107: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 17:14:30.28 ID:cAlXBzjlO
第5話はここまで。
108:名無しNIPPER[sage]
2020/08/16(日) 17:44:48.66 ID:k68JHorDO
乙乙
109: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/17(月) 01:05:18.63 ID:Ws0S9QYyO
設定紹介
モリブス公国
北ガリア大陸南東部に位置する合議制商業国家。南ガリア大陸との交易でここ10年で急速に栄えた。遥か東のアトランティア大陸とも交流がある。
110: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:13:08.11 ID:8Z5elHuBO
第6話
111: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:14:20.10 ID:8Z5elHuBO
ユングヴィ教団の大聖堂は、街の真ん中にある。鋭い尖塔と、その上部の大時計はモリブスのシンボルだ。
何でも500年前、世界を救った英雄とその仲間が私財を投げ打って作ったらしい。
ユングヴィ教団というとイーリス聖王国の印象が強いけれど、元を辿ればここが発祥なのだという。一生のうち一度は必ずここを訪れるのが、熱心なユングヴィ教徒の決まりだ。
私たちは、その下にいた。初秋とはいえ、モリブスの陽射しは暑い。私は眼鏡を外し、眼を拭った。
112: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:15:22.85 ID:8Z5elHuBO
「……やれやれ」
「『やれやれ』じゃないわよ!もう少し穏便にできないの?」
「穏便にできないのはあいつの方だ。そもそも、お前はモリブスのユングヴィ教団の事情を知らんだろう?」
113: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:16:33.22 ID:8Z5elHuBO
小さな声で詠唱する。全神経を大地に集中し、精霊の「動き」を水晶玉に集めた。
「再生時間」が短いのは救いだった。いつ殺されたかが大体分かっているから、無駄な時間の「再生」は少なくてすむ。
半刻より前に、ぼんやりと水晶玉に映像が浮かび上がった。大聖堂入口の薄明かりが、中年の女性と若い男性2人を照らしている。
何か話しているようだけど、会話内容は声が小さすぎて分からない。……この辺りも、要改善かな。
114: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:17:50.86 ID:8Z5elHuBO
「え??」
115: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:19:12.21 ID:8Z5elHuBO
#
モリブスの繁華街を通り過ぎ、旧市街に入ると異臭が鼻を突いた。香辛料の香りに生臭い何かやすえた臭いが混じった、酷く不快な空気だ。
街並みもボロボロの建物が目立つ。道行く人たちは皆身なりがみすぼらしく、目がギラギラと光っていた。
116: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:21:06.19 ID:8Z5elHuBO
向こうから狐の耳のようなものを付けた女性が男2人とやってきた。男の1人はコボルトで、もう1人は場違いにも思える燕尾服を着た人間の男性だ。
女性は白く長い髪で、扇情的な露出の多い服を着ている。ツンと張った乳房と少し厚みのある唇は、同じ女の私から見ても色っぽい。
お尻から尻尾が何本かゆらゆらと揺れている。……娼婦、じゃなさそうだな。
「あ゛、姐ざんっ!!」
117: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:23:48.92 ID:8Z5elHuBO
#
ワイルダ組の応接間は、思いの外飾り気がなかった。無頼衆というと、派手で怖い先入観があったけど……
「つまらない部屋だろう?」
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