282:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:49:18.41 ID:Hn+oLRjQ0
「千夜ちゃん」
ふと声が聞こえた方へ目を向ける。
お嬢様と――凛さんだ。
283:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:53:38.65 ID:Hn+oLRjQ0
振り返ると、アイツがタオルと給水を持って私の後ろに立っていた。
「お疲れ様でした」
284:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:55:30.40 ID:Hn+oLRjQ0
「……ばーか」
コホンと咳ばらいをして、滲んだ視界でもはっきりそれと分かる真っすぐな定規を見つめる。
「お前なんか、お前で十分です。これまでも、これからも」
285:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 02:03:54.45 ID:Hn+oLRjQ0
――――
ねぇ、ちょっと。
ちょっとそこのキミ。キミだよ。
286:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 02:07:59.94 ID:Hn+oLRjQ0
何でー? 学校嫌い?
じゃあ私がさ、とっときの技を伝授したげるよ。
ほれっ、ドサーッ♪
287:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 02:21:05.63 ID:Hn+oLRjQ0
えーと、しら、うーん――日本語難しい?
そんならねぇ、ほれ、雪。
ホワイトスノー。たしかそれで合ってるでしょや?
それが私の名前、ていうか名字。皆にもそれで通してんの。
288:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 02:30:09.09 ID:Hn+oLRjQ0
* * *
「お戯れを、お嬢様」
まったく――余計な戯言を挟まれたせいで、もう一度お皿を数え直さなくてはならない。
289:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 03:27:45.62 ID:Hn+oLRjQ0
「うぅ、千夜ちゃんのハンバーグ師匠……」
泣きながら捏ねているお嬢様はともかく、椅子は――。
ふぅむ――おじさまの書斎にあるものを持ってきても、二つほど足りなくなるな。
290:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 03:34:01.83 ID:Hn+oLRjQ0
「そうだ、今日はあの人は来てくれそうなの?」
ふと、お嬢様が台所から声を掛けてきた。
「加蓮さんからの情報によると、常務はたぶんお越しになれない見込みです」
291:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 03:46:26.29 ID:Hn+oLRjQ0
「すっごく、良い感じだよ」
首を傾け、ニコッと微笑むお嬢様に、私は首を傾げた。
「すっかり欲張り屋さんになって、楽しそう」
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