」
「今はね。そのうち、私が先生を守るわ」
「守るって、誰から?」
「さあ? 束縛が激し過ぎて先生の棋力を落としかねない、重たい重たい姉弟弟子とか?」
「降りる。停めなさい」
「ちょ、姉弟子っ!?」

車が停まり、私は降りて、八一も降りた。


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