70: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/12(水) 00:59:15.34 ID:yGgQ9HDMO
魔王が首を振った。
「……生命の気配がない。街の門番は、あのデイヴィッドという男に事前に殺されているな」
71: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/12(水) 01:00:15.66 ID:yGgQ9HDMO
#
疲れと精神的な衝撃から、ユージーンに着くまで会話はほとんどなかった。
着いたのは深夜。安宿に着くと、魔王は無言で金貨1枚を眠そうな女将に渡した。
72: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/12(水) 01:01:32.11 ID:yGgQ9HDMO
第3話はここまで。
アリスなどのキャラクター紹介は後日。
質問などありましたらどうぞ。
73: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/12(水) 18:56:55.69 ID:4aI2cGelO
設定紹介
「遺物」
遥か過去に作られた武具の総称。その全てが現在では再現不可能な技術で作られている。
74: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/12(水) 18:59:11.20 ID:4aI2cGelO
魔術都市オルランドゥ
マナが豊富なオルランドゥ大湖のほとりにある。人口は約1万人。風光明媚な観光地でもある。
都市としては自治権を持っており、モリブス政府でも簡単には干渉できない。
学院長は合議制によって選ばれる。当代の学院長はローマン・ゴールディ。基本的に政治的野心には乏しく、研究の邪魔さえされなければいいというスタンス。
75: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/14(金) 16:43:08.45 ID:mtWo0cv2O
第4話
76: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/14(金) 16:43:35.29 ID:eY+H6i2KO
涼しい風が頬を撫でる。疲れは残っていたけど、今日は何とかなりそうだ。
ユージーンで馬を買ったからだ。魔王が御し、私はその後ろの鞍に座っている。胸が少し当たるけど、きっと彼は気にしないだろう。
「……馬、なんでオルランドゥで借りなかったの」
77: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/14(金) 16:44:50.38 ID:eY+H6i2KO
「ねえ」
「何だ」
声をかけたはいいけど、何から話すべきか思い付かない。そもそも、男性とちゃんと話すこと自体、今までの人生の中でそう多くはなかったのだ。
78: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/14(金) 16:45:36.65 ID:eY+H6i2KO
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「……おかわり」
フードをすっぽりと被ったまま、魔王が空になった皿を突き出す。テーブルの上には、早くも3枚の皿が重ねられていた。
79: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/14(金) 16:46:26.87 ID:eY+H6i2KO
魔王が急に、匙を止めた。
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