もしもし、そこの加蓮さん。
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54:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:38:51.98 ID:SPkljqcV0

 「それで、何か私に言いたい事があるんじゃないかしら」

 「それそれ」

ぽん、と音を立てるように、加蓮がわざとらしく拳で掌を叩きます。

 「色々考えてきたんだよね。
  自己紹介とか、いちおー感謝とか、好きな映画ジャンル談義とか、アドレス教えてとか」

 「盛り沢山ね」

 「でも、多分さ、必ずしもそういうのは必要じゃないって思うんだ。アタシ達って」

小首を傾げて続きを促す彼女の所作。
ただそれだけでイヤになるほど決まっていて、けれど加蓮は臆しませんでした。
真っ直ぐに、奏の胸を指差します。


 「ライブで語るから」


余裕を湛えていた奏の眉が、半月を描くように丸みを帯びました。


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