白雪千夜「足りすぎている」
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288:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 02:30:09.09 ID:Hn+oLRjQ0
   * * *

「お戯れを、お嬢様」
 まったく――余計な戯言を挟まれたせいで、もう一度お皿を数え直さなくてはならない。

「お戯れてなんかないよ、ていうかお戯れさせてよぉ」
「くだらない事を言っていないで、そこをお片付けください。テーブルを置けません」

 今日は2月4日。私の誕生日。
 何でも望みを叶えてくれるというお言葉に甘えて、私はホームパーティーを要望した。
 黒埼家の屋敷を一日お借りして、事務所の皆を招待するのだ。

 その準備を、お嬢様だって手伝うと仰っていたはずなのに――。

「えぇー、だって昨日も私魔法使いにこき使われてもークタクタで……」
「そんなのは皆同じです。
 それよりほら、ハンバーグ、やってくださいましたか?」
「あぁ、うん」

 だらしなく散らかった衣服を片づけながら、お嬢様はおざなりに台所のカウンターを指さした。
 出来を疑いつつ、私がそれをチェックしに行く。

「……まだ練り方が足りません。もう少しちゃんとやってください」
「えぇーっ!? 練り過ぎると良くないって言ってたよね!?」
「程度の問題があります」



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