白雪千夜「足りすぎている」
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290:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 03:34:01.83 ID:Hn+oLRjQ0
「そうだ、今日はあの人は来てくれそうなの?」

 ふと、お嬢様が台所から声を掛けてきた。

「加蓮さんからの情報によると、常務はたぶんお越しになれない見込みです」
「ふぅーん、そっかぁ……忙しいんだね♪」
「ふふっ、そうですね」

 おじさまは、今日ホームパーティーをするに辺り、屋敷を留守にされると仰った。
 それは大変ありがたいご配慮だったけれど――でも、やはりお世話になっている人にはお礼を尽くしたい。
 そして、それは美城常務にも同様だった。

 そこで、お嬢様の提案により、私達はおじさまが常務をホームパーティーの場へ迎えるように仕向けたのだ。
 おじさまにも、常務にも、会いに来る相手が誰なのかを正確には教えていない。
 合流された後、そのままこちらへ参加しに来てくれても良いし、場合によってはそのまま二人でどこか――。

 そしてどうやら、それは後者になりそうとのことだ。
 何をお話されるのか楽しみだが、私達は私達で楽しむことに全力を尽くさなくては。

「千夜ちゃーん、できたぁ」
「本当ですか?」

 気の抜けた声に疑いを抱きつつ、念のため確認しにいくと――。

「まぁ、良いようですね。では次はサラダを…」
「千夜ちゃん」
「何ですか」



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