300: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:46:16.85 ID:ZRhpxi3E0
高木社長「では、我が765プロからはワールドフェス日本代表予選へ高山紗代子君を、代表として出場することに決定したわけだね」
P「はい。他の娘の担当プロデューサーからも了承を得ました」
高木社長「では改めて、君にひとつ聞きたい」
301: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:48:03.39 ID:ZRhpxi3E0
『いつかは今日だった』
302: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:49:05.99 ID:ZRhpxi3E0
ワールドフェスを前日に控え、瑞希は紗代子に声をかける。
瑞希「高山さん。調子は……いかがですか?」
紗代子「あ、うん……大丈夫」
303: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:51:59.63 ID:ZRhpxi3E0
そして大会当日。
紗代子「こんなに大勢の参加者がいるんですか!?」
304: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:53:26.41 ID:ZRhpxi3E0
このみ「961プロから出場予定のアイドルもいたんだけど、出場を取り下げたのよ」
P「なんだって? 961プロにだって今年活動を開始した娘はいるのに……まさか、会場を爆破したりとかするつもりじゃないだろうな」
瑞希「なんでも、961プロは海外も既に視野に入れて活動をしており、今更日本予選などには出ない……と、黒井社長さんはおっしゃっておられたとか」
305: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:54:02.69 ID:ZRhpxi3E0
言い掛けて、プロデューサーは口をつぐむ。
この娘はここまで、こうやって登ってきたのだ。
止めない歩み、あきらめない心、それがあってこその紗代子なのだ。
P「……5回パフォーマンスをやるなら、順序も大事だ。最初はスローテンポの曲でいこう」
306: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:54:33.20 ID:ZRhpxi3E0
大会は進行していく。
紗代子の歌はやはり、観客や審査員の心を捉えた。
今や、劇場でも紗代子の歌声は名声を博しつつある。紗代子の歌目当てのお客さんもいるほどだ。
その歌を、表現豊かなダンスやフリが支えている。
彼女は疲弊しつつも、順調に勝ち進んだ。
307: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:55:37.96 ID:ZRhpxi3E0
司会「ここで皆様に、ひとつお知らせがございます」
四回戦終了後、残っているアイドルは5人になったところで、唐突に登壇した司会者が言った。
308: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:56:22.46 ID:ZRhpxi3E0
元気に答える紗代子だが、さすがに息があがっている。
一瞬、棄権しようかという思考がプロデューサーの脳裏をよぎる。
黒井社長が審査員である以上、紗代子はトータル得点で他のアイドルより10点は低く集計されることは間違いない。
そして今現在残っている娘は、全員が今年デビューしたアイドルの中でも、それこそトップの娘らだ。
1点の損失が命取りになりかねない。
309: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:57:56.07 ID:ZRhpxi3E0
P「なぜだ……」
紗代子「え?」
P「どうして紗代子は、そんなにも希望を持っていられるんだ……希望を捨てずにいられるんだ……どうして……」
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