もしもし、そこの加蓮さん。
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55:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:52:44.46 ID:SPkljqcV0

 「……どう? どうっ? 今のアタシ、すっごい格好良くなかった?」

不敵な笑みは見る間に得意気なそれへとすり替わっていました。
はしゃぐ加蓮を目の当たりにして小さく口を開けると、
奏は微笑みながら自身へと差し出された右手を取りました。


キスを一つ。


伸ばされた人差し指をフルートみたいに啄まれて、
加蓮は一瞬何が起こったのか把握しきれませんでした。
ようやく脳が事態を処理し終える頃にはもう、奏は踵を返していて。


 「――ええ。惚れちゃいそうなくらい」


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