51:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 01:24:58.85 ID:SPkljqcV0
自分の全てを暴かれてしまったようで、加蓮の頭に血が昇ってきます。
訳も分からないまま込み上がってきた言葉をぶつけようとして、
声帯が震える直前でどうにか唇を引き結びました。
52:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 01:51:37.98 ID:SPkljqcV0
◇ ◇ ◆
「久しぶり」
53:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:09:50.63 ID:SPkljqcV0
奏の悪戯っぽく崩した表情へ、加蓮は確かにアイドルを感じ取りました。
相も変わらず、薄暗闇の中でも舞台女優のように映える綺麗な顔が、
寝息を立てるお城を優しく見守っています。
54:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:38:51.98 ID:SPkljqcV0
「それで、何か私に言いたい事があるんじゃないかしら」
「それそれ」
55:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:52:44.46 ID:SPkljqcV0
「……どう? どうっ? 今のアタシ、すっごい格好良くなかった?」
不敵な笑みは見る間に得意気なそれへとすり替わっていました。
はしゃぐ加蓮を目の当たりにして小さく口を開けると、
56:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:56:36.13 ID:SPkljqcV0
それだけ呟くと、彼女は何処かへと姿を消しました。
一方の加蓮はそのままの姿勢で十秒たっぷり固まって、
それからおそるおそる伸ばした指を確かめます。
57:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 10:56:37.69 ID:SPkljqcV0
◇ ◇ ◆
これまで開催されてきたライブの一曲目は、
例外無く出演者全員参加の『お願い! シンデレラ』でした。
58:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 12:00:41.76 ID:SPkljqcV0
「五分前です。皆さん、衣装のチェックはしっかりと」
『はいっ!』
59:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 12:08:06.59 ID:SPkljqcV0
「ともかく」
「はいはい」
60:名無しNIPPER[sage]
2020/04/29(水) 14:34:10.82 ID:SPkljqcV0
◇ ◇ ◆
暗い。
61:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 14:44:55.30 ID:SPkljqcV0
『――お願い! シンデレラ』
『夢は夢で終われない』
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