もしもし、そこの加蓮さん。
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53:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:09:50.63 ID:SPkljqcV0

奏の悪戯っぽく崩した表情へ、加蓮は確かにアイドルを感じ取りました。
相も変わらず、薄暗闇の中でも舞台女優のように映える綺麗な顔が、
寝息を立てるお城を優しく見守っています。

 「加蓮、って呼んでも?」

 「かの字同士ご自由に、奏」



 「……?」

 「ん? 何?」

 「加蓮。あなた、変な娘ね」

 「えー……?」

二人が見守る前で次々とステージ照明が灯ってゆきます。
スタッフの掛け声に合わせて端から端まで順にチェックを終えると、
今度はスポットライトのテストが始まりました。
奏が視線を振り、形の良い唇をきゅっと曲げます。


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