94:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 20:56:42.12 ID:QqIdgo5i0
『薄荷 -ハッカ-』
www.youtube.com
95:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 21:00:54.34 ID:QqIdgo5i0
満ち足りた五分三十秒が再びのピアノソロで締め括られました。
イヤホンを外すと冷たい風が頬を撫で、そういえば今は冬だったっけと遅れて思い出しました。
「プロデューサー」
96:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 21:06:04.98 ID:QqIdgo5i0
雛鳥でも暖めてあげるかのように、
小さな音楽プレーヤーを両手でそっと包み込んで。
一旦緩めた箍は締め直す事も叶わず、
柔らかな笑みはいっそ、春の雪解けのように。
97:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 21:14:48.17 ID:QqIdgo5i0
むっ、と、加蓮がおとがいに指を添えて唸りました。
そのままむむむと唸ったかと思うと、指を三本、伸ばします。
「三倍返しするから」
98:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 21:23:58.23 ID:QqIdgo5i0
彼の言葉通り、アニバーサリーライブ後の加蓮は以前にも増して熱が入っています。
ポテトだったらからりと揚がるくらいです。
所属当初は液体生物と化していたダンスレッスンも、
最近は何とかヒトの形を保ったまま終える事が出来るまで成長を遂げました。
99:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 21:33:16.91 ID:QqIdgo5i0
「単語レベルだよ。聞き齧りの付け焼き刃。で?」
「正解だよ。俺の意図はそれだけど」
100:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 21:42:34.23 ID:QqIdgo5i0
「ふぅん」
企画書をめくりつつ、同時に頭の中の加蓮ちゃん大辞典もめくってやります。
どちらも覚えのある名前でした。
101:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 21:46:16.87 ID:QqIdgo5i0
「神谷さんも今頃ソロデビューの曲を貰ってる筈だよ」
「あ、そうなんだ」
102:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 22:02:45.40 ID:QqIdgo5i0
◇ ◇ ◆
「何にする?」
103:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 22:10:00.11 ID:QqIdgo5i0
「自己紹介はさっきのでもうオッケー?」
「ええ。殿方の前では出来ないような、女同士のやらしい話をしましょう」
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