169: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:51:20.17 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「ひとつは、プロデューサーの言ってた事は本当だった、ってことです」
P「俺が?」
紗代子「必死な人の懸命な声は人の魂に届く、という話です。プロデューサーの私を呼ぶ声、聞こえました。確かに……」
170: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:54:34.95 ID:ZRhpxi3E0
P「いや、わかった。行くよ、明日は劇場に」
紗代子「良かった! 私、全力でがんばります。そして……」
P「え?」
171: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:55:47.52 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「小さい頃、いつも一緒に遊んでいた幼馴染みの女の子。その子と、約束したんです。2人ともアイドルになろうね、って。そして一緒のステージで歌おう、って」
P「そうだったのか」
紗代子「きっとあの子も、がんばっているはずです。だから、私も……」
172: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:56:13.89 ID:ZRhpxi3E0
P「今日のことや、そういうことを懐かしく話す日もあるかも知れない。だが、紗代子も俺もまだ道半ばだ。今はただ、目の前だけを見ていこう」
紗代子「……わかりました」
173: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:57:43.30 ID:ZRhpxi3E0
高山家の前で紗代子を下ろしたら、そのまま帰るつもりだったプロデューサーの腕を、紗代子は必死で引っ張ってきた。
紗代子「今日のお詫びに! いいえ!! 今までのお礼もこめて、夕食だけでも食べていってください!!!」
174: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:58:49.72 ID:ZRhpxi3E0
結局、女性2人に両腕を引っ張られ、プロデューサーは高山家へと招き入れ……いや、引きずり込まれた。
手際よく夕食の調理を始める紗代子の母を横目に見ながら、プロデューサーは紗代子に小声で話しかける。
P「なんだか……紗代子とはちょっとノリが違うな」
175: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:59:15.22 ID:ZRhpxi3E0
「ただいまー。姉ちゃん今日はもう帰って……あれ? お客さん?」
P「あ、ああ、あ、ど、どうも」
「どうも……どなたさん?」
176: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:01:06.98 ID:ZRhpxi3E0
P「あ、しょ、し、職業は、あい、あ、アイドルのぷ、プロデューサーを……」
「そうなんですかー。僕も好きですよ、アイドル」
紗代子「そ、そうなの? えへへ」
177: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:01:35.13 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「なんだかすみません。ノリの軽い家族で」
P「いや、ごちそうになった」
178: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:02:15.15 ID:ZRhpxi3E0
『歌声は魂に届いた』
179: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:04:39.20 ID:ZRhpxi3E0
高木社長「き、君!?」
765プロ社長の高木順二朗が、目を剥いて驚いた後、心底嬉しそうに両手を開く。
高木社長「ついに君は、あそこから出てきてくれたんだね。いや、待っていたよ」
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