空銀子「竜王の側室にでもなるつもり?」夜叉神天衣「否定はしないわ」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/14(金) 20:45:14.95 ID:H0ikd4c1O
「お客様、そろそろ閉店のお時間です」

結局、それから閉店まで暗譜で指し続けた。
何度負けても萎えることはない熱さがある。
熱い。この"熱"を好きな人を共有することが出来て私は嬉しかった。店を出ると八一が。

「とっても楽しかったよ」
「同歩」

そう言って、嬉しそうに笑う。
その無邪気さは昔から全然かわらない。
私もその頃を思い出して、素直に笑った。

幸せだった。
そして幸せなひとときは黒い悪魔によって、終わりを迎える。

「あら? 先生、偶然ね」
「あ、天衣? どうしてここに……?」

店を出るのを待ち構えていたかのように、その黒い小さな少女は佇み、にやりと笑う。

「もし良ければ自宅まで送るわ」

パチンと小さくてしなやかな指を鳴らすと、即座に高級車が音もなく車寄せに滑り込み、運転手が恭しく後部座席のドアを開けた。
変装していたようだが私にはわかる。
この運転手は私と八一が過ごしたあの店の店員だった。
全て仕組まれて会話を聞かれていた。

「いや、今日は姉弟子と一緒だから……」
「ふん。むしろ好都合よ」

好戦的な眼差しを向けられて気づく。敵だ。


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