195:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 19:46:57.13 ID:GVB5f6680
「なんで……っ! なんで、加蓮が、加蓮がっ、ごめんなんて、言うの……!」
「ご……ごめんなさい……」
196:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 19:52:17.75 ID:GVB5f6680
口に出してしまった言葉の恐ろしさを、加蓮はよく分かっているつもりでした。
つもりだけで、何一つとして分かってはいなかったのに。
十年前のたった一言。
197:名無しNIPPER[sage]
2020/05/09(土) 20:00:04.55 ID:GVB5f6680
最初に取り戻した感覚は二つの暑苦しい熱でした。
何か声を絞り出そうとして思い切り咳き込みます。
198:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 20:05:27.01 ID:GVB5f6680
二つの熱から声が響いて、どうも両親のものによく似ていました。
前から、後ろから挟むように抱き締められ、
ただでさえ細い身体が押し延ばされてしまいそうです。
199:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 20:11:44.36 ID:GVB5f6680
――ねぇ、神様。
200:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 20:14:50.35 ID:GVB5f6680
【Z】イージー・ライダー
何せ広いものですから、入ってくる所が違えば途中の道順も全く異なります。
201:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 20:20:05.72 ID:GVB5f6680
「今日って大安だっけ?」
「ああ」
202:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 20:24:05.55 ID:GVB5f6680
憑き物。
改めて他人の口からそう表現されると、
何だか小気味好い気分がして、加蓮は小さく笑いました。
203:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 20:28:49.21 ID:GVB5f6680
分かりきった質問を投げ掛けるのも、プロデューサーの重要な役目でした。
両手に持っていた企画書を胸にそっと抱きしめて、
加蓮は抑えきれないと言わんばかりの笑みを零します。
204:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 20:35:35.15 ID:GVB5f6680
「……順番は逆だけどな。実を言うと、
そこに載ってるメンバーと担当には先に話をしてある。
みんな二つ返事どころか一つ返事だったぞ」
205:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 20:43:09.39 ID:GVB5f6680
◇ ◇ ◆
「やほ★ 元気してる?」
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