もしもし、そこの加蓮さん。
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56:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:56:36.13 ID:SPkljqcV0

それだけ呟くと、彼女は何処かへと姿を消しました。
一方の加蓮はそのままの姿勢で十秒たっぷり固まって、
それからおそるおそる伸ばした指を確かめます。

まだ温度の残っているような気がしてならないそこには、メイクさんによるものではない、
恐らくは自前のルージュが薄く爪痕を刻み付けているのでした。

 「……変な娘」

加蓮が呟きました。


残念ながら、この事務所は変な娘たちが大半を占めていました。



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